【あぐり】感想ネタバレ 第16話 世津子さんの来訪

『あぐり』あらすじ(ネタバレ)第16話

 

 

健太郎(里見浩太朗)は光代(星由里子)に言われて駅にエイスケ宛のハガキの送り主、世津子を迎えに行く。

改札口から出てきた世津子(草笛光子)は、健太郎に親し気に手を振った。
世津子は会うなり、まずは何か食べたいと言い、2人は洋食屋へ。

2人が歩く姿を妻五郎たちが目撃。

世津子は、実は健太郎の元恋人。
健太郎は、エイスケが上京している間の世話を世津子のお願いしていた。

世津子が岡山を訪れたのは、卒業後、岡山に帰ったままのエイスケが気になっていたから。
エイスケには東京を引き払わせて自分の後を継がせるつもりだと言う健太郎。

「エイスケさんは文士として光るものがあるの」
エイスケの文才を買っている世津子は、このまま岡山に埋もれさせるのはもったいないと言う。

「かごの中のび鳥はあなただけで十分でしょ」
世津子を選ばずに、岡山に戻った健太郎と違って、エイスケは自由にはばたこうとしているのだと訴えた。

 

その夜、あぐりは一人線香花火をしながら、民子に「あんたに他人の痛みが分からない」と拒絶されたことを反芻。
そこにエイスケが帰って来た。
「エイスケさんは他人の痛みが分かる?」
あぐりはエイスケに民子とのことを話す。
最愛の人に裏切られて心の傷が深すぎるんだろうと、エイスケはあぐりのことを優しく気遣った。

 

健太郎は光代に、世津子のことについて報告。
世津子は、エイスケが東京で世話になった質屋のお婆さんだということに。
前々から岡山に来た時に、観光案内する約束をしていたと。
「そういうことだったんですか」
健太郎の脱いだ着物をたたみながら安堵する光代。
しかし、着物から覚えのない香水の匂いが。
健太郎は、翌日も観光案内を買って出たと話す。

 

あぐりは、エイスケに世津子からハガキが来たことを話す。
世津子がエイスケの恋人だと思い込んでいるあぐりは、
自分が実家に帰っても構わないから世津子を裏切らないであげれほしいと訴える。

あぐりの真剣な顔を見てエイスケは吹き出した。
「そうだ、明日一緒に世津っちゃんに会いに行こうか?」
「いいです!世津子さんには会いたくありません!」
あぐりは機嫌を損ねた。

 

翌日あぐりは、木の上で、エイスケの言葉を反芻し悶々としていると、草履を落としてしまい、通りがかった女性の日傘に当たってしまう。
通りかかった女性は世津子。

 

エイスケが、世津子の宿を訪ねると、そこにはなんとあぐりがいた。
世津子は、東京でカフェをやっていて、エイスケたちの相談相手になってくれているだけだった。
誤解が解けて笑顔が戻るあぐり。

エイスケは自分が書いた原稿のことを世津子に聞くと、世津子は出版社の人間に、エイスケにしては平凡だと言われたと言う。
「東京にいたときのキレ味がないって」

 

あぐりとエイスケは、岡山駅まで世津子を見送りに。

世津子は、エイスケに「あなたはこのままではダメになるわ」と言い残して列車に乗った。

 

世津子さんは、エイスケ父の元カノ!

とねさん(←しつこい)、いえ世津子さんは、エイスケ父である健太郎さんの元カノのようですねえ!
文士が集うカフェーのマダム。

健太郎さんも東京に行ってたんですねえ。
そしてやっぱり文士を目指してた?
何を目指してたかは分からないけど、世津子さんと恋仲だったんだから文士とかハイカラなご職業だったんでしょう。

で、エイスケさんが東京の学校に行く時に元カノの世津子さんにいろいろとお世話をお願いしていたと。
なるほどお。

だからね、ハガキのことを聞いたエイスケさんがお父さんの方が困るでしょーってケラケラ笑ってたのは。

家に乗り込むなんて、そんな「ヤボテン」しないわよと言ってた世津子さん。
その世津子さんが、わざわざ岡山に来たって事は、余程エイスケさんが心配だったって事ねぇ。

 

「カゴの中の鳥はあなただけで十分でしょ」
「あなたは私よりもこっちの暮らしを選んだの。
自分からカゴの中へ戻ったの」

このあたりのセリフの下りだけで、世津子さんと健太郎さんとの過去も見える。
エイスケさんのことを世津子さんが見込んでいるのが分かる。

静かな普通の会話だけど、意味深で…こういうのいいなあ。

この脚本、こういう普通のセリフの重ね方が素晴らしいなあと思います。

ただ…草笛光子さんが食べながらしゃべるのが気になった…www

 

 

健太郎さんと光代さん、世津子さんの駆け引き

世津子さんを巡って、エイスケの女疑惑と、健太郎さんの秘密と重なり合って、それぞれが勘違いしてワタワタなるのが、面白ーい!

いかにも、これぞお芝居の醍醐味!!

今日も、健太郎さんは、ごまかし演技が安定の面白さ!
可愛い!
里見浩太朗さんのファンになってまう~!

