【澪つくし】感想 あらすじネタバレ 第40話 律子の名言 かをるは海底火山!

『澪つくし』第40話 ざっくりあらすじ

かをるは久しぶりに母の家で団らん。
清次もるいもかをるの縁談に大喜び。

佐原の醸造元といえば一段と格式が高い。
かをるにとっては驚くような玉の輿だが、先方も芸者に生ませた息子だから妾の娘のかをると釣り合いが取れている。
さらに本妻との間に子供はないので、その息子が惣領。
こんな願ってもない話は無い。

そして佐原の大茂との舟遊び=見合い当日。
かをるは相手の男性を見てもまったく冷静。
感動も嫌悪感さえも感じなかった。

その頃律子は沖田の家で絵のモデル。
銚子文学の河原畑とバイオリニストの宍戸も押しかけ二人は律子をマドンナともてはやす。
沖田たちは、律子とかをるは対照的だと性格を評す。
律子は炎のようでかをるは水のようだと。
しかし、律子は反対かもしれないと否定。
かをるは海底火山だと。

見合いの後、かをるは感想を聞かれるが、久兵衛がいいならOKと。
自分の幸せを一番に考えてくれていると父を信頼しているから久兵衛の決断に委ねると言った。

夕食時、見合いの話題が出ると律子は「政略結婚なんてかわいそう」と冷たい反応。
しかし、律子はかをるの見合いに反対というわけではない。
かをるが納得しているのなら構わないと言った。

かをるは律子の言葉が妙に心に刺さった。

 

かをるは舟遊びでお見合い

風流な舟遊びという形でかをるの見合いの席が設けられました。

かをる、お見合いはピンクのワンピースで行く指示だったのに、古風な舟遊びだったので着物になりました。
新たな衣装を見られて嬉しいけど。
本日のピンクのお着物もとっても似合っていて素敵。
ホント、かをるなら見合いさえすれば誰もがOK出すわよー!

お見合い相手は銚子より格上の佐原の大店の惣領息子。
でも相手も芸者に生ませた子供だから、妾の娘のかをるも負い目を持たなくていい。

妾の子かそうじゃないかで子供も格上、格下決まるって、大変ね~。

さらに一人っ子だから、妾の子だけど揉めることなく跡取り。
確かにすごーく美味しい話。
本人の性格に問題さえなければ条件は最高!

ジェームス、バッチリ外堀埋めてきたねえ~。

 

見合い相手は感動も嫌悪もなく…お見合いの罠!

相手の男性は、『おしん』で田倉商会の社員役やってた方みたいですね。
劇団青年座の所属で、今はテレビアニメの声優としてご活躍のようです。
声優さんかあ~。
声がいいから謡なのかな。

お見合い相手は、はた目から見てもまあまあな感じ。
ひ弱そうではあるけど、一般的に真摯で素敵と評価されそうな。

これってお見合いの罠だよなあ~とも見ながら思ってしまった。
無難な人。
可もなく不可もなくが来たら、どーする?

お見合いだから一目惚れは期待しない設定だもんね。
だから悪印象が無ければまあ…そんなもん…?で受け入れてしまう。

でも本当はお見合いでも、会話のウマが合うとかフィーリングが合わないと、お互いに興味が持てないとNGなはず。
でも、かをるはまだ幼いし、お見合いならこんなもんか…で諦めてしまう。
かをるの心に惣吉さんが占めているから何とも思わなかったことに、かをる自身が気付けない!辛っ!

イヤなヤツだったらハッキリ断れるのに!
で、お見合いなんてするもんじゃない!ってハッキリ気付くことができるのにねえ~。

かをる自身にも自分の気持ちにギリギリまで気付かせないジェームス!
完全に包囲網作った上にこんなとどめを刺してくるとは!
もう完全に逃げ場がないじゃんか!

ストーリー上この件は台無しにするに決まってるけど、大トラブル必至な状態に持ってきたわー。
ジワジワと、まだ誰も気付いてないけど…。
コレは律子のタバコぷか~どころじゃないねえ!爆
ぎんさん大変!
同情するわ…www

で、なぜ相手に何にも感じないのか分からないかをるは、お父さんの選んだ人ならOKと言っちゃう。
ああ、当時の教育の洗脳よ…。
こんな感じで親の言いなりで結婚する人が、日本では殆どだったのよねえ。
1985年当時このドラマを見ていた奥様方も殆どそうだったのでしょう。
由岐ちゃんのように幸せになる人も多かったと思うけど、ハズレも確実にいたはず。

ジェームス、当時の主婦たちのことをも辛辣に皮肉って…。
結構容赦無いわね。

 

見合いの返事は久兵衛にお任せ

かをるに、信用しているから任せると言われた久兵衛さん。
自分の中にある打算を見透かされたように感じたのか、何とも言えない複雑なお顔。
そして、かをるの純粋さに心打たれた様子の久兵衛さんの目には涙が…!
あのタイミングで目を潤ませるってスゴイです!
しかも涙の量がバッチ適量で!
キランって美しく光って…。
津川正彦、スゴイ!!

