【おちょやん】感想ネタバレ 第68話 万太郎、ほんまにしょうもない

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第68話

 

ネタを盗み見しようと万太郎一座に潜り込んだ小山田を救い出しに来た千代。
劇団員に取り囲まれたところで万太郎がちょうど出てきた

万太郎は、ネタを見たいならどうぞと、台本をズラーっと並べて見せてくれる。
次の公演では万太郎一座は、万太郎十八番すべてを日替わりで上演する予定とまで教えてくれた。
台本を見たところで、うちより面白い物を作れるはずがないと、他も何でも聞いていいと自信満々の万太郎。
万太郎一座に勝てるはずがない。
それは「鶴亀勝てん劇」だからと。

 

一方千之助は、百久利と飲み屋に。
百久利はこれまで千之助の言いなりだったが、今回の千之助の台本はさすがにつまらないと批判。
それを聞いた千之助は、大荒れに荒れる。

 

千代は何でも聞いていいと言われたことを逆手に取って、千之助の万太郎の間で過去に何があったのかを直接聞き出す。

万太郎は最初は面倒くさいと誤魔化していたが、千代に「嘘つき」と言われて、20年以上前のことを話し始めた。

20年前、須賀廼家万太郎一座の看板役者だった万太郎と千太郎は人気を博し、「道頓堀に須賀廼家の喜劇あり」と言われていた。

しかし、ある日突然、万太郎は千之助に出番なしと告げた。
最初千之助は、冗談をと笑ながら言っていたが、万太郎は「おもろない」と。
千之助が面白いのは勘違い。
兄弟一座の千之助に皆が笑ってるだけ。
万太郎は千之助の独りよがりの芝居に付き合ってやってるだけだと。
しかし
「それももう飽きた」
とバッサリ。

そして公演初日。
役を貰えないままの千之助は、自分が演じるはずだった役の役者に代われと無理強い。
そこに万太郎が来た。
「兄さん、ええやんな」
「しゃあないやっちゃなあ」
万太郎は千之介にかつらを渡した。

千之助は嬉々としてカツラを被る。
しかし、カツラの中には生卵が。
千之助の顔に卵が流れた。
「これで大爆笑間違い無しや」
大爆笑の万太郎。

「にいさん、なんで?」
これまで千之助に尽くして来たという千之助。
しかし万太郎は、期待外れだったと言う。

そんなにわいが目障りならこっちから出て行ってやるわい!
と千之助は一座から出て行った。

 

「どうや。しょうもない話だったやろ」
万太郎は笑った。

すると、千代も「ほんまにしょうもない」と答えた。
そして
「もし今の話がほんまだったら。あんさんの根性がしょうもない!」
と。

千代は、平気でそのような切り捨て方をしなくてもよかったのではないか、それでは恨まれても仕方ないと訴える。

なぜそのような切り捨て方をしたのかと千代がさらに聞くと
「おもろいからや」
と一言。
そして「相変わらず期待はずれやな」と千之助に伝言してくれと万太郎は言う。

そいて千代も、失礼を承知で言わせていただきますと前置きして
「鶴亀家庭劇は、万太郎一座に負けしまへん。絶対に!」

「無理やな」
万太郎は笑った。

その頃、千之助は自分の書いた脚本「嫁とり相撲」を破り捨てた。

 

 

勧善懲悪。半沢直樹味が強い

なんかーパターンかなあ。
半沢直樹味が強いなあ。

万太郎さんは完全に悪って感じなのね。
そして千代&鶴亀家庭劇が勝つって感じの、勧善懲悪定型パターン。

それはそれでスッキリサッパリ痛快なんだろうけど、これが好きな人も確かにいるんだろうけど、あまりにもお約束パターン化していないかなあ。
ちょっと見えちゃう気がして今日は残念だなあ。

こういうタッチ、半沢直樹でお得意なんでしょうけど~。
朝ドラで毎日見てたら飽きちゃうよって感じで。

なかなか難しいけど。
私は飽きてきちゃったなあ。
万太郎じゃないけど。

 

私なりに、飽きてきちゃった感がある原因を探ってみようと思います。

 

万太郎VS千之助の対立は、それだけ?

