【おちょやん】感想ネタバレ 第50話 千代は恐ろしい子!

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ) 第50話

 

鶴亀家庭劇の初興行はとうとう千秋楽。


大山社長も観ている。
大山社長の横には須賀廼屋万太郎。

客席には、岡安の面々も、福富の面々も観に来ている。
山村千鳥も千代たちの舞台を立見で見守っていた

 

いよいよ最後の「手違い話」
御寮人さんが乗り込んでくるいつものシーンが始まった。

千之助は観客席に万太郎がいるのに気づくと表情が変わる。
千之助は、
ご寮人さんが来るから隠れろと言われると、ここから逃げないといつも以上にアドリブ暴走。

芸子美代子と恋仲なのは実は医者の松庵だと千之助が松庵に押し付けると、松庵演じる小山田は実は男が好き、加兵衛が好きだと言って笑いを取る。
芸妓の美代子を演じる香里は、これ以上ご寮人さんを悲しませたくないと涙を見せる。
2人共千之助の思い通りには動かない。

 

御寮人が入ってくると千之助は、実はご寮人が久助と密通してると無茶振り。
さらに「首を絞めた」と千之助はルリ子を挑発。
動揺するルリ子。
そこですかさず千代がこのまま黙っていていいのかと背中を押す。

するとルリ子はご寮人の人生と自分を重ね合わせて、「首を絞めた」という噂の真相を釈明する懇親の演技。
「あなただけは信じて欲しかったと」
涙ながらに訴え客席の涙を誘うも…「彦一路さん!」と、加兵衛ではなく元カレの名前を言い間違えて観客は大爆笑。

千代は一平と共に皆のアドリブを見事にまとめ上げた。
舞台は無事終了。

この舞台を通してお客様を喜ばすのは笑いだけではないと千代は実感した。

 

舞台アンケートは相変わらず千之助の圧勝。
しかし皆の名前が一票ずつあった。

千之助は元々座長なんてやりたくないと言い出して「痛み分けや」と。
座長になることを辞退。
分かりにくいが千之助としては最大の褒め言葉。
千之助は皆を認めた。

 

大山社長も舞台には満足していた。
横にいる万太郎は千代を、なかなか面白いと言った。
千代の計り知れぬところで、須賀廼屋万太郎が千代に一目を置いた。

 


これぞ喜劇!大円団でスッキリ!

キャラクタースケッチを十分にして臨んだ舞台。
これまでとは皆の顔つきが違う!

「うちは千代じゃない、おきんや!」
千代に役が憑依したわー!

千代、恐ろしい子!

 

小山田さんもルリ子も香里も、皆役をきちんと生きているのを感じる。
想像を膨らませて演じることにより役に血が通う瞬間を見たー。

皆の表情が生き生きと、本当に舞台に観に行っているかのようなワクワク感、躍動感を感じたわ!

 

さらにルリ子さんは、自分の哀しい過去を重ねた素晴らしいアドリブ。
客の心を掴んだ!
役者は自分の人生の体験を肥やしとして演技に取り込んでいくものですが、それをルリ子さんは
まさに体現!

このルリ子さんの渾身の演技のおかげで、ルリ子さんの思いはきっと観客に届いたと思うよ…涙。

きちんと救いがあるこの脚本、好きだよ。
スッキリするよ。

 

千代がバッチリ皆のアドリブを仕切ってまとめてましたが、千代がお茶子としてテキパキ仕事をこなしていたからそれも納得できる。

千代のアドリブも岡安に奉公していたことへの感謝の思いがひしひしと感じられてホロっとくる。
セリフに、役に血が通うとはこういうこととなんだなあ。
役が千代に重なる…。

アドリブの醍醐味とはまさにコレなんだなあと!

 

そして千代はお客様を喜ばせるのは笑いだけやないとまた大切なことを学びました。
一平のやりたいことが理解できるようになる。
千代は、一平の最も良き理解者となるのね。

 

観客席でもドラマが展開

舞台も大変だけど、観客席でもドラマが。

 

岡安のシズさんと菊さんのバチバチのバトルが面白いー。

菊さん、芝居見に来れるなんて岡安暇ねーと相変わらずの嫌味。
関西系のお芝居ってこういったケンカ友達みたいな関係描かれますが、いいですねーこういうの、好き。
菊さん、意地悪っぽいだけど、岡安への応援の言葉でもありますね、きっと。


「ヨッ!鶴亀家庭劇!」の掛け声がシズさんと菊さんでつい同じタイミングというのもいい~。

そして菊さんの、ルリ子さんのアドリブ聞いた時の涙にはこっちもじんと来てしまいました。

登場人物一人一人の反応一つにもにもドラマがあるー!
こういうのよ、見たいのは!

 

菊さん、シズさんにお見ごたえありますが、菊対シズの他にも、旦さん同士の様子とか、みつえと福助とか…表情芝居にも興味津々。
岡安と福富、
ここの関係どうなるんだろ!

興味の種まきがしっかり。

 

各方位でバチバチのドラマが交錯

舞台上では役者達のバトル。
観客席では岡安VS福富。

そして舞台の千之助VS観客席の万太郎。

わずか15分で各方面での緊張関係が描かれ交差している。
この立体的な造りのおかげで緊張感が途切れないし飽きないし、どこを見ても興味津々。

そして、まさに人物をそれぞれきちんと描かれているから、芝居を観ての反応一つ一つにもドラマを感じます。

 

一平の影が薄いのが残念要素?

今回一つ残念に感じたのは、一平の影が薄いこと。
座長にしたら、ちょっと存在感が…。
千代に全部仕切られちゃった感。

舞台上での千代のアドリブ提案に、的確に反応できたのは、幼い頃から舞台を踏んでる一平ならではだなあとは確かに思ったけど、ちょっと受け身過ぎなのが残念。

しかし、これにはまだ意図があるからかもしれませんねえ。
コレだから「一平」なのかも。
一平、演技力が乏しいわけじゃないけど、ボンだから引っ張る力が弱いことを描いているってことなのかもしれませんね。

一平にもまだ乗り越えるべき要素がいくつか残されていると…。l

 

山村千鳥は会わずに帰る

月影先生、いや山村千鳥さんは千代の芝居を見届けて会わずに帰りました。

「会っても何も言うこと無いから」
いいなあ…この決めゼリフ!

てことは千夜がピンチになると出てくる?
千代、毎週ピンチ、お願いします。
もっと会いたい、千鳥先生!!!

 

万太郎は千代に一目を置く

須賀廼屋万太郎は、千代に一目置いてました。
万太郎さんとしては、千代がアドリブ仕切ったのよく見えたんでしょうね。
千太郎さんを知る万太郎さんとしては、千代が上手く千太郎に渡り合ったのも良く分かった。

高城百合子に山村千鳥、そして次は須賀万太郎…次々とボスキャラが!
忙しい楽しいー。

しかも万太郎さんとは千之助との間にもいろいろ抱えてるから単純に千代対万太郎の関係では納まらないところも今後の広がりが感じられて興味深いところ。