【あぐり】感想ネタバレ第90話 淳之介は4年生。あぐりもエイスケも仕事は絶好調。でも家庭は…?

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第90話

昭和6年4月、淳之介は4年生になった。
あぐりは京橋に支店を出すことに。
エイスケも次々と小説を発表。
美容室とエイスケの小説の広告が同時に新聞の紙面を飾ることもあった。

 

そして昭和8年(1933年)早春。
あぐり美容室は本店も京橋支店も順調であぐりはますます忙しく。
エイスケの次々と小説を発表し家に寄り着かない日々が続いていた。

 

この年の2月20日、文壇を揺るがす大きな事件が起こった。
プロレタリア文学の小林多喜二が警察署内で拷問を受けて亡くなった。

 

あぐりの毎日は忙しい。
淳之介に翌日参観日であることを聞くが、その日は大事なお客様の予約が入っていた。
代わりに光代が参観に行くが、淳之介は寂しげ。
先生に当てられて教科書を読むが元気が無い。
そこに仕事の合間を縫って学校に訪れたあぐりがどうにか間に合った。
あぐりの顔を見た淳之介の表情は明るくなり、元気に教科書を読むことができた。

家に戻るとエイスケが珍しく帰っていた。
エイスケは淳之介が4年生になったお祝いに皆で美味しい物を食べに行かないかと声を掛けるが
あぐりは、エイスケの言葉も届かず大急ぎで店に戻ってしまった。

「淳、君の言うとおりだ。ママは忙しいみたいだねえ」

仕事がどうにか一段落ついたところで
とめから、エイスケが淳之介のお祝いに銀座のレストランを予約していたと聞いたあぐり。
慌てて自宅の方に行くと、
淳之介が一人でエイスケの作ったオムレツを食べていた。

それからひと月以上、エイスケは家に帰ってくることはなかった。

あぐりはカフェ・セ・ラ・ヴィにエイスケの様子を聞きに行く。
しかしカフェ・セ・ラ・ヴィにも顔を出していないと言う。

世津子は今のエイスケにはあぐりが必要かもしれないと言う。
エイスケは苦しんでいる。
今の時代はエイスケを受け入れようとしているが、多くの作家を抹殺しっようともしている。
今のエイスケにはそれが耐えられないのだと。

今の彼には逃げ場がない。
エイスケを支えてやってほしいと言う世津子。

そこへ一人の若い女性がやってきた。
その女性は「望月エイスケの家の者」と名乗り、世津子にエイスケの原稿を渡しに来た。

あぐりの脳裏に「夫婦でも埋め尽くせないものがある」と言った父健太郎の言葉がよぎった。

あぐり美容室は着々と!エイスケも順調

あぐり、着々と経営規模を拡大!
京橋に支店も出し、お弟子さんたちも増えてるー!

原作によると、実際は銀座の伊東屋さんのビルに出店したそうです。

すごいですよねー。
持ち前のあぐりのやり出したら諸突猛進、エネルギッシュなところと、
なんだかんだいって岡女出身、父晃さんから頭の良さは受け継いでるでしょうから…
こういったことをやらせたら実は強いでしょうねえ~。

エイスケさんの小説も次々と作品を発表して順調。
御大の仕送りが無くてももう大丈夫!笑

新聞紙面に同時に2人の広告が掲載されるなんて、ちょっと感動的ですよねえ~。
なんてキラキラ夫婦!!!

 

文壇はいろいろ複雑

エイスケさんがもてはやされているのには、ある事情もありました。

エイスケさん人気の裏で、プロレタリア文学は弾圧。
この前逮捕された小林多喜二は拷問の末、警察署内で亡くなってしまいました。

ああ…怖い。
「澪つくし」のかをるたんも水橋も何とか出てこられてよかったよ。
「おしん」の浩太も足が動かなくなっちゃったけどまだよかったのよ…。

カフェ・セ・ラ・ヴィではプロレタリア文学の川原がショックで飲んだくれている。
その一方で、お取り巻きに囲まれたエイスケが来店。

このときのエイスケさん、
世津子さんが苦しんでるって言うには、ただ川原に絡んでいるとしか見えなかったよ~www

この前、世津子さんの興味が自分から川原に移ったショックの腹いせに
今に絶好調の自分を見せびらかしに来たとしか…
ということで、ちょっとエイスケさんの態度が不快だった…。

