『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第148話
昭和13年春。
戦時色濃い銚子の街にかをるとアミは立ち、千人針をお願いしている。
そこに、とねとますみが来て千人針に協力。
とねは、ますみが妊娠して、そのための準備の買い物にきた途中だった。
かをるは、とねにそっと惣吉の消息を聞くと、10日ほど前惣吉から手紙が来たととねは話してくれた。
惣吉は南方で海軍の仕事をしているという。
しかし詳しいことは分からないと言う。
「惣吉にも千人針を送ってやりたいけど、なんせ居場所が分からないんじゃあねえ…」
とねが縫った千人針には惣吉への思いも託されているとかをるは感じた。
入兆に、軍人がやってきて栄二を呼び出した。
軍人たちは、醤油を飲んで徴兵検査を受ければ兵役を免れられると栄二が青年学校で言いふらしたと怒っている。
「本部まで出頭しろ!」
神山は「バカもん!」
と栄二を殴る蹴るして、軍人に謝る。
見せしめのために半殺しにして叩き出すので、どうか表沙汰にしないでほしいとお願いした。
軍人たちは神山の栄二に対する仕打ちに満足し、神山に任せて立ち去った。
神山の対応は、栄二が軍人にしょっぴかれないようにするための芝居だった。
「頭…勘弁してください」
栄二は涙を浮かべて頭を下げた。
神山は、本音と建て前をうまく使い分けないといい大人にはなれないぞと温かい言葉をかける。
栄二は、ずっと入兆で働きたい、入兆にきて初めて人の情けを知ったと涙する。
惣吉が元気だと聞いてかをるは胸をなで下ろしていた。
惣吉も、英一郎も、律子も、小浜も…皆無事に帰ってきて欲しい。
そんなところに、再び市役所の職員が来る。
恐らく召集令状。
凍り付く店の者たち。
市役所の兵事係。
やはり招集令状。
広敷の猪熊新之助宛の召集令状。
「子飼いの従業員を取られるのは痛手でしょうな」
と労わる市役所の職員に、梅木は
「戦に勝つためです。いたしかたありません」
と静かに答えた。
広敷では、若い衆たちは猪熊を激励のための酒盛りをしている。
広敷者の歌う軍歌を聞きながら、かをるは梅木に問いかける。
「私は非国民かしら?」
市役所の人が来た時、梅木に召集令状が来たと思ってドキッとしたが違うと分かってホッとしたと。
梅木は自分も同じだった、それが人情だと言う。
そしてかをるは、正直のところ出征軍人の家族は哀しい思いをしているのではないか、本当は歯をくいしばって涙をこらえているのでは、なぜそうまでして戦争をしなければならないのかと梅木に訴える。
「正義を貫くためだ」
「悠久の大義を守るためには、血を流すこともある。命を捧げることもある」
梅木は静かに答えた。
「本当にそう思いますか?」
「思わなきゃ戦えんだろう!」
とにかく戦争は始まっている。
銃後にいる我々が軟弱なことを言っている場合じゃないと言った。
梅木の言葉は説得するようにも、諦めているようにも聞こえた。
かをるは男と女の違いかもしれないと思った。
勢いに乗った日本軍は徐州から漢口へと進軍を続けた。
国民は戦勝気分に酔いしれていた。
お店で梅木とかをるは暴利取締令が出たことを受けて、神山と今後のことについて話し合い。
するとそこに電話が入った。
市役所からの電話。
梅木が電話に出ると、英一郎が負傷したという知らせだった。
英一郎は大阪の陸軍病院にいると言う。
重症かどうかは分からないが面会は許可されるという。
かをるは久兵衛にこのことを知らせに走った。
とねさんは寅年生まれ
とねさん、久しぶりに会えましたね…( ;∀;)
アミちゃんとも再会。
この自然なシチュエーションの作り方、さすが。
寅年の人は千人針で縁起がいいというエピソードを入れながらさりげなくとねさんが61歳だと示すし。
そんな歳で戦地に息子を送り込むって…どんな気持ちだろうか…涙。
とねさん、さりげなくアミちゃんに、ますみさんを紹介させて…さすが!
何事も無かったように接してくれる配慮、素晴らしい!
アミちゃんも、笑顔で挨拶。
ますみさんが妊娠しているととねから聞くと、かをるもアミちゃんも笑顔で祝福。
みんな、大人だわー。
さらにかをるは惣吉さんの消息をとねさんに確認。
かをるに話してくれるとねさんに、本当の優しさを感じたよ…涙。
こんなとねさんを哀しませることになったとは、かをるも罪深いよ…。
次々と召集令状が
召集令状は市役所から届いていたんですか。
知らなかった。
テレビではよく郵便屋さんが届けている気がしていたから。
市役所の人が来ると凍り付く感じ。
すごくリアル。
戦争を知るジェームス、世の中的も戦争の記憶がまだ鮮明だった頃だからこそ描けるリアルですね。
まるでロシアンルーレット。
当たっても嫌な顔もできない。
「おめでとう!」
と言う。
ちょっと…今の感覚だとあり得ないわ。
それだけでも、自分だったら気が狂うわと思う…。
英一郎に召集令状が来た時に「武運長久を祈ります♪」って喜んでいた神山さんは、今日は栄二が軍人に連れていかれないように、栄二をわざと殴る蹴るして守る。
まるで勧進帳。
最初戦争に浮かれていた一般市民もただ事ではないとジワジワ思い出して来たところなんでしょうね。
醤油を飲んで徴兵検査を受ければ兵役を免れられるという話が広がっていたというのもこの頃と…。
かをるは、なぜそこまでして戦争するのかと疑問
かをるは、梅木に本音を吐露します。
「なぜ、そうまでして戦争に行くの?」
すると梅木はお国のためだと優等生の意見。
「本当にそう思いますか?」
というさらなるかをるの問いかけに
「そう思わなきゃ戦えんだろう!」
梅木、怒鳴った。
出た出た…www
梅木のモラハラ。
でもこのくらいのキツイ言い方、当時は当たり前に言ってた??
こういうところ、梅木、やっぱり余裕ないのよね…。
まあ召集令状なんだから、余裕無くなるのは当然だけど。
でもきっと惣吉さんなら、かをると気持ちを共有するように、複雑な思いを語ってくれたと思う。
2人でいろいろな思いを共有できたと思うよ…涙
この差は男女の感覚の差?と思うかをる。
それは最もだけど、惣吉さんの反応はきっと違うわ。
「男女の差?」でひとつ大きなすれ違いに気付きそびれるかをる…。
英一郎が負傷
英一郎は、負傷したとの一報が!
大きなけがじゃなきゃいいけどー!
でもここでちょっと戦地に復帰できないレベルの負傷してくれると、これで兵役を免れられるかしら?
それをぜひともお願いしたいんだけど。
大豆を世界に広めたいという夢を持っている英一郎は、今はヘタレかもしれないけど、戦後大活躍の予感があるから是非生き残って欲しいー!