 

そしてかをるの「お父さんを信用します」って言葉は、殺し文句よねえ。
律子のやり方よりも久兵衛を苦しめることになる。
実はかをるは律子よりも残酷。

主人公がやられるばっかじゃなくて、実はやり返してるってのもいい。
罪の無いことが最も残酷ってのもいい。

直接的に反抗するよりこっちの方が効き目あるんだなと今更ながらに学びました。
こういう技も身につけておくべきね。

そしてぎんさんも、「かをるは親孝行でいいと」涙ぐんで“親孝行”呪縛で応酬。

こんな小さなセリフのやり取なのに、あらゆる方面に毒があっていいわー。

 

 

律子とかをるは対照的

本日グサッ!と胸に刺さったのは、律子さんのシーン。
もうマジで痺れちゃったので書き起こします。

画家の沖田と、銚子文学の河原畑、バイオリニストの宍戸がそれぞれの表現でかをると律子がいかに対照的かを表現します。
沖田 「律子さんがゴッホで、かをるさんはセザンヌ。律子さんが油絵でかをるさんは水彩画だ」
宍戸 「律子さんはワーグナー、かをるさんはブラームス」
河原畑「律さんは炎、かをるさんは水だ」

ゴッホにセザンヌ、ワーグナーにブラームス!
印象派!ロマン派!
そうよねー19世紀後半に活躍した人たち!
日本でもこの時期のハイカラでインテリな人たちにとっては痺れるほどカッコいい案件でしょう!
この名前たちについて語り合えるのが最も最先端でおされーっ!てことで。
こういうワードが当時をビビッドに感じて大正ロマン好きにとってはゾクゾクきてしまう!

そしてそんなワードが出ても驚かず、ありがたがりもせず、当然知っていることとしてスルーしてしまう律子さん。
なんてカッコいいこと!
さすが東京のモガ!
クーッ!痺れるーーっ!

そして律子は皆の意見を否定。

律子 「いいえ、反対かもしれませんよ」
河原畑「反対?」
律子 「水が炎のように見え、炎が水のように見えることがあります」
沖田 「哲学的ですなあ」

律子「かをるは海底火山です。海の底で密かに爆発を繰り返しているんです」
河原畑「素晴らしい発想だ。あなたは詩人ですよ、律子さん!」

かをるがいつか大爆発することを堂々予告。

なるほど~!
海底火山かあ~!
マグマだマグマ!
律子さん、名言だわ!
コレ、朝ドラ史上に残る名言なのではないでしょうか!
なるほどジェームス、あなたは詩人!
いやいや、痺れる!たまらないでっすー!

恋愛経験済みの律子としては、かをると惣吉の愛は本物だと確信しているのね。
そして、かをるは一見従順そうだけど意志が強いところがあるのもお見通しか。

さらに心に刺さったのは、律子さんの表情。
一見クールだけど、ひどく寂しげに見えた。

律子は水橋の元に行けない自分を責めているのだろうなあ。
律子さん、自分はかをるみたいに強くなれないと思っているのかも。
自分こそ最後は入兆を捨てられないと予感しているのかもしれない。

だからこそ、かをるを焚き付けているかもしれない。
自分を犠牲にしてでも、かをるの背中を押そうとしているのかも…。

 

本日のシーンを交錯してのセリフが絶妙

そして今日、もうひとつ痺れちゃったのは今日のシーンを交錯してのセリフ構成。
律子のシーンとかをるの見合いのシーン、シーンとシーンを交錯しながら、かをるの人間像をセリフで表現していきますが、それが何とも思わせぶりで。
普通のやり取りに見えて、全体で俯瞰してみると何とも暗示的でミステリアス!

律子がかをるのことを「海底火山だ」と言ったシーンの次に、見合いのシーンが来ます。
お見合いの仲人さん、久兵衛が時代遅れと言われようとも入兆では天然醸造にこだわっていると説いていることにかけて、かをるのキャラを評します。
「そういえば お嬢さんは天然醸造の趣がありますなあ。添加物無しでスクスクと育ったんでしょう」
“添加物無し”、というと、一見純粋無垢でキレイで素直なイメージがありますが…。
でも天然醸造って中で沸々と活発に発酵してるじゃんか!
扱い間違うと爆発か!?
なるほど海底火山と重ねてる!

大人たち、かをるを侮るんじゃないよ…!!爆

すごーい皮肉!
しかも構成面白い。
容赦ないわ!
スキがないわ!
ジェームス、すごいぞ!ジェームス!!!