そして光代さんのしたたかさも可笑しくてー。
光代さんのこと、「タヌキ!」って言ってたの、なるほどこれかあと!笑

妻五郎が駅で健太郎さんと世津子さんが2人で居るところを目撃してしまったところから、従業員にも噂が。
妻五郎さん、磯辺さん店先で噂しちゃあwww
光代さん思いっきり背後にいるんですがあああwww

そんな磯辺さんたちの様子も平和で可愛いよ。

そして光代さんは、磯辺に健太郎の向かった料亭を聞き出して待ち伏せ。
健太郎の贔屓の呉服屋の女将のフリして健太郎に声かけ!!
大胆!
面白ーーーーーい。

セリフには全く書かれてないけど、女同士のバチバチの闘いだし。
健太郎さんはビビりまくりだし。

セリフに書かれていない部分が面白くて可笑しくて。
これこそが、役者さんが演じていて楽しくなるセリフなんだろうなあ。

里見浩太朗さん、星由里子さん、草笛光子さんの、大人の演技の駆け引きも見ごたえあるー!

 

あぐりが可愛い!

民子にきついこと言われたあぐりは、エイスケさんに相談。
あぐり、妻五郎さんには「恨んだことある?」って聞いたけど、事情は話さず。
エイスケさんには事情を話すのね。

エイスケさんには、きちんと話するようになってる。
そして一番聞いて貰いたい人になってるなあと…。

今日の線香花火のシーンも、いいなあと思いました。
これまで2人のほっこり、しっとりしたシーンはラストですが、
今日は中盤で。
出てくるタイミングが中盤になったのも、あぐりとエイスケさんの距離が縮まってきたのを表すような…。

あぐりの悩みを共感しながら聞いてくれるエイスケさんは、温かくて本当にいい人だわ。
んで文士志望だけあって、含みのある、心に寄り添ったアドバイスの仕方でいいなあ、

段々と本音トークしてくれるようになってきたあぐりのこと、エイスケさんも可愛くて仕方が無いだろうなあ。
あぐりはまだ15歳だから、多感な少女の気持ちをきちんと守ってあげないととも思ってくれてるんだろうなあ。
言葉は多くは無いけど、あぐりに寄り添った言い方にエイスケさんの精一杯の優しさを感じて沁みる。

脚本家の清水有生さんって、日常的な会話で心の動きを描いて行くことが本当に上手いんだなあ。

 

そしてこの2人の様子、健太郎さんと光代さん夫婦の駆け引きとも対比されていて、それにより、2人の間に嘘が無いことも強調。
ちょいちょい笑わかしてくれながら、それぞれの関係、心模様を見事に浮き彫りにしているわ。

 

さらにあぐりは、世津子さんはエイスケさんの恋人ではないかと直接聞きました。
あぐり、やっぱり気になってたのねえ。
民子ちゃんだけで頭が一杯だと思ってたらwww

そしてあぐりは、世津子さんを裏切っちゃいけない、自分が実家に帰ってもいいと言って…健気。
そしてあぐりはどこまでもフェア。
自分の気持ちには正直でいて欲しいと。
純情で可愛いじゃんー。

あぐりは、エイスケのことを好きだって自覚してるレベルではないけど、エイスケさんのためなら!って思っているところも素直で好感。

世津子さんに一緒に会おうって言われて機嫌損ねちゃうのも可愛い。
いやいや、エイスケさん、可愛くて仕方ないだろう。

あぐり、自覚ないけどいつの間にかラブラブカップルだわ。

ちなみにいつの間にか、屏風立てなくなってましたねえ。
機嫌損ねてまた立てちゃったけど。
そういった細かい描写にも好感持てる。

 

エイスケさんの葛藤

世津子さん、出版社に原稿を見せたら「エイスケにしたら平凡」と言われたと。
そして「このままじゃダメになる」と言い残して去って行きました。

エイスケさんの苦しみは、まさにそれですよね。
岡山に埋もれてしまっては自分はダメになるかもしれない。
でも健太郎に「後を継ぐ気は無い」と言う勇気が無い。

そこに、帰り際の世津子さんの「このままじゃダメになる」はグサッと刺さっただろうなあ。

世津子さん、健太郎さんとの会話と言い、このエイスケさんへの一言と言い、そんなにセリフは多くないんだけど、
とても意味深で、ガラリと空気を変える、いいセリフ言ってる…。
草笛光子さんが演じることで、非常に惹きつけられるものになっていますねえ。

 

そして「このままじゃダメになる」と言われた途端にエイスケさんの顔つきお変わって…。
野村萬斎さん、こういうときの表情すごく印象的で刺さる。
森潤が帰ってしまったと知ったときの表情もそうだったし。

カゴの鳥にさせられている孤独感、焦燥感…痛いほど伝わってくる。

あぐり、エイスケさんが原稿をゴミ箱にしてていたのを見てビックリしていましたねえ。
エイスケさんが小説書きたいと思っているのは、認めつつあるのかな。
まだ小説のことは深くは知らない、エイスケが文士を本気で目指しているとまでは思ってはいないけど、
素直で自由なあぐりは、エイスケさんが小説書くのが好きなのは知ってるし、自由を止めようとする人ではないからね…。
だからこそ、いきなりゴミ箱に原稿捨ててるのにはびっくりしたのでしょう。

これをきっかけに、あぐりもエイスケさんの本音を聞いて理解してあげられたらいいですねえ。
ここからどのような形でエイスケさんがあぐりに心を開くのかも見ものですね。

そのとき2人は本当の夫婦になれるのでしょうねえ。