『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第143話
広敷の若い衆と吉武一家の漁師が賭博で逮捕。
入兆の責任者として梅木と神山が警察に出頭すると、同じく吉武家の責任者として出頭した惣吉と待機室で居合わせてしまう。
かをるとの不仲の噂が外川に伝わっていると神山に忠告されていた梅木は、惣吉が噂を流しているのだろうと、いきなり惣吉に言いがかりを付ける。
「かをると絶対に別れない。ハゲタカのように狙っていても無駄だ」
すると惣吉は毅然とした態度で
「それならもっとかをるを大事にしろ」
夜な夜な遊び歩いて女房を泣かすのは男のクズだと忠告。
梅木はカッとなって惣吉に殴りかかるが空振り。
神山が必死に制止する。
「どうやらあんたの負けだな」
惣吉は凛としている。
担当者がきてどうにか収まった。
惣吉、梅木、神山は所長の部屋に呼ばれる。
身元引受人として警察の注意を受けていると、突然軍人が入ってきた。
軍人たちは作業員を逮捕しては飛行場の完成に関わるから直ちに釈放しろと。
警察署長は明らかに賭博行為があったのに何の権利があって釈放を要求するのかと聞き返すが軍人は高圧的。
署長は「お引き取り願いたい」と断るが、軍人は所長を突き飛ばした。
軍人たちは今日のところは引き下がり帰ったが、おかげで逮捕された者たちの身元引受は先送りに。
入兆に戻ると、神山はかをるに警察で惣吉と会ったこと、梅木と惣吉言い合いになったことを報告。
その夜も梅木は遅くまで飲んでいた。
夜道をふらつきながら歩く梅木。
石段を上っていると、足を滑らせて転んでしまう。
そこにかをるが現れた。
かをるはいつまでたっても帰ってこない梅木を探し回っていたのだ。
かをるが駆け寄ると、梅木は
「いっそのことここから突き落としてしまえ」
「俺が邪魔なんだろう」
と卑屈になっている。
「弱虫」
とかをるは叱咤激励するが、梅木はもうどうでもよくなった、惣吉のところに行ってしまえと悪態をつく。ただし子供はやらないと。
そして心の離れている女房をつなぎとめる気力がなくなったと。
「お前は俺の正体を知らない」
かをるはしっかり捕まえていてくれればどこへも行かないとキッパリと言って抱きしめる。
しかし梅木はかをるを振りほどく。
「かをる、面白いことを教えてやろうか」
梅木はハマとできていたことをカミングアウト。
かをるは梅木のすさんだ変わりようにかをるの心は張り裂けそうだった。
翌朝、梅木が目を覚ますとかをるは出かけていた。
ツエも行先は知らないと言う。
梅木は、久兵衛のところへ。
梅木は久兵衛に社長代理を辞めたいと訴えた。
久兵衛が吉武ごときに振り回されるなと梅木に喝を入れる。
すると梅木は、昨晩かをるに酔っぱらって悪態をついてしまったことを告白。
別れてやるから吉武のところに行けと言ったと。
そしたら今朝起きたらかをるがいなくなっている。
吉武のところに行ってしまったのかもしれないと話す。
その頃かをるは外川で惣吉と会っていた。
キリリッ惣吉さん VS プルプルわんこ梅木
いやあ~惣吉さん、安定のキリリッ!
痛快痛快!
かっこええーー!!
惣吉さん、今日警察で言われてたけど、網主としてもデカいのね、やっぱり。
入兆と吉武家は銚子でも有数の「事業家」って言ってた~。
かをる、どっちに転んでもお金持ちー。
少女マンガあるあるーwww
で、そんな事業家吉武一家の惣領である惣吉さん!
さすがプリンス!!!
警察への出頭でもビクついたり慌てふためくことも無い。
背筋がスッと伸びで堂々とした態度で。
キリリッ!
そして
「やあ!」
だから!
