『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第76話
漁師仲間が弥太郎をいじめているのを惣吉が止めに入る。
すると漁師たちは、弥太郎が入兆から来た人間だから甘いのではと訴えた。
惣吉は、利根川丸はみんな家族だ、父・文吉は誰でも受け入れて仲間に入れてきたと説得。
漁師達は惣吉の見事な説得に、その場はとどまった。
年が明けたある日、律子が外川にやってきた。
律子は東京に演劇の勉強に行くと言う。
律子はかをるにるいに久兵衛に後妻になってくれるよう働きかけてほしいと頼む。
今の久兵衛には誰かがいないと心配。
千代の遺言通りるいが一番だと思う。
るいが後妻に入ることに英一郎も律子も異存はないと言って律子は東京に旅立った。
律子も旅立ち、久兵衛が一人寂しく晩酌をしているところにハマが暇を貰いたいとやってきた。
ハマは、千代に尽くすために銚子に来たが千代亡き今はもう仕える意味がないと。
久兵衛は、ハマまで自分を見放すのかと怒り、絶対に暇は出さないと訴えた。
すると、ハマは後妻が来るとなると自分がいたら邪魔になると答えた。
4月になり、とうとう新造船がやってきた。
吉武家では新しい船を祝う盛大な宴が行われた。
翌日、かをるたち吉武一家は文吉の墓に行き新造船が来たことを報告。
そこでとねは、新造船が来たことを機に惣吉を親方にしたいと話した。
いきなり暴力シーン!漁師達はさんまをいじめ!
本日は、朝ドラらしからぬいじめシーンから!
朝からこのむさくるしい漁師たちのぶっそうなシーンで。
昭和の朝ドラ、相当ハードです…。
NHK、昔の方が厳しいのかと思ったけど、現在の既定の方が厳しいのですねえ。
今の方が暴力などには敏感に反応するからですかねえ。
とはいえ暴力シーン、やっぱり苦手。
しかも朝から。
今より規制が緩かったとしても、昭和の女性たちはよく見てたな…。
そういった女性の声はまだ届かなかったのかもしれませんねえ。
広敷や納屋のセクハラシーンとかも。
男性は冗談かもしれないけど、女性は傷ついてるんだ!ということが自覚され、声をあげられるようになってきたのもつい最近。
やっと1,2年前くらいですから。
だから、当時の奥様方も個人的に不愉快と思ってても単に個人的見解としてクレームしなかったのかも。
クレームすること自体もNGと思う世代だし…。
漁師達はさんま=弥太郎を醤油臭いとしつこくからかって暴力。
もう、小学生以下のレベル…。
かをるが漁師も紀州出身者が多いと言っていました。
とねさんも紀州の会に出席してたし、銚子は元々の人というより紀州からの移民が多かったということなんですね。
入兆の創業が280年と言っていたので、人々が銚子から紀州に流れてきたのも200年前くらい。約200年の間、大して長い時間でもないでしょうが、その間に同じ紀州から流れてきた者同士なのに敵対関係になってしまっているとは。
漁師たちのさんまへの攻撃を惣吉が止めに入ると、入兆から来たから甘く見てると漁師たちは言います。
でもコレ、要するに陸者のかをるを嫁に貰ったことへの当てつけですよね。
彼ら相当うっぷん溜まってるっぽい…。
かをる、イワシの不漁は自分が嫁に来たせいかもって気にしてましたが、それどころじゃないよ!
もっと現実的に身近に起こってることに目を向けよう。
かをるは結婚直後るいにも千代さんにも漁師の皆にもウェルカムされて幸せって言ってました。
それ聞いたとき、かをる甘いんでないの?とちょっと引っかかっていましたが…やっぱり。
まだ二十歳になったばかりの、かをるたんには気付きようが無いわねえ…。
まあね、るいさんとツエさんとぬくぬくな女子の家庭で育ち、入兆での生活いろいろあったけど上品な世界だったから…。
今かをるが楽しく漁師の嫁をやれているのは、ひとえに惣吉さん、とねさんが守ってくれてるおかげということね。
裏を返せば、惣吉さん、とねさんの後ろ盾が無くなれば途端に状況が一転するということで…。
前々から事あるごとに漁師は危険な職業、板子一枚下は地獄って言ってるけど…不安!!
惣吉さん「俺は死なないよ」って言ってますが…不安!!!!
もうやだ…涙。
新造船が来て…またまた宴!
新造船が無事にやってきました。
船の進水式って言うんですかね?
