【澪つくし】感想・レビュー第43話 「海を見ていた」かをる、上手いこと言い逃れ

『澪つくし』第43話あらすじ(ネタバレ)

かをるは夜になって入兆に帰宅。
その頃すでに入兆では、かをるの不在がちょっとした騒ぎになっていた。

久兵衛はカンカンに怒りどこに言っていたのか問いただす。
かをるは、嫁入りする佐原には海がないから、見納めにずっと海を見ていたと説明。
久兵衛の怒りを上手くかわした。

翌日は結納に向け着々と準備。
かをるは淡々とすることで憂鬱な気持ちを封印。

夕食時、かをるは久兵衛と律子に勧められ前祝いの酒を飲んだ。
かをるは注がれるままに飲んで、つぶれてしまう。

結納の当日。
仲人役となった叔母夫婦、名取圧右衛門・ぎんも揃い、準備万端。
しかし、待てども相手方がなかなか到着しない。

何時間も待ってようやく訪れたのは、世話人の小曾根一人だけだった。

 

沢口靖子の笑顔…恋する乙女の笑顔そのもの!

かをると惣吉はとうとう初チュー!
本日月曜のトップは土曜のこのシーン復習からの、帰りの銚子電鉄の車内。

「生まれて初めてのくちづけの感触が潮騒とともにいつまでもかをるを優しく包んでいた」

このときのかをるの笑顔とびっきりキレイ!
先週の、久々に惣吉さんに会えたときのキラキラも素敵だったけど、またさらにキレイ!

惣吉さんとの初チューを思い出してうっとりしちゃう、初々しさと、艶っぽさと…。
これまでの少女の笑顔と明らかに違う!

こんな表情できるんだから、沢口靖子さん、やっぱりプロの女優!
多少の棒なんて、もうこの笑顔が見られればどうでもいい!

 

不在の理由は「海を見ていた」byかをる

さて、惣吉さんとチューできたのはいいとして、家に帰れるのー?
帰ったらどうなるー?
かをる、正直に言うのー?
と、土曜からずっとハラハラでしたが、結果は言わずに終わり。
かをるは上手いこと言って退けました。

それが実に上手い言い方で~かをる、意外と肝に据わってるなあと。

どこに行っていたか言えと怒る久兵衛さんに、お父さんにウソを言いたくないから言えないと言い始まり。
次に、分かってくれるはずないから言わないと言い。
分かるかどうかは聞かないと分からないじゃんと言う久兵衛に、とうとうかをるはこう答えました。

「海を見ていたんです。昼の海を見ているうちに夕方になって、夕方の海を見ているうちに夜の海が見てみたくなりました」

なるほど~かをるたん、上手いわ。
確かにコレじゃ嘘じゃないもんね。
肝心なことは言わなければいい。
そうすればウソにはならない。
こんな処世術…19歳だよね?
よくこの場で思いついたわねえ~。
もう社会人ベテランみたいーwww

さらに
「佐原へ行けば海は見られませんし、じっくり海を見て思い出にしたいと…」
といじらしい言葉。
棒セリフが、マリッジブルーでおかしくなったんじゃないかと同情を誘います。
「佐原は監獄じゃないぞ」
と久平衛さん、コロッとだまされ、ほっこり。

そして、久兵衛さん、結婚しても自由に里帰りしてもいいんだよ~となぐさめにも入ります。
でもかをるは結婚する前と後では違うのだと。

…かをるの言う「結婚する前と後では違う」という本当の意味を久兵衛は知らない…フッフッフ…。

結婚した後は海が黄色や赤になっちゃうのか?と笑いながら言う久兵衛に
「だから、お父さんには行っても分かってもらえないと言ったんです」
と、けなげで可愛いかをるたんアピール。

すごい!
上手い、強い!
かをる、律子よりも、全然上を行く~!

確かに律子が予言するように、かをるの方が激しく爆発する海底火山…!

