【澪つくし】感想・レビュー 第60話 久兵衛、かをるに勘当を言い渡す。「どこへでも出ていけ!」

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第60話

 

かをるとるいは共に久兵衛に呼ばれて入兆へ。
着いてみると伯父の清次も来ていた。

久兵衛はかをるに勘当を言い渡した。
危険思想にかぶれ水橋とつきあい警察沙汰となったかをるは、入兆の暖簾に傷をつけ久兵衛の顔に泥を塗ったと。
勘当した以上は親でもなく子でもない。
「どこへでも出ていけ」と。

入兆の娘は漁師の嫁にするわけには行かない。
ならばかをるを勘当すれば、かをるは惣吉の元に嫁いでもいいということ。
久兵衛はかをるを開放したのだ。

その真意を察したかをるは
「ありがとうございます!」
と涙を浮かべて感謝の言葉を述べた。

久兵衛は勘当した限りは二度と入兆に出入りしてはいけない、その代わりに自分で道を切り開いて幸せになれとかをるに言った。

 

英一郎からの連絡を受けた惣吉は、入兆を訪ね久兵衛に挨拶。

惣吉は、かをるの勘当は久兵衛の“武士の情”、勘当する形でかをるを嫁にくれたのだと久兵衛に感謝。
しかし最初にかをるの勘当を願い出たのはるいだった。

久兵衛は、かをるはもう赤の他人だが大事にしてくれと惣吉に念を押した。

昭和3年5月10日、かをるの18歳の誕生日。
この日にるいの家で結納が交わされた。
挙式は年内と決められた。

かをるは目の前の凛々しい惣吉を見つめながらこ、れが夢ではありませんようにと祈り続けた。

さすがジェームス!始末のつけ方がお見事!

今日は朝からビックリ!
まさかの久兵衛さんからの勘当言い渡し。

昨日のとねさんの「勘当、大いに結構!」が、伏線だとは!
そしてこんな形で回収されるとはー!

思いつかなかった!
あっぱれ!

今日は、るいさんが久兵衛さんを説得するのかと思ってましたが、そんな分かり切ったグチグチはやらないのね。
サラッとスマートに決着をつけてお見事!

勘当を願い出たのはるいさんからだったということで、るいさんも久兵衛に意見するという大冒険をやりきったことも分かった。
この勘当のアイデアは、とねとるいの2人のママたちの応援の形。
そのアイデアを受け入れて勘当を言い渡した久兵衛さんも、かをると惣吉を応援、結婚を納得したことになる。

なるほど~。

そして、このキュッと締まったスマートな終わり方のおかげで、久兵衛さんの“尊厳”を傷つけることなく久兵衛さんを譲歩させることを実現。
久兵衛さんの、入兆当主としての威厳のあるイメージはそのまま!
ジェームス、本当に、登場人物の人格一人一人を大切にしてくれてるよ…涙

世間への面目も経ち、律子も助かる。
どこをどうとっても納得&平和なの解決。

なんて脚本家だジェームス!!

 

久兵衛さんの、親心に涙

今日の久兵衛さんの、氏神様にどうすればいいかお参りに行った時の話にはもう涙、涙でした。
氏神様に行っちゃうところが、なんとも日本的で古風でいいし!

境内の松の根っこに腰かけて座ったら、かをるの小さい時のことが思い出されたと。
久兵衛さん、かをるのことが可愛くて可愛くて仕方ないのねえ。
愛情深いお父さん。
子供のことって、つい幼い頃のイメージのままで考えがちなのすごくよく分かります。
特にかをるとはこれまで同居してなかったから幼少期のイメージのまま時間が止まっていたのでしょうね。

でも久兵衛さんは、かをるを一人の大人の女性として見ていなかったことをすぐに反省。
その柔軟で謙虚なお考え、さすが入兆当主、久兵衛さん!

すると「勘当せえ」という神の声が聞こえたと…!!!

 

勘当する方が身を切られるような思いをして、勘当する方が喜んでる。
禍転じて福となす。
自分で道を切り開いて幸せになれよと言いながら目にいっぱい涙を浮かべる久兵衛さん。

久兵衛さんが泣くなんて、鬼の目に涙…。

久兵衛さんは、久兵衛さんで、一生懸命かをるの将来を考えてくれていたのね。
久兵衛さんの気持ちに、こっちももらい泣きです…。

 

 

英一郎バンザイ!ハマーも笑った!

勘当されたことを律子と英一郎に伝えに行ったかをる。
「私、勘当されました!」
とハツラツの笑顔。

律子の「かをるさん、おめでとう」が心にしみた。
英一郎のバンザイー!も可愛いし。

そしてハマーが…!
ハマーの「かをるさん、アンタ強いな」と言った時の笑顔がたまらないわー涙涙涙

ハマーの笑い顔が見たことがない件。
これがここで初めて笑顔を見せることで回収されるなんて!
かをるにとっては最大の祝福ですよねえ。
かをるとハマーの信頼関係も、ここで確実なものとなり…。
かをるがハマーにお礼を言った時の笑顔も最高に素晴らしかった。

それぞれの登場人物の中にストーリーがあり。
四方八方の人間関係に伏線と回収があり。
係った登場人物に成長があり…!
ジェームス、アミの張り巡らし方が半端ないわ!!!

