【あぐり】感想ネタバレ第44話 チェリー山岡は裸の王様!?女性の自立に否定的な90年代の価値観が見える

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第44話

武史にチョコレートを食べさせてたと山岡真知子にウソを言われてチェリー山岡に叱られてしまったあぐり。ショックを受けたあぐりは夕食の支度もままならない。
そんな様子を見ていた中野辰子(鈴木砂羽)は、この家の子供たちは平気でウソをつく甘やかされてるから気を付けた方がいいと言う。

あぐりがなぜチェリーは子供たちをそうまで甘やかすのかと尋ねると、仕事ばかりしているから後ろめたいのだろうと言う。
「職業婦人と母親の両立は無理なのよ」

さらにチェリー山岡の母さちも、弟子たちのことは人とは思わない人間だと言った。

この家で上手くやっていこうとしたら「東照宮」だと辰子はアドバイス。
見ざる、言わざる、聞かざる。
深入りしないことが大切。

 

夕食時、あぐりはあらためて弟子たちに紹介を受ける。
弟子たちは、
最年長の美容師、川田雪。
もう一人の美容師が 石森時子。
この2人は通いの美容師。

住み込みの弟子は
3年目の、山本花枝と市川和代。
あぐりと同室で2年目の中野辰子。
あぐりと同期の岩崎千代子。

あぐりは、雪と時子の会話を聞いて、お互いを認め合ういい職場だと感動するが、実は全然。

辰子の解説によると、
事実上の後継者を巡って、雪と時子は張り合っていてギスギス。

大阪出身の時子は姫路出身の花枝と結託。

和代は雪の腰巾着。
和代の出身は仙台で、秋田出身の雪にくっついている「東北組」。
和代は口下手だから雪にくっついてないとやっていけない。

辰子は、東京出身。
今はチェリー山岡の付き人をやっているから中立。

千代子は北海道だが、ドジでのろまでどっちからも誘われない。

辰子は、岡山出身のあぐりはまず時子側から誘われるから用心しろと忠告。

 

翌日も、武史は仮病で学校を休んだ。
あぐりはまた武史の面倒をみるよう言われて店に行かずに家に留まる。

武史におかゆを作るが、武史はまたいらないと拒否。
武史はお菓子を探しに1階に降りてきたが、あぐりが家中のお菓子を隠してしまっていた。

さちは、武史の仮病には既に気付いていた。
子供のウソに気付かないとはバカな母親だとあきれ顔。
親の愛情に飢えているのだと言うさち。

 

さちの話から武史の寂しい気持ちに気付いたあぐりは、おしるこを作って持って行ってあげる。
お腹の空いた武史は素直に受け取るが、「まずくて食べれられない」と。
確かに食べてみたらまずい。
塩と砂糖を間違えていた。
「ありゃりゃ、間違えちゃった」
目を合わせて笑い合うあぐりと武史。

あぐりは、その後武史以お菓子をあげる。
「内緒じゃからな」

母親が仕事を持つということが、子供にどんな思いをさせるのか、あぐりは少し分かったような気がした。


 

 

チェリー山岡は母としてはダメダメ

チェリー…汗。
今の感覚で見ると、チェリー、おバカの身勝手、自己満女にしか見えないよお。
とんだ裸の王様じゃんか…!

子どものウソにまんまと騙されてるし。
子どもに負い目があるから甘やかされているレベルを超えているwww

お母さんにもウソが見抜けないんじゃあって言われちゃってるし。

このチェリーのお母さんは、きっとチェリーが仕事してるの気に入らない描写なんですよねえ?
光代さんとの対比?
にしては、孫がウソついてるって気が付いてるのも放置って…。
チェリーとの間に確執があるんだろうけど、
チェリーがあそこまで成功してるなら、母の理解がないと無理だと思うのですが…。

チェリーの母さちさん、チェリーと対立してるならしてるで、だったら孫たちに手を掛けるんじゃないかなあ?と思うけど…。
その結果子供たちがわがままだったりねえ。

そこの描き方が、やはり男性スタッフの意見で書かれたって感じですかねえ。

さちさんをチェリーと対立させる構図に描くとしても、さちさんが孫に知らんふりだと、さちさんに感情移入できないわ。
この2人のどっちにも共感できない!

 

あぐりと光代さんとの関係を対比して描いているにしても、ここまでダメダメファミリーでは、チェリー山岡がここまで成功している説得力がないわ。

そこをあぐりが取り持つんだろうけど…。
わずか16歳の駆け出しあぐりが取り持つなんてそんなにヒロイン万能か!
AKのヒロイン上げの片鱗かもしれませんねえ。

 

チェリー山岡は経営者としてもダメダメ!