漁師さんたちのセレモニーを見せて貰えたのも興味深かったです。
惣吉さん、吉武家の惣領として見事にお清めの儀式を全う。
キリリ!とした姿が惚れ惚れします。
キリリ!
キリリ!
いつも安定のキリリ!
かっこええ…。
んでもって漁師は、相変わらず何かにつけて宴!
無い袖振って宴!!
しょーこりも無く宴!!!
あんなに船の資金で苦労してたのにい~。
どうやってお金調達してるんだろ?
漁師気質でない、小粒な私はガクガクしちゃう…。
世界恐慌も起こっちゃいました。
この後どんどん景気が酷くなるんだから…こんなことしてられないよと心配。
でも今後超不景気になるからお金貯めてても仕方ない?
あそこで飲んじゃっててよかったって話になるか?(←無いっ!)
とにかく皆さん、漁は朝早いんだから、そこそこで終わりにしてくだちゃい。
こんな派手な宴ができるのもこれが最後かもね…。
惣吉さんの漁師魂
かをるさんと、惣吉さんの夫婦のイチャコラ話、可愛かったですが、惣吉さんがかをるに話していたイワシが大漁だった時の高揚感についての語りが印象的でした。
イワシの大漁が続けば浜は活気づく。
船をイワシで満杯にしてホリャハー、ホリャハーって掛け声掛けながら戻ってくるとカモメがギャアギャア近づく。
このセリフ、短いけど、すごく情景が浮かび上がるようで素敵なフレーズだなあと。
青い空、青い海の壮大な景色の中で、イワシが大漁に捕れて、それを見てカモメたちがギャアギャアと鳴いて寄ってくる。
イワシの匂いに近づいて来るんだろうけど、まるで漁師さんたちの勝利に祝辞を述べるように聞こえるのでしょうねえ。
これ聴いて、惣吉さん、幼いころから父・文吉さんの背中を見て、こういった高揚感を味わってきてるんでしょう。
漁師の英才教育を受けた男だな、惣吉さんはつくづく生粋の漁師なのねぇ~と実感。
そしてイワシにカモメに…自然と共存しているのねと。
すんごい昔だけど『海のトリトン』に共通するロマンを感じてしまいました…。
こういうセリフを書けるジェームス、いいな。
律子は東京へ。ハマーも暇を欲しいと…
律子さんは東京に旅立ちました。
律子さん、しばらく拝見できないのかしら?
すごく寂しいんだけどーーー!
そしてこのタイミングで築地小劇場で女優を目指すというのも危険しかないー。
不安ですー。
千代さんいなくなちゃったら居場所が無くなってしまう、という意味でも律子さん東京行きを決めました。
そうよね、確かに律子が銚子にいる必然性は無い。
ましてや銚子はまれ育った場所でもないド田舎。
何かの思い入れがあるハズもなく、むしろここに閉じ込めておく方が残酷…www
律子さん、るいさんのこと状況的には認められるけど、感情的には受け入れられないのはよく分かる。だから出て行ってしまおうという決断。
自分が東京に行きたいという希望もあるけど、だったら自分が出てしまおうというのは、なかなかの英断だと思います。
さすが、律子さんらしい。
律子さんは、前々から振りもあったから覚悟済みとして、本日はハマーが暇を貰いたいと!
なるほど!
確かにハマーも!
ハマーも非常にまっすぐで真面目な方だから、自分の気持ちにウソをついてまで居るつもりは無いよね、確かに。
ハマーにとっても、当初のようにるいさんのことを毛嫌いしてないとしても、千代に仕えた身としてはキツイものです。
確かに昔、やんごとない人のおつきの女官とかってお仕えしている人が亡くなったりするとそのまま引退することありますもんね。
しかし、久兵衛さんにとっては痛手。
千代さん亡き後の、入兆の様子に、なるほど組織の構成って本当に人が一人抜けるとバランス感覚がいきなりおかしくなるものよね…と思い知りました。
一人抜けると、玉突き状態でバランスの崩れが連鎖していく…。
そんなところも、ストーリーの流れに影響を与えてる。
ジェームス、本当にきめ細かいわ。
これまでも、いい人だと思ってたのに状況が変われば悪と感じたり、同じ言葉も状況が変わることで善に見えたり悪に見えたり…物事がいかに不確定かということをいろいろ見せて貰いましたが、今度は人の配置の変化で、お互いの相関図、力関係が変わることを見せてくれるとは!
ジェームス、畳みかけてくれるわ~。
そしてその打撃をまんまと受けそうな久兵衛さん…同情www
そしてこの、一つ人の配置が変わると途端に状況が変わってしまうのは、近い未来の吉武家への暗示でしょうか…。