万太郎VS千之助の対決は、中盤の一番ビッグな案件なのかと思っていました。
20年も前からの確執だしねえ。
千代も一平も子供だった頃の確執だったので…ただ一言で済まされるようなケンカじゃないだろうと。

音楽だけどビートルズもあれだけ息ピッタリだったメンバーが、方向性の違いが出てきていがみ合い解散し、解散した後でも確執があったみたいですけど…。
そこには相手に対する愛や思い入れも同時にあって非常に複雑で…ただ「キライ!」で解散したわけではない。

千之助と万太郎の間も、ジョンとポールみたいに、アーティストとして感覚にズレが生じてきたとか、芝居へのこだわりの相違とか、劇団への思いとか、いろいろあって離れ離れになったと思っていました。
そしてここでそれぞれの考えを見せてくれることにより、千之助と万太郎の生き様と、演劇界の潮流を見せて貰えるのかなあ~と期待していたのですが…

万太郎が、ただ目障りだから千之助を切ったって、これまで言われていた内容以外の何も出てこなかったな。

 

万太郎をそこまで「悪」に、敵対させなくても…

万太郎は千之助さんに嫉妬してたってことらしい。
自分より上になる前に排除しようと千之助を切ったってことらしい。

それで千之助を容赦なく切った。
皆の前で排除して。
カツラに生卵入れてのいじめ。

ここまでのパワハラ、いじめも、朝からそう見たくないわねえ。
そしていかにも半沢直樹っぽい悪役像。

でも、そこまで単純構造の敵対関係でなくてもいいのでは?
ここは演劇界だし。
半沢直樹みたいなお金とかハッキリ見える基準が無いわけだし。

こうなちゃうと万太郎がただのちっぽけでとても喜劇王に見えない。
もっと奥が深いキャラだと思っていたのに…期待外れ。

ちなみに、万太郎さんの笑いは…私は関西人じゃないかもしれないから笑えない。
何が面白いか分からないよお。

もしかしたら、私が面白くないって思うのは狙い通りで、万太郎の周りは万太郎に媚びへつらう者ばかりっていう表現をしているのかもしれないけど…でもそしたらこの程度の笑いのセンスなら、「道頓堀に万太郎一座あり」、「日本の喜劇王」なんて絶賛されないよねえ?
大山社長もあんなに絶賛すること無いはずだよ。

 

 

千代が毎回出て来なくてもいいのでは?

そしてこの件について、千代がこんなにしゃしゃり出て来なくてもいいのに…と。

主人公だから絡ませたい気持ちは分からなくもないが。
絡ませてもいいけど、千代が全部直接聞いちゃい過ぎるっていうか。

先ほども言いましたが、万太郎と千之助は20年来の確執なんだからいろいろ深く複雑なものがあるはず…という前提で見ていたので、
この件については千代も一平も、彼らにとってはただの子供。

大人の話にやたらに首突っ込むんじゃありませんよー!って思う。

今日は、千代に直接対決させるより、千之助の万太郎に対する思い、万太郎の千之助に対する思いをそれぞれに描けばよかったのでは?と思う。
…まあ、嫉妬や張り合い以外に理由があればの話だけどね…。

 

当時の道頓堀の演劇のムーブメントを見たい

私は上方の演劇のことはよく知らないし、当時の演劇の流れは詳しくは知らない。
これまで芝居=歌舞伎だったのが、西洋文学が入ってきて新派が出てきて、松井須磨子が初の女優で…くらいは漠然と知ってるけど、細かいところは知らないのでこのドラマの興味は、道頓堀、日本の演劇の当時の状況や、演劇のトレンドの変遷を見られるだろうと期待していました。

で、今週は家庭劇VS万太郎一座のバトルを通して、当時の演劇界の時代の流れを感じ取ることができるかなあ、千代の女優としての成長にまた演技についてのうんちくを見ることができるかなあ~と大いに期待していましたが、ちょっとそれは叶わないかな…。

万太郎VS千之助のバトル。
モチベは嫉妬心と恨み。
芝居におけるポリシーのバトルでは無さそう。
残念。

演劇を芝居で見せるって難しいのでしょうけど、それにしても人間関係の話に逃げないで芝居について書いて欲しいなあ…と。

そしていちいちバトルにするのも残念な気がするわー。

そして一平が完全に蚊帳の外なのも残念だわ。

 

万太郎が今日言ってたのはフェイク?
明日はどんでん返しがあってやっぱり期待してた通りに、それぞれの芝居に対する思いを描いてくれる?
…それはないだろうなあ。
そうだとしたらたった一週間で描くには大変だから今日こんな寄り道してらんないもんねえ。

明日と明後日、どう収拾付けるか、静かに見せて貰います。

やっぱり、演劇の対決は紅天女だけにしといた方がいいのかも…。