【おちょやん】感想ネタバレ 第11話 杉咲花さん、見事なバトンタッチ

『おちょやん』あらすじ(ネタバレ)第11話

大正13年秋。
千代ももうすぐ18歳。
道頓堀の芝居茶屋・岡安に奉公にきてから8年が経った。

千代は下働きのおちょぼを卒業し一人前のお茶子に。
道頓堀の町にすっかりなじみ笑顔で元気に仕事をこなしていた。

岡安と福富の対立も相変わらず。

岡安のみつえも千代と同い年で女学校に通っている。
母である女将の千代に女学校卒業後何するつもりかと聞かれると、みつえは母シズの後を継いで女将になると。

 

千代はお芝居好きになり、時間さえあれば芝居を覗き見。
鶴亀株式会社の熊田さんに注意されるも、芝居を見る目も評論家並みに肥えている。

 

千代はシズに呼ばれる。
18歳を迎えれば、岡安では年季明け。
奉公する期間が終了することになる。
岡安に残ってもいいが、自分がどうしたいのかよく考えろとシズは言った。
そうしないと「後悔する」と。

自分が何をやりたいのか。
これまで生きることだけで精いっぱいだった千代は、そんな当たり前のこと考えたことも無かった。
自分は何になりたいのかを千代は考え始める。

そんな中、千代が乞食の皆にお弁当の残り物を届けに行くと、乞食の中になんと千代の憧れの女優・高城百合子がいた。

 

千代は杉咲花さんへ…見事にバトンタッチ

18歳になった千代。
杉咲花さん演じる千代のスタート。

毎田暖乃さんの演技が素晴らしく暖乃さんとのお別れが寂しくはありました。
と同時に、コレやたらな新人女優だと完全に食われちゃっただろうなあとも。
そして、杉咲花さんだったら大丈夫!とも。
んで、杉咲花さんはどんな感じで演じるのかなあと楽しみも倍増していました~。

で本日杉咲花さんの千代がスタートしましたが~さすが!
毎田暖乃さん演じた千代の面影をきちんと纏いつつ、あっちゅう間に千代を自分の物に!
千代=杉咲花に瞬間になったもんね。
非常にすんなりと自然なバトンタッチ。
そして毎田暖乃さんロスは無し!
暖乃さんはもちろん素晴らしく記憶に刻み付けられましたが。
暖乃ちゃんがよかったよぉ~とは全くならずにキレイにシフトチェンジ!

今日はキャッチーな事件も特になく、道頓堀の芝居茶屋の日常を描いているだけなのにすっかり切り替わってしまった。
これってすごいことなんじゃあないかい!?!?

杉咲花さん…さすが!
やっぱりこの子も、恐ろしい子!!!

 

乞食の皆さんと共存。大正時代の道頓堀の風景

乞食の皆さんが今日も出ていました。

この前も千代を見つけてくれました。
ハナさんが千代の情報は警察より乞食さんの方が早いと聞いて千代を見つけてました。
そして、ハナさんは乞食にお礼のチップ。

最初この様子を見て、乞食さんにお礼ってちょっとおこづかいあげれば済む話ではないんじゃあ?と心配になっちゃいましたが。
昔はそうだったのでしょうね。

乞食さんは乞食さんとして存在。
今と違って“乞食”は差別しているワケじゃないのね。
嫌っているわけでもない。
そういう存在として、ごく自然に受け止めている。
乞食さんたち自身も自分が可哀想な存在とも思ってないのね。

んで、お弁当の余りを届けてあげる。
共存し合ってる。

そういう感じで、自分と違う存在を自然に受け入れて共存しているの。

先週も、芝居小屋の呼び込みの人で、ろうあ者のような人もいましたよね。
芝居小屋の呼び込み役とか、そういった障がいを持つ人もお仕事していたのかもね。

乞食さん、芝居小屋の前の者…のような人を見て、ハッと考えさせられました。
昔の方が社会が未成熟、システム化されてないけど、その分、混とんの中で、持ちつ持たれつ、お互いで助け合えていたのかも。

今はコレに比べるとクリーンだけど、クリーンなのは差別意識がある前提なのよねと考えさせられてしまう。
なんというか…差別があると認めてるからこそ「やめよう」と声高に言う。
やめようと言ってること自体差別じゃん!という矛盾。

 

そしてそんな人々の描写は、喜劇と悲劇が常に上演されるエンターテインメント街である道頓堀、様々な人間の生き様が描かれる芝居の世界ともシンクロ。

華やかな街であると同時に、泣きも笑いも、幸も不幸もない混ぜになってる。
健常者も障がい者も、お金持ちも乞食も…みんな一緒。
いろんな種類の人間が、同等で共存していたのかもなあ~。
これこそが平等。
本当の優しさ…。

ごちゃ混ぜだけど、キラキラ。
そんな独特な魅力が道頓堀にはあるんだろうなあ~と。

そういったところにスポットを当てる脚本家さんの優しさも感じます。

こんなさりげない描写にも道頓堀の良さ、ドラマの世界観を感じてワクワクしてしまいます。
そしてこの乞食さんたちの中に大女優高城百合子が混ざってるなんて!
まさしく道頓堀の、人生の混とん。

千代と大城百合子が絡むことで何が生まれるのかが楽しみです。