【澪つくし】感想・レビュー 第45話 かをる、ついに惣吉との仲を告白。ポロポロと流す涙が真珠みたい

『澪つくし』あらすじ(ネタバレ) 第45話

かをるの結納は、藤尾家の密告と小浜の不可解な行動で滅茶苦茶になった。
久兵衛は呆然自失。
かをると口を聞いてもくれない。

藤尾家への密告と小浜の行動は一連の物。
小浜が好きなのは律子だったはず。

かをるは、これは律子が仕組んだことだと気付く。
律子に確かめると、律子は平然と認めた。
律子は、惣吉が好きなかをるを助けたまでのことだと言う。
そして惣吉を好きなら恋を貫けと言った。

一方で、梅木は小浜の行動は怪しいと勘づき、律子が仕組んだことではないかと久兵衛に進言。

翌朝かをると律子は久兵衛に呼び出される。
久兵衛は厳しい口調で二人を糾弾すると、律子は自分がしたことだと認めた。
かをるのためにやったのだと主張する律子に、久兵衛は激怒。
律子のせいでかをるが結納の席で純潔を疑われたと、久兵衛は律子を猛攻撃。

いたたまれなくなったかをるは、とうとう自分には恋人がいると久兵衛に伝えた。

 

やっぱり律子の仕業!

やっぱりやっぱり、仕組んだのは律子さんでした!
大当たり~!

かをるもすぐにピンときました。
かおるが直接問いただすと律子はあっさりと白状。

そしてこれはかをるを助けたのだと主張。
かをるが惣吉以外の人と結婚しないで済むように。

律子さん、ドラマ的にはサイコー面白いけど、コレ大変よー。
何人もの大人たちがスゴイ労力掛けてるんだからさぁ~爆
ここでぶち壊しはあまりにも残酷っ!爆爆
久兵衛さんにも同情…。

律子は、かをるを助けてやったのだとか、そんなことでは新しい女になれないとか言う。
確かに!
律子さんの言う通り。

でも律子しゃーん、かをるはまだ19歳手前だから。
銚子以外知らないから。
しかも縁談が滅茶苦茶になった直後よ~。
パニックしてるからもうちょっとかみ砕いて、優しくアドバイスしてやってよ。

大切なワードがボンボン出してくれますが、かをるは今動揺中よ(面白いけど)。

律子さん、さすが激しくドラマチックな人。
そばに居たら振り回されて大変かもしれないけど見てる分には最高面白い。

「愛情という花は勇気という木に咲くもの」
いかにも律子さんな情熱的で美しいセリフも印象的。

 

 

かをる推しの梅木はピンと来た

律子の仕業だとしても、かをるも律子も秘密にするハズ。
では、かをると小浜の件は濡れ衣だということ、どうやって晴れる?と思ってたら、なるほど梅木が。
梅木のかをる推しは、この伏線にもなっていました。

梅木なら、久兵衛に言えるし。
梅木なら冷静で洞察力鋭そうだし。
納得の配置。

かをる、梅木に好かれててよかったねえ。
梅木は、もし勘違いだったら暇乞いするとまで言って、久兵衛に律子犯人説を進言。
正義感が強いとはいえ、そこまでかをるのことを思いやれるなんて…。

かをる、梅木の方がおススメかもwww

 

怒りまくりの久兵衛さんに同情

それにしても、昨日に引き続き、久兵衛さん、怒りまくって大変!
脳の血管ブチ切れるのではないかと、こっちが心配になりますー。
津川雅彦さんの雷父さんのド迫力演技に圧倒されます。

怒りまくる久兵衛さんは、見ててもこっちも怖いけど、でも久兵衛さんにも不思議と同情。
だって、久兵衛さんは久兵衛さんなりにいい縁談と思ったんだよなあ~と分かるから。
確かに入兆のための政略結婚という度合いは高いけど、ここなら妾の娘って言われなくても済むなあと、かをるの立場も考えていたワケで。
相手も真面目そうだったし。
この見合い、入兆にとってもかをるにとってもウィンウィンだと思ったからだよねえ…。

それにしきたりの中で生きている久兵衛さんだから結婚は見合いしかないと思い込んでるし。
浅はかだけど、無理矢理進めたつもりはないんだよね…。

それなのに、こんな滅茶苦茶なぶち壊し。
下手したら入兆の信用にもかかわるレベルだし。
冷静に考えるともう久兵衛さんに同情しかない。

律子しゃん、罪が重いわ~www

さらに、ぎゃんぎゃん怒り狂ってる久兵衛さんですが、犯人である律子がかをるのためにやったのだと言うと、久兵衛は最高潮にヒートアップ!
「かをるはな、結納の席で純潔疑われたんやぞ!」
「男とちちくり合うてるとののしられたんや!」
「嫁入り前の娘がこれ以上の屈辱あるかい!!」
ともう気が狂いそうな勢いで怒鳴りまくる。

