【澪つくし】感想・レビュー 第52話 梅木がせつない! 水橋のサングラス!

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ)第52話

久兵衛は、妙な男が鯛を持って訪問してきたから門前払いをしたとかをるたちに話した。
妙な男とは惣吉のこと。
久兵衛は、惣吉に結婚を申し込まらたらどうするつもりかとかをるに聞いた。
かをるは
「お父さんのお許しが出れば、お嫁に行きます」
と宣言。

 

吉武家では、入兆で門前払いをくらったことを惣吉と源八が報告。
とねは、予想通りのことと織り込み済み。
さらに「乗りかかった船だ」と惣吉に簡単に諦めないよう励ました。

 

ある日、律子宛に女性の差出人の手紙が届いた。
手紙の消印は合田。
水橋が争議を起こした合田醤油のある合田だ。
かをるは律子に木賃宿に滞在する「武藤」という人間に届け物をするよう頼まれる。
その宿を訪ねると、水橋が。
「武藤」とは水橋の偽名だった。

「あなたは大きな仕事をした」
水橋に無事に届け物をして戻ってきたかをるを律子は「同志」と呼び労った。
律子と水橋、そして惣吉と自分、皆苦しい恋をしていると思うと、かをるはなぜだか涙が止まらなくなった。

 

本日はサスペンスな回

今日は、サスペンス要素満載な回でした。

律子に女性の名前の手紙が届き、その消印は合田醤油のある合田。
水橋では?とかをるは見た途端にピンとくる。
さすが、科捜研の女!
勘が冴えてる~。

その後、律子に、ある宿に届け物をして欲しいと頼まれ向かいますが…。
その道中、かをるを梅木=あぶない刑事が尾行。

しかし、かをるはあぶない刑事にすぐに気付く。
さすが科捜研の女!
そしてかをるは毅然とした態度であぶないで刑事を追っ払う。
強いぞ科捜研の女!

そして行き着いた宿には…負傷した水橋が!

ただ…水橋は謎のサングラス姿でオチ!爆

ちょっとサスペンスタッチでハラハラ。

ここ何回かは惣吉さんが前面に出てきて、その直球ストレートな純粋さ、力強さにグイグイ引き込まれていました。
こっちがまだその魅力に取りつかれているウチに、おなか一杯になる前に、その熱感を冷ますようにサスペンスモードの投入。
ジェームス、いろいろなワザをお持ちで。

かをると惣吉の恋、律子と水橋の恋。
どちらも純粋だけど、正攻法に真向チャレンジタイプと、一目を忍び危険を孕むタイプと…。
それぞれの恋愛を併行して走らせて比較させて行くということか。

かをると久兵衛、静かな対決

久兵衛さん、かをるに確認しました。
惣吉に結婚を申し込まれたら、どうするつもりかと。
するとかをるは、まっすぐな目で
「お父さんのお許しが出れば、お嫁に行きます」
とキッパリ!

さすが愛を知った女性は強し!
昨日、惣吉さんとお互いの意志を確認出来てよかったねえ!

かをるの言葉を聞いて、驚きと寂しさと…何とも言えない表情をした津川雅彦さん、久兵衛パパ、せつない。
でも、久兵衛さんはすかさず
「つまり、わしの許しが無かったら嫁に行かん、そういうことやな」
と念押し。
「はい」
と静かに返事をするかをる。

久兵衛さん、勝ったようで…コレ、かをるの勝ち!!

久兵衛さん、かをるの言葉の裏を返して、「許さなかったら嫁に行かないね」と、かをるを同意させて勝ったと思ってるみたいだけど…。
かをるは、その代わりに、惣吉以外のところには嫁に行かないつもりだから~!!

言うことは必要最低限にして、ウソは言わない。
一番大事なことは絶対に言わない。

この前、「海を見ていた」のときもかをる、その作戦だった。

かをる、強いよねー。
そして、惣吉との恋は死守して見せるという意志の強さも感じられる。
優しい性格だけど芯は強いというかをるの性格がよく出てる!

沢口靖子さんの棒演技の固さが、久兵衛の前で緊張しながらも気丈に言葉の駆け引きをしているしたたかさに見える。
棒の効果ここでも絶大!爆

 

かをるは神経衰弱

本日またまたかをるの奇行が…!

女中の早苗ちゃんに独り言を言っていると突っ込まれました。
「イワシ」とか「雨」とかブツブツと言っていたと…。

「イワシ」、「雨」…。
ええっ!? 衝撃!

しかも、そう言われてもかをるは「ホント?」とまるで自覚が無い…。
自覚が無いどころか、ニコニコと…。

寝ていたわけでもないし。
若いのに…怖。

これまでも、

  • 惣吉の名前の漢字を知った後、ノートいっぱいに「惣吉」と書きまくる。
  • 炭団で惣吉の顔を描く。
  • 惣吉が結婚に向けて動いていると聞いて「吉武かをる」とノートに書きまくる。

と数々奇行は見られましたが、今日はとうとうブツブツと独り言…。
しかも覚醒中にもかかわらず自覚無し。
重症度が増している様子…。

早苗ちゃんが「神経衰弱じゃない?」と。
神経衰弱ぅ?ああこの前姉弟でトランプやってたねえ!
と思いましたが…違う違う。
鬱っぽかったり、精神的に安定しない状態を指す病名のようです。
今時では日常的にあまり使いませんが。
当時はそういう言い方したのですかね。
今なら「ストレスたまってるんじゃないですか?」ってニュアンスか??
早苗ちゃんもまたケラケラと楽し気に「神経衰弱」なんて病名言うから…どう取っていいんだかと。

棒棒対決は時代を超えて現代の我々に不可解なニュアンスをもたらした…。

こういったかをるの奇行、好きな人を思う表現、昭和のあるあるかも。
しかし令和の今見ると、かをるが思い詰め過ぎで危ないとしか。
30年以上経って日本は随分と自由になったんだろうなあ。

 

梅木=あぶない刑事はかをるが好き

本日の見逃せないポイントは、梅木さん!
かをるを尾行して拒絶されたシーンの、梅木の表情に萌え~!

