【おちょやん】感想ネタバレ 第87話 寛治は満州へ

【おちょやん】あらすじ(ネタバレ)第87話

 

戦争に負けたら満州は危険。
満州には行くなと主張する一平。

寛治は一平と千代に出会ったおかげで誰かの役に立ちたいと思えるようになった。
そう思える自分が本当に嬉しいのだと満州行きへの意志は固い。

数日後、寛治は早朝一人満州へ。
毎月必ずお給金を送ること、それができなかったらすぐに戻ってくることを条件に千代は満州行きを許した。
ちょっとでも危ないと思ったら真っ先に逃げろ」
「絶対に生きて」
千代は寛治におにぎりを持たせて送り出した。

寛治が出て行った後、千代はみつえに「堪忍」と。
みつえが福助を送り出したときの気持ちがようやく分かったと千代は泣く。

 

稽古場の前にたたずむ千代。
半分焼け焦げた稽古場は誰もいない。
セリフが口を突いて出てくる。
いてもたってもいられず稽古場で一人稽古を始める。

警察が来て不謹慎だと注意されてしまうが千代は反論。
周囲に集まって来た人々もこんなときに芝居どころではないとブーイング。
千代が連行されそうになったところで、拍子木の音が。

拍子木を持った須賀廼家万太郎が現れた。

万太郎は、千代は空襲で頭を打ってからこんな奇行をすると言ってその場を丸く収めた。

その後、稽古場に残った万太郎と千代。
万太郎は千代を、戦争が終われば、また芝居ができる、世界中の人に笑いを届けられる日が来ると千代を励ました。
「そん時こそ、わてらの出番や」

昭和20年7月。
寛治から手紙が届いたのは最初の1ケ月だけ。
心配する千代だが、皆はどうせ忙しいのだろうと。
向こうで女と博打に明け暮れてるのでは?とからかい気味に言ったみつえに、千代は寛治はテルヲじゃない!と言い返すが…。

その頃、満州 新京では、寛治は女と博打に現を抜かしていた!

 

寛治の満州行きは必要?

うーん…このタイミングで満州にまで話を広げる必要あるかなあ?と思ってしまう。
モデルとされる藤山寛美さんが満州で終戦を迎えたそうですが。
だからって言ってこのタイミングで無理矢理盛り込まなくてもと。

寛治のことは、家庭劇に加わって以降フォーカスされていなかったので唐突感あるし。

変に話を広げて取っ散らかってしまうのではー??と。
既に今薄くなってきちゃってるのに。

 

千代の心の変化の過程が描かれてない

残念ながら、今日も相変わらず千代の心理描写が描かれていないですねえ。

千代が寛治の満州行きをどうにか受け入れるところまでを描くのがドラマだろうに。
一平が寛治に「反対」と説得するまではよかったけど、その後の一平の思いも描かれず。
せっかくの一平のシーンもこれからの満州は危険と言う状況説明だけの機能で終わってしまった。

それを盗み聞きしていた千代も、ここで一平の考えを初めて知ったのか?既に知っていたのか?も描かれず。
「多分日本は負ける」に対して千代はどういう思いでいるのかも見えず。

その後みつえに慰めて貰いながら心情を吐露するという形で、寛治がいなくなってしまった千代の哀しみを表現していましたが、またセリフで話して終わりにしちゃったねえと。

それに、いなくなってしまったから哀しいのは当然。
それで泣かれてもと思う。
この涙でなく、寛治がいなくなるのを許す決断をするときの千代の涙を見たかった。

杉咲花さんの演技は素晴らしいんだが…。
だからこそ残念過ぎる。
千代の涙の演技がもったいないのよぉ。

横にそれますが、ここえ桜の花びらがキレイだったけど、美しくはかない桜の花びらで千代の悲しみを際立たせたかったんだろうけど、戦争中の描写には明るくなってしまってまた悲壮感がそがれてしまったなあ。

