『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第73話
役者なんて辞めて子供を産んでお母ちゃんになれと言っていたテルヲ。
大山社長のところに乗り込み、千代を辞めさせてほしいと直訴。
主役を一度もやれてないなら役者としてはダメ、人生棒に振ってしまうんじゃないかと。
しかし大山社長は
「あんさん、な~んもわかったはらへんわ」
と断る。
テルヲは次にテルヲのところへ。
千代をしごきにしごいて芝居なんて辞めると言わせて欲しいとお願い。
すると千之助は「無理じゃ」。
とっくの昔からしごき倒してるけど、全くめげない。
それどころかもっと芝居したいとくらいついて来る。
千代は相手の芝居を引き立てることができる役者。
千代と芝居しているといつのまにか楽しくて心地よくなると言う。
「千代はお月さんみたいな役者」
「あんたの娘はええ役者や」
千之助の言葉を聞いて、テルヲは号泣。
「これからもあいつのことをよろしゅう頼みます」
テルヲは泣きながら千之助に頭を下げた。
東京の「演劇月報」が鶴亀家庭劇を取材することになった。
「演劇月報」は有名どころしか相手にしない一流誌。
一座の皆は喜びで沸く。
しかしそこでもテルヲが外からヤジを。
「これは皆の芝居を引き立ててくれた千代のおかげやぞ」
と千之助から聞いたことをそのまま言う。
千代は無言でテルヲを門の外に締め出した。
テルヲは岡安に向かい、鶴亀家庭劇の芝居を一番いい席で見たいと頼む。
お茶子たちはそれぞれに箒や棒を持って警戒。
しかしシズは、旦さんを助けて貰ったとツケでOKに。
するとテルヲは、
「末長う千代と仲良くしたってな。よろしゅう頼んます」
と頭を下げた。
お茶子たちは、テルヲの反応に驚く。
テルヲは千代が留守の間に一平のところにやってきた。
一平が触っていたキャメラを見て、昔家族と写真館に行った思い出を。
テルヲは一平に写真を撮ってもらう。
「千代のことよろしゅう頼みます」
こんなこと言えた義理じゃないと分かってるけど、自分ができなかったことを一平がしてあげて欲しいと言う。
「千代のことを、幸せにしてやってください。頼む」
「笑ってください、もっと、もっとや」
一平はテルヲが大声で笑ったところでシャッターを切った。
一平は千代の芝居を居てあげてくださいとテルヲにお願いする。
千代は一人、母の写真を見て、あのテルヲとの別れのときを回想。
「お母ちゃん、お前が持っていた方が喜ぶ」
そういって無造作に母の写真を渡したテルヲ。
「ええやん。あんなのほっといたら」
幼い頃の千代が声を掛ける。
その声を来た千代はすすり泣く。
泣いている千代を見る幼い頃の千代も伏し目がちに。
翌日、演劇「月報取材」当日。
この日もテルヲは外から「竹井千代をキレイに撮ってやってくれや」とはやし立てている。
するとそこに借金取りが現れた。
借金取りは、どうせ先が長くないテルヲより、千代に返済を迫りにやってきた。
テルヲは、千代は関係ないと必死にガード。
ボコボコに殴られてしまう。
今日は、テルヲが、千代が刺さって刺さって涙…
さっきあらためてじっくり見ましたが…。
今日はどのシーンも胸に刺さりまくりで痛く痛くて痛くて…涙 。
「痛い」というのは、ダメ、見られないというのではなく。
身につまされると言うか、考えさせられると言うか…。
昨日見た後のツイッターの反応はかなり賛否両論で、共感できる人、拒絶の人、様々でした。
批判的な人は、見られないー!怖いー!って拒否反応示すほどの人もいて。
そういう人の気持ちもよく分かる。
テルヲのダメ描写容赦ないから~笑
私の場合は、思い当たる、あるあるーと思いながらもテルヲにも共感。
それは、自分も50代になり、親との関係を客観的に見つめられる部分も出てきたからなんだろうなあと。
と言いつつ、今でもふとしたきっかけに親に対する積年の怒りみたいなものが噴き出したりするww
そして母となった今は、自分も子供たちにテルヲのような毒を植え付けてるかもなあ…と反省する思いもある。
昨日、ツイッターでテルヲへの賛否両論は、自分が人生のステージのどこにいるかで見方が変わるのかなあとつぶやきましたが、まさに自分がそれ!