あぶない刑事はかをるを尾行していましたが、かをるに気付かれムッとされていまいますー。

かをるに見つかって恐縮してシュンってなってる梅木さん、わんこっぽくて可愛い。

でも、わんこなりに、頑張って「どちらにいらっしゃるんですか?」ってかをるに食い下がりますが…。
そのときの梅木の表情、すでに嫉妬心と焦りが滲み出て…興味深い。

かをるにイヤな顔をされても、
「気を悪くしないでください」
「銚子電鉄に乗るんですか?」
と頑張って、頑張ってわんこは何度もタックル。
でも、わんこは簡単にはねのけられてしまいます。

「私はかをるさんを疑っているワケではありません」
わんこ、かをるの共感を得る作戦に切り替え必死で引き留めます。

梅木わんこは久兵衛に忠実な故なんですー。
惣吉が悪いヤツだと思うからかをるがただただ心配なんですー。
という、アピールで、梅木は必死に嫉妬心を覆い隠していますが…

しかしかをるに、
「じゃあどうして着いてくるの?」
と思いっきり言われると…わんこは言葉が出なくて…。

言葉は出ないけど、顔には「好き」が溢れてて~!

「好きだから」って喉元まで出てるのに、それを必死で抑える梅木さん…。
そして立ち去るかをるの後姿を寂しげに見送って…。

せつない…涙。
グッときてしまった。

かをるにストレートに聞かれて、梅木自身も、こうまで自分がかをるのことを好きになってたって初めて気づいたような…。
好きだけど、絶対に好きって言っちゃいけない辛さが痛いほど伝わってきました…。

柴田恭兵、こんなせつない演技するんだ。
柴田恭兵さんのこんなタイプのお芝居初めて見た気がする。

かをると惣吉の恋。
律子と水橋の恋。
そして梅木の恋。

もう一つのせつない恋の形が加わりました…。
梅木の思いはどうなるのか??

ちなみにあぶない刑事、かをるに言われた後、素直に尾行を諦めたのかなあ…?
科捜研にやられっぱなしじゃあ、済まないわよねきっと…。

 

水橋のサングラス姿に爆

かをるが律子に言われた宿を訪ねると、そこには水橋が!

水橋は…サングラス姿で!
家の中でサングラス!
丸くて黒いサングラスーーーー!!
なんでサングラスーーーー!?

吹いた。

昭和元年は、こんなサングラスしかなかったのかなあ!?

このサングラス、オンエア当時では十分カッコよかった?
でも今だとコレ、オチ決められたかと。
やっぱりライフだったか?と。
今日はこれで終了で恋あら行くか?と。
でもまだ28分じゃないぞ?と困惑…笑

銚子の田舎でこんな黒いサングラスしてたら、かえって目立つでしょ。
宿の婆ちゃん、全然動じてないし笑笑

でも朝から面白かったからいいや。
今日は惣吉さんの場面が少なかったから、その分水橋のサングラスで受けて埋められた!

 

水橋、律子さんに頼んだのは、活動資金みたいですね。
『おしん』にも、浩太の活動資金を運ぶシーンがあった記憶が。

水橋、人は良さそうだけどやっぱり…律子さん、心配。
本人真面目で悪気は無いだろうけど、結果的に律子さんからお金巻き上げてそうな…。
律子さん、水橋のことを「労働者の先頭に立つ人よ」と持ち上げて言っていましたが、律子さん、水橋が好き過ぎて現実見えていないのでは?とも。

まあ、仲間からの人望は厚いのかもしれないけど、賢過ぎてうまく立ち回れないタイプでしょうね。
この時代のアカは弾圧されてしまうし。
これからどうなっちゃうの…?

 

かをるは律子に共感

水橋に届け物をするという大役を見事に果たしたかをるを律子は「同志」と呼びました。

いやいや、律子さん、かをるを一緒にしないで~!
洗脳しないで~!

「同志」なんて言われると、ドキッとしてしまう。
そうよ、律子さん、惣吉との恋を応援してくれるからって心開いてたけど…アカなんだよねえって。
そしてさらに、中の人のその後の人生も重ねてちょっと怖くなってしまった。

律子さんは、その後社会主義活動に身を投じることになるのかしら?

かをるは、涙が溢れて止まらない。
律子も水橋も、自分と惣吉も苦しんでいる。
それだけは分かっているけど…気持ちがぐちゃぐちゃになって涙。
自分たちの恋が周りに認めて貰えない苦しさ、悔しさ…まだ18歳のかをるには重過ぎだよねえ。
いろいろ考えさせられる。

沢口靖子さん、ここもうちょっと涙が欲しかった気がするけど…(笑)
さすがにこの、あまりにも沢山の思いが去来して溢れてっていうのは、さすがに上級者コースかもね~。

そして律子とかをるは共感しあう仲、協力し合う仲となるのね…。
律子さんが味方になってくれるの、心強い。
でも、そしたら英一郎、善吉、ツエの結婚させる同盟は…?
やっぱり彼らはただの、ほっこり要員!?