…へーちちくり合うってこういうときに言うんだああ…汗。

まあ、それは置いといて。
そう!
久兵衛さんとして、一番のショックは、入兆のプライドよりも、かをるが侮辱されたことだったのよね~。

浅はかな父ちゃんだけど、妾囲ってたりするけど、家族への愛は強い父ちゃんなのよ、久兵衛さんは。
だから、久兵衛さんが怒れば怒るほど、同情するしせつなくもなる…。

 

かをるは自ら惣吉との仲を告白

久兵衛さんの怒りのツボは、自分のメンツでもなく、入兆のためでもなく、かをるのため。
かをるが屈辱を付けたのが一番許せなかった。

だからかをるは自ら口を開いたのよね。

昨日の結納の席で、かをるが白状することになる?と思いきや小浜が出てきて遮られました。
当初この展開には驚きましたが…これにはジェームスのメッセージがあるのだろうと。

昨日のアクシデントでその場で素直に惣吉のことを白状すれば、それはむしろラク。
言うきっかけを与えて貰ったワケだし。
所詮受け身での行動です。

それで済まさなかったのは、ジェームスは、かをるに自分の意志で告白させるように仕向けているんだろうなあと。

かをるにとって惣吉さんとの恋は最も大切なものだし、このドラマのメインテーマ。
アクシデントの結果で告白させるのは許さないんだろうな。
ジェームスはそんなに緩くない笑

そして、かをるを律子さんの言う「新しい女」に成長させていくためにも、かをる自身の意志で告白させる。

これはジェームス三木から世の女性へのメッセージでもあるのね。
女性であっても、どんな批判を受けようとも自分の意志で動かないと何も始まらないよ、という。

男女雇用均等法が成立したのは1985年、澪つくしがオンエアされた年です。
当時、段々と男女平等の意識、風潮が広まってきてはいましたがメンタル的にはまだまだ。
かをるのように運命だと思い込んで親の言われるままに生きている女性が多かったと思います。
ななはっち自身も、親世代が昭和初期なので、メンタルに男女雇用均等法の前と後が混在していて未だに翻弄されているところがある。

だから、これからの女性は律子みたいに何もかもぶち壊すくらいのエネルギーで勇気をもって切り開いていけよってメッセージかなあと。

しかし、かをるが告白することを決断したきっかけは、久兵衛さんの親心からっていうのが…憎い!
泣けます。
ここが、律子と違って、かをるらしい。
思いやりに溢れてて…涙。

ジェームス、登場人物のセリフ、行動、何もかも計算づくじゃんか!
どうしてこんなにすべてがハマっているの!?
すごいわジェームス!
尊敬する!!

 

 

純潔って何だ!?当時の価値を考えてしまう。

当時の、結婚においての価値観、女性の側が純潔かどうかってすごい価値なんだなあとこのドラマを見ていて実感します。
「純潔」って表現されちゃうのねえ~。

当時はそういうものだったんでしょうけど、今の令和の自分の視点だと「何なの?」とも思う。

なんで女ばっかりキレイ事を求められるのかしら?って。
男性はちゃっかり妾囲うのに!

もうこのシステム自体、男尊女卑だよねー。

そして、「純潔じゃないとか」、「娘じゃないのか?」とか言う、その言われかたにもムカッ!
かをると惣吉さんの恋愛の方がずっと純粋だよー!
アンタこそ妾何号も囲ってるじゃん!
と猛攻撃で口答えしたくなるわ~。

令和の人間は律子よりもきっと強いんだ~よかった。

 

「私は陸物ですから」…かをるの涙が印象的

かをるが告白した後の久兵衛さん、津川雅彦さんの表情も素晴らしく惹きつけられました。
意外にもかをるがタブーを冒していたというショックと、まだまだ子供と思っていた可愛い娘を盗られたというショックと…いろいろ混ぜ混ぜのショックの表情。
それがまた怒りに火をつけてー
久兵衛さん、脳内出血起こして倒れちゃうんじゃないかとwww

でもかをるは、好きだと言いながら「一緒にはなれない」と言います。
陸者だからと。
それもけなげ。

かをるは、律子さんの言う、新しい女って何だ?ってずっと思い続けてたのと、自分の濡れ衣が晴れたら晴れたで結婚させられてしまうだろうという不安とで、頑張って正直に自分の気持ちを告白。
でもだからと言って惣吉と結婚できるとは思っていない。

なぜかというと、生粋の銚子っ子のかをるは、醤油屋と漁師は相容れないことを知っているから。
それもタブーと思って生きているから。

価値観の壁に自分ら負けて諦めている…。

ジェンダー問題然り、令和の我々も、様々な価値観に縛り付けられて無意識の内にそれを超えられないものと思っていることがたくさんあります。
ジェームス、男尊女卑だけでなく、様々な既成概念に縛り付けられていることへの挑戦でもあるのか!このドラマは!

深いわジェームス!

しかし、惣吉さんのことを思い、一緒になれると思ってないと言ってポロポロと涙を流すかをる。
その涙の粒は、まるで真珠のように美しく…いじらしい!

沢口靖子さん、全然棒じゃない!