きっと自分が20代くらいの頃これを見たら、怖くてイヤーーッ!!って拒絶反応だったと思う。
30代の頃これを見たら完全に千代の味方で、テルヲを完全拒否!不愉快!って怒ると思う。
結婚して親元を離れて何年も経って、子供もある程度育った50代の今だから、どちらの立場にも立って見られるなあと。
実は私、つい最近も父親と大喧嘩しましたからね。
父親は、簡単に言っちゃえば、澪つくしの時代の価値観そのままの人なので。
久兵衛さんみたいに頭ごなしに怒ったりするのですが、私はそこが大キライで。
相変わらずの理不尽な言い方に、思春期の頃ケンカしていた頃の思いが蘇りワナワナしちゃって、その感覚に自分でも驚いてしまいました。
横で見ていた夫も、子供たちも、「なんか、やりあってるー」と面白そうに、半分呆れて見ていたくらいだから、はた目から見たら大したことないんだろうけど。
でも、私にとっては大事件。
やっぱり親のそういった理不尽で頑固な部分は、許せない。
だから千代がテルヲを絶対に許せない気持ち、すごく分かる。
ただ、テルヲを見ていると、そんな私も年老いた親には酷い仕打ちをしているのかもしれないなあとも。
とはいえ、これは価値観の問題。
親だから、年寄りだからって折れるかっ!という気もある。
そんな思いに翻弄されるから、親子関係って難しいんですね…。
オイディプス王から、演劇のテーマは親関係だもんなあ…。
おちょやんは、親子という究極のテーマに、一歩も引くことなく、現代目線で突き詰めるドラマなんですねえ~。
ハアア~涙
今日のテルヲは、真のテルヲの姿
テルヲは、今日も千代の周りの人たちに頭を下げて娘をよろしくって頭下げてましたねえ。
最初は、千代のこと役者やめさせろ、このままだと人生棒に振るって言ってて。
コレ、女の幸せは母になることという昭和時代の親のウザさと同じだよ、ウチと同じ!ってウザッと。
でもテルヲ、大山社長と千之助さんの話を聞いて考えを変えた様子。
そんなテルヲの姿に昭和の親でもいろいろ話したり、現状を見てもらえれば受け入れてくれるのかもねえとも。
昭和の親、自分の考えを押し付けてくるところあるけど、話せばわかるのかもな…と。
テルヲと千之助さんのシーン素敵でした。
「千代はお月さんみたいな役者」 お母ちゃんと見た月と、ビー玉と、お月様のシーンのあのBGMが重なって…もうウルウル。
そしてテルヲは千之助にも、岡安にも、一平にも「千代をよろしく」と頭を下げて回る。
ウザい説教してきても、親ってとにかく子どもの幸せだけを思ってるのかもなあと。
ただ、千之助の言葉をそのままに「千代が引き立ててるおかげやー」って言っちゃうのはさすがテルヲwww
親の愛の美しさも毒も両面きちんと表してくれてて、泣き笑いにしてくれるこの脚本スゴイwww
今日のテルヲの様子は、実はテルヲの真の姿なのではと思う。
もちろんテルヲは、ダメ父で、千代やヨシヲを平気で犠牲にしてきた人ではあるけど。
ただこれまで度々、千代のところに現れた酷いテルヲは、千代の目線からのテルヲに他ならないのよねとも。
「お前が持ってた方がお母ちゃんが喜ぶ」 って無造作にお母ちゃんの写真を渡されたときに深く傷ついた千代が見ているテルヲだったからなのではと…。
すっかりテルヲにほだされている自分がいるwww
そうまで思わせるトータスさん、ホント、迫真の演技。すごい。
千代は少女時代の千代と自問自答
千代は、母との写真を手に取って、テルヲにこの写真を渡された時のことを思い出し、幼少期の自分と自問自答。
毎田暖乃さん、また会えたー。
この千代の自問自答は自分と重なる。
親とケンカするたびにこれと同じことしている自分がいるなあと。
大体ケンカのパターンはいつも似ているので。
そのたびに言い返せなくて悔しかった子供の自分が出てくる。
その一方で親と仲良くした自分もいて、気持ちがぐちゃぐちゃになるんだよねえ…。
なんて思いながら千代の涙を見て涙。
千代の涙に、伏し目がちになる毎田暖乃ちゃんの表情も絶妙。
しかしまた借金取りが!
やはりテルヲ=借金なのね苦笑。
先は長くないと言うのに…。
テルヲに裏切られた幼い頃からの積年の思いと、父を慕いたい思いとが千代の中でひしめき合ってるところで、 またまたテルヲの借金話が襲ってくる。
しかも一流誌のインタビューを受けるという晴れの場で。
いやいや最高に残酷なシチュエーション!(←褒めてる)
しかし今回はちょっと違ってテルヲは体を張って千代を守り、テルヲはボコボコに。
千代は、どうするんだろう?
究極の選択。 無言の千代の目から流れ落ちる涙が焼き付いて離れないー。
一平が撮った写真、テルヲの遺影になるのかなあ。
そして、千代の芝居を観るのは叶わない?
テルヲの取った一番いい席にテルヲの遺影が?
想像しただけでも、もう今既に号泣。
本当に親子の問題って、複雑だよ…涙