 

そして千代の心理が描かれないせいで
半壊した稽古場で一人芝居をするシーンも、「女優」杉咲花ちゃんの迫真の演技でしたがもったいないなと。

これまでは千代の家族話ばかりで、千代の役者人生や、芝居への熱い思い入れが描かれてないから。
もちろん「芝居がなかったら生きて行けない」、「芝居のせいで救われた」みたいなことは確かに言ってるけど、ただのセリフだけですからねえ。
口だけでどう役者として歩んできたかとか、役者としての生き様が描かれてないから真実味が無いので。
だからあの迫真の一人芝居も、芝居をする千代の奥の気持ちに寄り添う事が出来ず。

40近いのに、思慮も配慮も無いのよねと…。
ただ現実を受け入れられないサイコパスに見えてしまってたの。残念。

正義感が強く一途な半沢キャラを押し通したいのでしょうが、これではただの困った人だよと。
共感できない。
皆の気持ちを逆なでしちゃったんだからこの場では警察に連行されるの仕方ないとしか。
寛大で機転の利く万太郎さんに遭遇できてホント、ラッキーだったよねとしか思えない。

禁を冒しても芝居をしたいとしがみつく悲壮な千代の思いを描いたのでしょうが、
千代にでなく、周囲のヤジ飛ばしている人の気持ちと同化してしまった…。
コレ、まずいでしょ。

千代の描き方があまりにもステレオタイプになってしまったなあ…。

 

よかったのは須賀廼家万太郎さんが割り込んでくるシーン

本日、唯一よかったのは、須賀廼家万太郎さんのシーン。

警察に反論して責められ、周りにヤジを飛ばされているところ、拍子木が鳴り、万太郎が入ってきます。
万太郎さんは、千代は空襲で頭を打ってからこんな奇行をするようになっちゃったと、にこやかに、穏やかにその場を丸くおさめてくれました。

この万太郎さんの、喜劇役者としての貫禄、場の空気が一転する凄さ。
これには感動。
そして見ていてホッとしました。
喜劇って心強い。
万太郎さん、人柄に喜劇がしみついているわ!
まさしく喜劇王だわ!!

そしてこの万太郎さんの姿を見て、喜劇は何もかも舞台でやるパフォーマンスではなく、日常の物事を笑いで優しく包んでいくことこそ喜劇だよなあとも。
これぞ喜劇!!!

…しかし、そーすると、なんで千代はこの期に及んでも舞台で芝居をすることに執着するの?と。
皮肉にも、千代の器の小ささがクローズアップされてしまう形になってしまったなあとも。
40近くにもなって、芝居20年近く続けていて、アナタの発想はそれだけ?と…汗。

そしてその後の、万太郎さんとのシーンもセリフのかけあいだけで全てやっちゃったしね。
千代の内面が膨らまない…。

今回の朝ドラはコロナ禍で、回数もコンパクト、当初から何回でまとめるか不透明だったと思います。
さらに2度目の緊急事態宣言が出ている中での撮影でいろいろ大変なことも多かったと思う。
だから特にセリフで片付けになっちゃったところは仕方が無いかもしれませんが…。
でも、それにしても千代を描いていないせいで残念なことになってきてしまっている気がする。

 

 

寛治は満州で、博打と女!

寛治はきっと美川と会ったわな…www

藤山寛美さんはそういうタイプだったらしいですが、
博打に女…これもまたやるう!?と…。

因果応報、切っても切れないって事かもしれませんが、
またテルヲか!!
テルヲ、声もうるさいわ。
もう出て来なくていいわ。

この繰り返しループはしつこい!
さすがにお腹いっぱいだわ。

人情話がお得意とはいえ、このタイプのネタしぁないのお!?
満州で現を抜かす寛治のヘラヘラ顔に、またこの繰り返しかあ…とゲンナリ。

なんか、ちょっといろいろ残念。