 

ちなみに、英一郎にからかわれて、ハマーが英一郎をどついたらお茶碗が転がって…ってくだり、演技のプランも綿密だなあと!
お茶碗が上手いことかをるの前に転がって、ハマーが自然にかをるに近づいて、声をかけるのも自然。
ハマーがかをるに近づく間に、律子さんが「シー」ってやる動作も入ったり、きめ細かい。
すごく自然だし、仲良し姉弟シーンとしてほっこりするし。

 

かをるさんはかをるさん!

勘当の連絡を惣吉から聞いたとねさんと源八さん。

とねさん、笑顔で「勘当された!」って。
さすが…!

源八さんは、勘当された娘じゃありがたみ無くね?と言っていました。
源八さん、惣吉応援してたクセに。
このボケっぷりが結構可愛くて好きwww

源八さん、吉武家のツエさんパートwww
小畑さんパートでもあるかwww

そんな源八さんに対して、とねさんは「かをるさんは、かをるさんだよ!」と。
いやもう、カッコいいったら!

 

勘当はるいの提案

この勘当のアイデア、裏にはるいさんの申し出だと、久兵衛さんは挨拶に来た惣吉に種明かし。

るいさんが久兵衛さんに勘当を願い出ることができたのも、とねさんが「勘当大いに結構!」と体面を気にしない人だったからですよね。
“勘当”なんて、世間的にはビックリだけど、当人たちがOKならそれで充分。
久兵衛さんは、惣吉なら勘当してもその意図を汲んできちんと受け止められるとも確信していたのでしょう!

だからこその、“勘当言い渡し”。
ナイス…!!!

武士の情け、漁夫の利…言葉が豊富

久兵衛は、勘当する事態となったことを「禍転じて福となす」。
惣吉さんは、久兵衛の勘当を「武士の情け」だと言う。
久兵衛は、しつこくもかをるの結婚を実現させた惣吉を「漁夫の利」だと言う。

ジェームス脚本、こういった言葉が豊富で味わい深い。
こういうまとめ方、いかにも昭和らしい、文学的な香りもする。

梅木、怖い…!

久兵衛への挨拶を終えた惣吉を見かけた梅木は…怖いっ!
梅木わんこ…嫉妬が募ってわんこ味が薄れて…。
今日はなんか…ストーカーっぽい!
危ない刑事なのに…。

惣吉をキツイ目で睨んだ後の最後の寂しげな目がせつなかった。
さすが柴田恭兵。

梅木さん、かをるに失恋した辛さは分かるけど、かをる自身も惣吉さんのことが好きだったのよー。
かをるは梅木が好きってことに全く気付いてないしー。
だからあんなギラギラした目で見ないでよ…と思ってしまう。

梅木さんのこの募る思いは今後どうなっていくのでしょうか…?
こっちの行方も気になる。

 

結納の日。かをるも惣吉もキラキラ!

結納の日はかをるの18歳のお誕生日でもあった。
かをるたん、最高に幸せなお誕生日だことー!

かをるさんのピンクのお着物はお正月の時の晴れ着です。

これまでで最も嬉しい日。
沢口靖子さん、最高にキラキラーー!!!
もう眩しすぎるくらいキラキラ!

そして、惣吉さんも凛々しい羽織袴姿でキラキラー!!!

2人のキラキラ攻撃がすごい!
もうオーラが半端ないわ!

これが夢でありませんようにと願うかをるさん。
これまでのことを振り返っての心情のナレーションは、安定のジェームス!
「諦めては燃え上がり、燃え上がっては遠ざかる恋であった。
その苦しくもせつない恋がようやくここで実ろうとしているところであった」

漁夫の利だ、武士の情けだが並ぶと、ちょっと濃過ぎると思うこのナレーションも自然に見える。
これ、ジェームスっていうよりは、昭和テイストってことなのかも。

 

 

来週はどうなる…?

たったの15分なのに沢山のことが詰まって感動がいっぱい。
見た後の充実感いっぱい。

そして、これからはどうなるのー!
と次が見たくて仕方がない。

今の朝ドラと違って予告が無い分、この先何が起こるかワクワク、ハラハラ。

澪つくしって、まだ始まって2か月だよねえ!
なのにこの盛り上がりはすごいなあと!

そしてたった2カ月でかをると惣吉は無事に結婚の運びに。
…ってことは、これからまだまだ困難が?
まだ、結納しかしてないし…。
結婚できるかどうか、まだまだ侮れない!?

ジェームス脚本、気が抜けないから、あまりにハッピーハッピーなのも、かえって心配でwww

かをると惣吉も無事に結婚できるかまだ気が許せない。
律子さんは明日は荒波が岩にぶつかって砕けるようだって言ってるし、
世の中は不景気だし…。
キラキラの背後には実は不安要素がてんこ盛り…汗。

でもとりあえず今週末は、かをると惣吉さんのキラキラに酔いしれさせて貰います!
最後のツエさんの泣きも心にとめておこう!