クゥゥゥゥーーーーーーっ!!
かっこええ!
爽やかーーーー!
朝から脳内で惣吉さんの「やあ!」がこだまするー!
惣吉さんのおかげで爽やかすぎる朝っすぅ!!
話横にそれますが、そういえば今「やあ!」って言う人いないね。
昭和の爽やか挨拶なのね。
惣吉さん、この立ち姿それだけでオーラを感じる。
かをるがあの時一目惚れしたって十分に説得力ある。
川野太郎さん自身、イケメンだけど、この役作りに感動するわ。
そして神山と談笑する爽やかな態度も、さすがだわー!
この惣吉さんの言動、立ち振る舞いには、なるほどのとねさんに育てられただけのことあるわ!って演技なのに、ついとねさんの息子として感心しちゃうところもある。
プリンスとして、いかにもとねさんの息子としてにじみ出る物があるの凄い。
そのキリリ!の惣吉さんに相対するのは、梅木わんこ!
梅木、どうした?
惣吉さんを一目見るなり自信が無いのが丸出しだあ!
臆病な梅木わんこ。
怖がりの犬は、さきにキャンキャン吠え出すって言うけど本当だわ~笑
梅木をわんこって言い出したの、単純に、入兆の従業員として、従順だったからで。
かをるが律子に頼まれて水橋のところに行ったとき、梅木が後を着けていて、かをるが気付いて「メッ!」って叱ったらシュンとして、「待てっ!」って言ったら(惣吉さんには会わないことは保証するから着いて来ないでみたいなことを言った)
そのまま言われた通りに、シュンとしたまま待て立ち止まって「待て」の体制になってたのが面白くて「梅木わんこ」って言ってただけだったんだけど。
なのに、惣吉さんに脅されて、二日酔いで布団の中でプルプル(妄想)だし。
今日は、臆病わんこが、大型犬を前にキャンキャン!!
ぶざけた言い方してますが、
でも2人た対面した途端にそのオーラの違いが歴然。
梅木、絡む前から、その余裕なしの表情とか情けない感じが見事に出ていて!
柴田恭兵さん、二枚目俳優さんなのに、普段はそんなこと微塵もない自信たっぷりのイケメンだろうに、この卑屈さモロ出しぶりも凄いと思うわ。
で、惣吉さんは堂々としたもので、神山さんと和やかに会話をしているのに、梅木はいきなり絡みだす。
あー余裕ない。
あー残念。
惣吉さんが言う通り、梅木、アンタ自分から負け認めちゃってるじゃんー。
梅木、自滅…。
梅木は自暴自棄に、ハマーのことをカミングアウト
梅木、惣吉さんに会ったら会ったで梅木は一層落ち込む。
そーだよー!
あんなことやっちゃうからかえって凹むよお~。
凹みまくった梅木は、その夜も夜遊びで飲んだくれ。
もうコレ、ちょっと壊れてるよお梅木。
梅木のメンタルが心配になって来た。
泥酔した梅木が石段を上っているとコケる。
この石段、惣吉さんと感動の再会を果たしたところだよねえ!
指吸いの次の、いきなりおんぶ!
こんなところに梅木を来させるなんてーどこまでジェームス意地悪なあ!!笑
見てるこっちは面白いけど。
かをるは、ここで梅木を見つけてどう思ったのだろうか。
今回は逆の立場で転んだ梅木を起こす立場になって。
かをるも、いろいろ複雑な思いでしょうねえー。
見てるこっちはすごーく面白いけどwww
で、臆病わんこ梅木はさらにさらに自滅。
ハマーのことをカミングアウトー!!