プロレタリア文学以外を受け入れないのは警察がやってることと同じ。
ただ小林多喜二の死を悼んだだけ。

と言っていたので、エイスケさんの気持ちは確かに世津子さんの思いをくみ取って何か伝えたかったんだろうし
ひねくれた形でアプローチするのはエイスケさんの定番ではあるが…。

ちょっとその導入方法が私はやっぱり好きじゃない…。

世津子さんの話からすると、エイスケさんの小説の大ヒットはプロレタリア文学とは真逆だからってことですねえ。
純粋に世相を反映してのヒットでないというところもエイスケさんが川原に絡む理由かもねぇ。

エイスケさんはどこまで行っても救われない思いを引きずっているのかも…。
物書きはつくづく孤独な商売ですねえ。
そこには確かに夫婦で寄り添う時間が欲しいのかも…。

バリキャリあぐりは多忙過ぎ

忙しいあぐりは、淳之介の参観日を忘れてた…。

まあねえ仕方ないよねえと同情。
でもあぐり、学校だよりはきちんとチェックしようwww
そんなものはきっと当時は無いんでしょうね。

そして小学生、「あ、今日参観日だよ」なんて、あるあるだから~。
淳之介ちゃんはちゃんと伝えていたようですが
忙しいと流しちゃうこともあるある…。

まだまだ保育園とか整っていないなかでの子育ては大変ですよ。
お姑さんがいたとはいえ、よくやってこれましたよねえ、あぐりさん。

ましてや経営者。
家庭のことがお留守になってしまうことも仕方ない。

そしてあぐりの性格だからなあ。
あぐりのサッパリ、サバサバな性格だからエイスケさんも重くなくて結婚生活続けられたんだろうけど…。
夢中になっちゃうとそればっかりになっちゃう性格なんだろうしね。
その集中力のおかげであぐり美容室は成功したんだろうけど…。

家でたったの10分でもいいからきちんと家族と話す時間を持つとか
食事は必ず家族で揃って団らんをとか
それさえやれば少しはましだったのかも…?

にしてもエイスケさんいなかったからねえ…。
難しい、難しい。

エイスケさんの寂しそうな顔が、今日は刺さったわ…。

 

エイスケさんにはやはり女が!

あぐり、ここまで旦那が帰って来ないのは、さすがに気が付いた方がいいよお!

エイスケさんがこの前「薄物を取りに来た」ってやってきたときにもっと考えればよかった。
あぐりも「どこで暮らしてるの?」って言ってたから、何か感じていたのかもしれないけど…。
エイスケさんを直接責めるのはダメだけど…。

あぐりもエイスケさんに甘えるところが少ないからかなあ。
難しいけど、エイスケさんみたいな男性も、そういうところをやっぱり求めるのかねえ…。

今の状態だとあぐりがあまりにも一人で完結しちゃってるところがあるからってことかなあ?
でもエイスケさんがフラッといなくなりすぎだから、そうなったんであって、
エイスケさんがそのような妻にあぐりを作り上げたと思うんだけど…。

しかし「エイスケの家の者です」と来るとは!この女性大胆ですっ!!
世津子さんのところにこの女性を送り込んだエイスケさんも無神経ー!
しかしドラマ的にはドキッとして面白かったー笑

やっぱり男ってこういうごくごく普通の女性が好きなのかしらねぇ。
特別美人でもなく、気が強そうでも賢そうでもなく、特別善人でもなく、
ごくごく普通のキャラの弱い女性。

あぐり、健太郎さんの「夫婦でも埋め合わせられないものがある」という言葉を反芻。
健太郎さんのあの言葉、これの伏線だったとは…!
昨日の光代さんと健太郎さんの熟年カップルの不思議な関係は理解難しーと思いながらも面白かったけど
このドドーンと思い展開への伏線…。

でもあぐり、まず「埋め合わせられないものがある」と納得させる前に
もうちょっと自分自身も仕事ばっかりになっちゃってたなあ~とか思い返して何かアクションした方がいいと思うよ…。
アクションしようにもエイスケさんとなかなか顔を合わせられないから手遅れかも知れないけど…。