【あぐり】感想ネタバレ第62話 チェリー山岡VS石坂和子のガチバトル

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第62話

石坂和子の断髪が気になって仕方が無いあぐりは、仕事中抜け出して石坂和子の美容室の偵察に行きそのまま髪を切ってしまった。

美容室に戻って来たあぐりを見た瞬間、チェリー山岡も、弟子たちも全員絶句。

チェリー山岡は、石坂和子の髪型なんかに何の関心も無いとピリピリ。
そして考え無しに髪を切り捨てることは女性美を切り捨てるのと同じことだとあぐりを一刀両断。勝手な行動を反省しするように言い、奥の部屋に行ってしまった。

姉弟子達には、先生への裏切り、カッパのようだと言われてあぐりはしゅんとしてしまう。

カフェ・セ・ラ・ヴィに言ったあぐりはそのことを皆に話すと、
鈴音はチェリー先生が怒るに決まっていると言う。
自分の弟子が他の美容室に行ってきた髪型を見て喜ぶはずがないだろうと言われてあぐりは納得。さらにしゅんとしてしまう。

しかし、エイスケと燐太郎はその髪型はすごく似合っていると褒めてくれる。

世津子があぐりに石坂和子の魅力について聞くと
あぐりは石坂和子もチェリーと同じものを感じると言った。

石坂和子も洋髪を日本中に広めようと思っている。
誰にも気軽に洋髪を楽しんでもらいたいと思っているからウェーブ代を安くし
客を選ぶこともしない。

まさにチェリー山岡が今まで言っていたことを実践している。
当のチェリー山岡は、良家のご婦人方相手の仕事しかしていない。

このままだとチェリーは石坂和子に先を越されるのではないかと心配するあぐり。

雑誌のチェリー山岡と石坂和子の対談が楽しみだと言う燐太郎、エイスケ。

 

美容室では、横浜に支店を出すと言う話が客の話題に。
誰に任せるのかという客の問いかけにまだ決めていないと答えるチェリー。
その会話に耳をそばだてる姉弟子達。

 

そして雑誌の対談の日。

新時代の女性はもっと自分の美しさを大胆に表現するべきだと主張する石坂和子。
それにに対してチェリーは、女性美は外見だけではなく内側からの美しさにこだわるべき、そのためには知性、教養品性を磨くべきだと主張。
やみくもに新しい物に飛びつくのもどうかと反論。

2人の対話は平行線。

対談が終わると、石坂和子は美容室にチェリーの弟子が断髪しに来ていたとあぐりのことを話し、チェリーも弟子に断髪を教えてあげたらいいと嫌味。

そして最後に石坂和子は横浜に支店を出すことになったと告げて帰って行った。
「これからは技術の勝負になりますよ、先生」

世津子は石坂和子は勢いがあると世津子は評した。
生意気で、背伸びで、無我夢中で、まるでアメリカから帰って来た頃のチェリーみたいだと言う世津子。

チェリーが美容室に戻ると、あぐりが一人残っていた。

チェリーはあぐりに石坂和子美容室の様子を訪ねると、あぐりは若い客が多かったと答えた。
若い人は洋髪にしたがっている人が沢山いるが、まだ料金が高く特定の人向けのもの。
それにたいして石坂和子の店は誰でも受け入れて料金が安い。
そしてあぐりは、美容師は女性に夢を売る仕事なのだ、夢は誰でも平等なはずだと気付いたと話す。

つい出過ぎたことを言ってしまったと恐縮するあぐりだが、チェリーは参考になったと微笑んだ。

翌日、チェリーは皆を集めて、横浜支店は時子に任せることを発表した。

あぐり、破門にならずによかった…

KYあぐりは平気で断髪に。

昨日のあれ見て、もうコレは破門!?とハラハラしましたが…。
そこまでは行かなかったようで取りあえずホッ。

鈴音ちゃんに言われて初めてまずいことをしたと思い知るあぐり、さすがですーwww

断髪否定派のチェリー山岡の店なんだから、
弟子が断髪姿で店内ウロチョロしてたら面目丸つぶれだと思うんだけど、
そこは世津子さん曰くチェリー山岡は「大きな人」だってことでしょうかね。

破門にもならず、店内でお仕事させてもらえてとりあえずよかったけど
あそこまで言われたら、普通の人ならもう「居場所ない!」って感じになっちゃうだろうと思うけど…恐縮しつつも普通に仕事続けられるあぐりはやっぱり図太い。
エイスケさんが言ってたように、そこがあぐりのいいところ~!