美容院の内部は派閥に分かれて権力争い…。

こういう弟子から成りあがって…という世界は、後輩イジメ、派閥争い、覇権争いがあるあるだろうとは思いますが、
こういうの、もういいんだけど~。

んで、こんなことも見抜けないチェリーは経営者としても失格なんじゃあ?汗

女の園はこういうものが付き物と思い込んでいる男目線を感じる…汗。

こういう揉め事って、男社会ならではの「序列」、「身分制度」にがんじがらめになっているからこそのものであって、アメリカナイズされたチェリー山岡だったらもっと風通しの良い現場になるのでは!?!?

こんないやらしーいイジメとか争いに全く気付かないって…。
チェリー山岡、どんだけ裸の王様なんだよお!?と悲しくなるよお。
全然魅力ないんだけど、チェリーー!!

女が社会で成功するには、その代償に他の全て犠牲にしなくては…という描き方が、なんか男のひがみ根性を感じるわ~。
そして当時は自分も含めて女性自身もそう思い込ませれていたよねえ…。
外で仕事するのはOKだけど家庭も仕事も全部できなきゃダメよって。

あぐりの天真爛漫=行儀悪いもまた出たー

あぐり、また食事シーンでいきなり誰よりも先に食べ始めたよ。
これは、天真爛漫じゃなくて無礼千万じゃないでしょうか…。

あぐりは、お転婆だけどきちんとしたお育ちのお嬢様だから、その辺のマナーはきちんと身に着けているはずなのにい!
こういう描写も、元気な女子=無礼っていう短絡的な描写で、男性のマウントを感じるよ。

弟子入り1日目にして、寝坊するしね。
同室の辰子さん、たたき起こさないのも不思議ですが。
あぐりはぐっすり寝てしまって、なんて天真爛漫、ハッピーなのお?と言いたいんだろうけど。

 

今の時代、冷静に見てこんなおバカな女子いないわ!って思えるけど、当時これに騙されていた女子も多かったと見受けられます。
こういう描写って80年代から90年代に至るまでかなりテッパンで、
高校生の頃の天真爛漫を自負するヤツが、時間守らなかったり、約束すっぽかしたり、何でもかんでもルーズだった気がするけど、この洗脳を受けていたんだろうなあと思う。

そういう子に振り回されてイラッとくる私は、心が狭いのかな…なんて私も思ったりしたなあ…。
ああもう黒歴史だわ。
ホント、世の中に騙されてたわ。

 

 

 

子供も仕事もあぐりが来たら事OK?AKのヒロイン上げはここから?

子どもがグレてる。
美容室の現場はギスギス。

ちょっと今更見たくないような、嫌な描写ではありますが、このドラマのライトなタッチからしたら、
あっちゅうまに解決でしょうね。
おしんでドーンと考えさせられたり、おちょやんヒリヒリした思いをしたりってこともそうなく解決すると思います。

その解決はきっと、あぐりが全部解決!!!

あぐり、今日は砂糖と塩を間違っただけで、武史を懐柔し始めたしな。
明日、明後日にかけて美容師の先輩方の心も開き始めるんだろう~笑

さっさと終わってくれることはありがたいにはありがたいのですが、
そんなに何でもかんでもあぐりに解決させなくてもいいだろ!!
と思いますが、
そこは、ひと時代前のドラマって事ですかねえ。
おしんや澪つくしよりは後だけど…。

そして、この何でもあぐりで解決は、ちょっと前の北海道の優しいあの子とか、音楽のとかあたりのAKの片鱗を感じます。

 

90年代もまだまだ「女性は家庭」の価値観。

社会的に成功しているチェリー山岡。
でも実は家族関係はボロボロ。
職場はギスギス。

のもろ裸の王様状態。

さっきも言いましたが、そういう女性はどうせ、家庭は崩壊してるだろ?子供たちは不幸せだろ?という男性側のひがみみたいな見方が見え隠れする。

それに対して、あぐりは姑の光代さんの理解もある、エイスケさんも応援してくれる…と
あぐりの家庭を比較して描いて行くのでしょうが、
そうすると、あぐりは稀に見る恵まれた家庭って言いたいのかしら?

あぐりの人生を、描くけど、こんなに奇跡的な過程だからたまたま上手く行ったのだと描くつもり?
普通はこんなこと滅多にないんだから、諦めなさいよって言うつもりなのかなあ???

1997年は、私もちょうど結婚した頃でしたが、今と違って、共働きでも家庭は女性がメインでやると考えられていた時代。
このドラマもそんな感じをよく表しているのでは?
女性が外で仕事をするのはいいことだけど、相当大変だぞ。だから特別なことだぞ、と女性自身も思い込んでいたことをありありと感じ取られて…。

黒歴史に見えるwwww
90年代ってまだまだ過渡期だったのねえと。

 

今との価値観の違いを間のあたりにさせられたような、恥ずかしい痛い思いもすることはしていますが、
ドラマそのものとしては、キャラはブレてないし、このライトなノリはそこそこ好きなので
その考え方の違いを比較したりしながら、痛いのも含めて楽しみながら見ています。