…ハマーもいい迷惑だわwww
このハマーのことを言っちゃったのって、かをるの毅然といた態度にも、惣吉さんと同じように当てられちゃったんだよね、梅木は。
梅木にとっては、奇しくも惣吉さんとかをるの態度に通じるものがあって…それも残酷だよねえ。
梅木のキャラこそ面白味がある
梅木は、最初はとにかく忠犬わんこ。
冷静、上品で穏やか、頭脳明晰で優秀なエリートタイプだと思ってました。
惣吉さんのワイルドさとは真逆のインドア派、知性派のイケメン。
梅木は、真面目で実直。
誠実さについては惣吉さんと同じと思ってました。
でもこれ自体もジェームスは視聴者に対してトラップ仕掛けてたんだよねえ!
少女マンガで育ち、トレンディドラマ全盛期を知っている私は、ヒロインの相手は根っから腹黒い人っていない前提。
カンチ!の江口洋介は、遊び人だったけど、それにも裏があったもんね。
そんな感覚で見ているから、梅木がハマーを押し倒したときはショックで!
どう脳内で昇華していいのか分からんかった。
トレンディドラマの構図では、ヒロインを取り合う相手の男たちは2人共王子様だからー!爆
それぞれ、正反対のキャラだけど、ヒロインを一途に愛する思いはどっちも同じで。
どっちにしよーかなあー!?がお約束の楽しみでwww
なので、そうくると当然思っていた梅木が、こんなんでさあ!
最初、ジェームス三木、女性の見たいの分かってない!
ドロドロ過ぎ!
と思ってたけど…
そんな薄っぺらい物を書いているんじゃあないのよね、ジェームスは。
ジェームスは、梅木を通して、ちっぽけな人間にとっては、できた人間は残酷に映るということも表現しているのだろうなあと。
惣吉さんとかをるの恋愛。
これはまさしく純愛。
かをるも惣吉さんも凛として、まっすぐにお互いを愛している。
2人にはウソ偽りが全くない。
一点の曇りもない純粋な心を持っている。
そんな2人が健気に現実を受け入れ、それでも誠実に生きている。
そんな2人のラブストーリーはとてもとても美しく崇高で、見ていてうっとりするものではあるけれど、ジェームスはそれだけじゃあ満足しないのね。
そんな美しい二人は、梅木のような、ちっぽけな人間にとっては、その存在だけで残酷なのよ、意地悪なのよという、メッセージ。
実際アンタの横にこんな2人がいたら凹んで大変だよ~というアイロニー。
だから、梅木のハマー押し倒しは、単なるエロ、朝から昼メロやっちゃおうー!って単なる冒険、単なるインパクト狙いだけではなくてち密な計算に基づくものなんだろうなと。
今は梅木にも共感…ジェームス三木、恐ろしや!
そうやって考えると、梅木の、惣吉さんが再び現れてからの変化の態度が、非常に興味深い。
そしてキライーって言ってた梅木に深く同情を覚える。
最初惣吉さんが生還した時の梅木は、優しい理解ある夫を演じつつ、段々壊れて行く感じ。
なのに段々と、梅木の方から惣吉さんの「亡霊」に囚われて、自分の器の小ささを思い知らされ自滅。
これを梅木の視点で考えると、まさに「ちっぽけ」な人間だった梅木が、頑張って背伸びしてやっと今の地位と幸せをゲットしたのに、その幸せを、生まれながらのプリンス惣吉さんにあっちゅう間にかっさらわれてしまいそうな…縄張りを冒される不安。
梅木にとっては惣吉さんの存在こそがホラー!
そして梅木が惣吉さんが怖くてゾワゾワしているのに、かをるは全く動じず慈悲深い笑顔で「何を怖がってるんです?」って全く梅木の焦りを理解してくれない。
それもちっぽけだと責め続けられてるようだわ。
かをるも梅木にとってはホラー!
そういう観点で見ていると、梅木の人間像こそ文学的。
実は今は梅木が主役じゃんー!
こんな役を見事にこなしている柴田恭兵わんってやっぱりすごい俳優さんなんだわあ!
あらゆる方面から様々な謎かけをしてくるジェームス、あな恐ろし!!
ジェームス、面白くてたまらないじゃんか!