エイスケさん、さりげなくいい夫

あぐりとエイスケさんの夫婦、当時の常識からは大幅に外れているけど、お互い自由でなんかいいですよね~。

エイスケさんもあぐりも、我がままや身勝手じゃなくて、お互い自由だったり、マイペースだったりするから、一般人の日常のタイムテーブルとは合ってないけど、お互いいい感じに調和してるんだなあと実感する。

以前のエイスケさんと違って、ただ破滅的に遊び歩いてるんじゃなくて、書く時は書いてるんでしょうと感じるし。
あぐりがそばにいてほしい時はきちんといてくれるしね。
パーラーの誘いにはホイホイ乗ってくれるわけだし。

そして、あぐりがレザーカットを練習したがっていると、麻紐?をほどいて練習台を作ってくれてました。
そういうところが、エイスケさん可愛いし優しい。
ただただ飲み歩いてるだけのダメンズじゃないのよお。
エイスケさんにはエイスケさんの時間軸みたいなものがあるのよねえ~。
そしてそれがなんだか妙に癒される。

さらに、あぐりの髪型を「似合ってるよ、とても」って言ってくれる時の優しい言い方は
妻への愛に溢れているしねえ…。
皆の前でも照れずに言ってくれて…それだけで信じられるよ、この人!感動。

そして、女性としては髪型でケチ付けられたらとてもショックだろうという配慮と、そんなあぐりを全面的に守ろうと言う気概も感じる。

全面的に肯定してくれるエイスケさんの心強さよ…。

さらに立ち直りの早いのはあぐりのいいところー!
とあっけらかんと言ってくれるのも嬉しいねえ。

あぐりが、子供の頃から相変わらず、あっけらかんとして立ち直りが早いのは、エイスケさんが全面肯定してくれているおかげでもあるんですよねえ~。

そして、エイスケさんも、強いようで繊細な人だからあぐりの大らかさに憧れてリスペクト市てくれてるところもあるんだろうなあ…。

2人とも、いい夫婦…。

 

チェリー山岡VS石坂和子のバチバチ

今日のハイライトはやはりチェリー山岡VS石坂和子の対談シーン。

当時は録音することができなかったから、世津子さんも燐太郎さんも大変!
速記の技術はこれだったからなのね…。

でもあれでは、燐太郎さん書き取るので精いっぱいで司会どころではなかっただろう…ww

チェリー山岡VS石坂和子は、バチバチのマウント合戦。
名取裕子さんと高橋ひとみさんっていう美のバトルでもあって見ものです。
これじゃあ、ケンカじゃない??
お互いの意見を言い放つばかりで、対談記事としてはまとまりがついたのかどうか…
そのまま書いたのでは読者は震え上がって皆お店に来なくなってしまうのでは…笑

まあそれはいいとして、

石坂和子さんとしては、断髪こそ女性美を最大限に引き出すもの。
もっとハッキリと美を主張するべきだという考え。

それに対してチェリーは、内側から出る物が女性美。
そのためには知性教養、品性を磨かなくてはという考え。
チェリーさん、でもそれは、美容師のやる仕事を超えているのでは…?とちょっと思ってしまう。知性教養品性なら女学校の校長にでもなられたら??なんて思ってしまうwww
まあ、ラインで直接的に美を表すのは邪道ってことなんでしょうかね~。

2人の考えは平行線。
ただ、石坂和子の方が具体性がある分、これからっぽいですねえ確かに。

石坂和子、あぐりがチェリーの弟子って知ってたなあ。
アレはなぜ??と疑問は残るが…。
それは、あんまり深いことはなくただセリフでマウントさせるためだと思うが…www

まあ、ちょいちょい、ありますが、
まあ最先端の、流派違いの者同士のバチバチのバトルを見るのはなかなかの見ものでした。

 

チェリー山岡は大きい人

世津子さん、チェリーさんに余裕ぶっこいてるけどいいの?と忠告。
生意気、背伸び、無我夢中…まるでアメリカから帰って来たばかりの時のチェリーを見るようだと世津子さんは石坂和子の印象を話した。

世津子さん、いろいろ見てますよねえ~。
公平な目を持ち、大胆で行動的で…。

最先端の女、女って言うけど…世津子さんが一番最先端じゃね??笑

その言葉でハッとしたチェリー。
チェリー先生、自分が石坂和子になぜだか感じるイライラの元に気付いたって事でしょうかねえ。

最先端を行く女性、これまで常識と思われてきたことを壊して前に前に切り開いてきたチェリーですが、成功を手に入れていつの間にか今に満足してしまっていたのかも…。

これからも、今以上に貪欲に新しいものを取り入れて前に進んでいかなくてはねえ…。

キチンとそれに気づいたらしいチェリーはやはり世津子さんの言う通り器の大きい人なのでしょう。

単にあぐりを破門にしなかったのも、やはり器の大きさからかも…。
あぐりの大胆さ、奔放さに驚きながらも、誰にも媚びないあぐり、いいものはいいと素直に動くあぐりにチェリー先生も頼もしい何かを感じているのかもしれない。

 

チェリー山岡、石坂和子、世津子さん、あぐり…鈴音ちゃんもか。
大正時代の、自立した女性がそれぞれのレベルで描かれていて、なかなか色鮮やかで興味深くもあります。