こういう意味深セリフ、ジェームス脚本すごいわ~。

翌日は着々と結納の準備

かをるはハマーに結納の流れを教えてもらいながら練習。
もうここまで来たら仕方ないと、かをるは沈みがちな気持ちを淡々とすることでやりごしています。

かをる、よくできるなあ~。
もう、普通ならダメーーーッ!ってなるんじゃないかと思うけど…。
でも、そう感じるのも令和の人間だからかしら。

当時の娘代表かをるは、大人の決め事には絶対に逆らえないって思い込んでるから。
結婚したその後の日々のことも実感ないだろうし…。

ところでハマーは結納の段取りまでバッチリ入ってる。
ハマー、本当にハイスペックな女中頭です。
最近のハマー、魅力増し増し。
ただの意地悪だけじゃなくて、お茶目な部分があったり、スキル超高いし。
意地悪も入兆へのひたすらな忠誠心からとも分かるし。

意地悪役にも憎めない魅力をつける根岸季衣さんすごい。

 

夜はかをるの前祝い

翌日の結納を控え、久兵衛さんは上機嫌。

おどけながら僕、醤油屋継ぎたくないっていう英一郎に対して、久兵衛さんは説教。
「若いころは他の世界に憧れることはあるけど人間には天命がある」

なるほどね。
かをるも見合いのことを「運命だと思う」ってあきらめて言ってたわね。

この久兵衛さんの言葉を聞いて思い知りました。
しきたりにがんじがらめで生きている時代、人は「天命」、「運命」という言葉を使って自分の心に蓋をしてきたのねと。
久兵衛さんもそうだったってことね。
久兵衛さんにも自由じゃないのね、実は。

この久兵衛さんの言葉を聞きながら反芻してしまいましたが、確かに親世代って「運命」とか「天命」とかって言葉をよく使っていたような記憶が。
「運命」、「天命」って一見ドラマチックだけど…ドラマチックに見せかけて諦めさせられてたんだなあ。
それに対して今は、そういう言葉滅多に使わないし、安易に使っちゃダメよって空気がある。
運命なんて言ってないで、自分がやらなきゃ始まらないよって。
当時に比べると今は随分と自由が浸透しているのねと実感。

それが全てと考えている久兵衛さん世代には、大正デモクラシーは確かに通じないわ…。

そしてかをるは祝いの酒を律子に勧められるがまま飲んで倒れます。
律子さんは…なぜそんなことを?
かをるを酔っぱらわせて、惣吉のことを久兵衛の前で白状させようと思った?
それとも、二日酔いにさせて翌日の結納をつぶそうと?
なぜかはよくわからないけど…。
でも倒れた割に、かをるは翌日バッチリ。
以外に酒豪になるかも。

梅木はかをる推し

結納の日、見合い相手がなかなか来ないことにヤキモキする梅木。
こんな失礼されてかをるが可哀想だと。

それに対して、小畑さんが梅木にかをる好きなんじゃね?と突っ込み。

小畑さんとしては、かをるが梅木と一緒になればいいと思ってた、久兵衛もそのつもりだと思ってたとちょっと不満げ。
確かに、小畑さんの言う形は賢明だわー。
今回の見合いの相手、釣り合いが取れているとはいえ、“妾の娘”が何かしらつきまとうわよねえ。
内の人間と縁組すれば、そういったそしりを受けずに平和に生活できる。

やっと柴田恭兵がクローズアップされてきました。

なるほど~だからこの役、柴田恭兵だったのね~。

今回の件は、破談になっちゃって、その後、梅木か惣吉かってことになる?

先は見てないのでこの辺りの駒がどのタイミングでどうなるかが興味深い。

 

結局、見合い相手は来ず

かをるたちは2時間以上待った末に、来たのは世話人の小曾根のみ。
しかもしかめっ面。

破談の予感…。

もしかして、あっちの息子も誰かと駆け落ち?
そんなことしたら、それはそれで、コントだ笑
大人は見合いだなんだって格式張っても、律子もかをるもかをるの見合い相手も…若者はみーんな勝手に恋愛しててぶち壊しまくりwww

でもそれはかをるにとって都合よすぎでもあるから、無いわな。

ってことは…かをるの初チューを誰かが目撃?
それでかをるの行方不明事件の真相がバレる!?
あーそれってアリかもー!
ぎんさんもいるし。
一番ピンチなパターンでバレちゃう!
徹底的に追い詰めるジェームスならきっとやる…!

あー怖い、どーしよー!

でもこんなこと…さすがに久兵衛さんにも、ぎんさんにも同情よ…。
こっちのチームに対しても申し訳ないなあと思わせちゃうのがジェームス脚本の憎いところ!

ああ、また明日が待ち遠しいっす!