【『澪つくし』感想】第21話 かをるの誕生日サプライズパーティ!

【澪つくし】第21話感想

ツエが千代のお世話担当に!深刻なツエ不足解消!

ハマーと大げんかしたるいさんの代わりに、ツエさんが千代さん付き女中として入兆に通うことになりました!

よかった。
おかげ様で、深刻なツエ不足が解消できそうですわwww

かをるが入兆に入ってしまってからの心残りは唯一ツエさんだったから!
ツエさんをもう見られないのか…ってことが唯一残念なところだったので、
今回ツエさんの出番復活が本当に嬉しいー。

先週土曜に、由岐とみずえが古川家に挨拶に行ったことで、久々にツエさんに会えたのは嬉しかったけど、同時に重度のツエさんロスに陥っていることも自覚したところでしたしねー。

久兵衛さん、ナイス人事!
ということは、ジェームス三木ナイス!
ツエさんをるいさんの代わりに千代さんの看病役に移動させるとは!
なかなかのアイデア!

ツエさんのコミカルさは、かをるやるいだけでなく見ているこっちにも癒しになってます。

『おしん』ほどではないけれど、ハマーのかをるいじめがあり、千代さんとるいさんのビミョーな関係あり、律子さんの秘密あり、そしてこれからクローズアップされていくかをると惣吉さんの禁じられた恋あり…と、緊張感ある内容がてんこ盛りだから、その中でツエさんのあっけらかーんとした笑いやボケが入るとホッとする。
あのケラケラ…とした笑い声聞いてると朝から楽しい気分になるし。
ただ明るいだけじゃなくて、優しい気遣いがほっこりするし。

ロミオとジュリエットではジュリエットの乳母が二人の仲を取り持ってくれました。
ツエさんが入兆に出入りするようになるってことは、ツエさんもジュリエットの乳母よろしくかをると惣吉の仲をサポートするキーマンになるということかしらね?
英一郎と共に。

いずれにせよ、これで毎日のようにツエさんに会えるインフラは整ったわ~!
満足、満足。

 

全国的な不景気。入兆には不穏な空気…

先日、久兵衛さんは従業員たちに、
「日本の人口は増えているし、醤油は生活必需品だから他の業種が潰れても大丈夫!」
と心強いスピーチをしていましたが、
どうも、そうでもないみたい…。

確かに、他業種に比べたら生活必需品であるお醤油は全く売れなくなるってことはないだろうけれど。
そうやって油断していると高級品が全然売れない…という形でジワジワ打撃が!
利益率は激減だあ!

ここまでは第一次世界大戦後の好景気だった分、その反動はすごいんだろうなあ。

しかも樽屋の清次伯父さんが、るいとハマーのケンカの件で久兵衛さんが怒ったせいで注文が無いんじゃないかって心配になるくらいに注文が入らないと、要はゼロだよね、具体的に示されるので非常に現実味ある。
経済の流れが段々とでも確実に停滞している様子、しかも当人たちは不安に思いながらもまだ絶望的になるとは思いもよらないところで確実に忍び寄ってくる感じが…怖い。

この、まだ皆が気付かないうちにジワジワと忍び寄ってくる感じ。
まさにバブル時代と重なります。

澪つくし放映は1985年放映。
バブル前夜だったにも関わらず、この時代を舞台に描いたとは何か暗示的な。
橋田寿賀子も、経済が上向き調子で浮かれていた日本、物欲的になってきた当時の日本社会に問題提起をする気持ちで『おしん』を書いたと言っていました。
ジェームス三木も似たような思いから大正~昭和を取り扱ったのかもしれませんね。

久兵衛さん、
「そのうち、ええこともあるわい!」
と笑ってましたが…これから悪化の一途をたどるしかないのよね…。

 

水橋の洗脳活動は進行中

水橋は『何が彼女をそうさせたか?』について小浜に感想を聞いて、洗脳活動。
誰もが自由と平等を享受するべきだと。
このままでは金持ちは増長するだけ。
貧乏人は団結しないといけないと。

浩太と同じ。

しかし水橋は、露骨だな。
とうとうと語り始めちゃうところが正直すぎる。
無防備過ぎる。
案の定神山さんに勘繰られ始めたし。
そんなところを見ると、彼もお育ちの良いお坊ちゃまの類かも。
律子さんと同類ってことか…。

マルクスボーイ、当時はそういう言われ方してたんだー。

「人間は誰もが平等」
殆どの奉公人は、水橋の話に「コイツ変なこと言ってる」って反応になってました。
コレが令和の今を生きる人間としてはビックリ!
そうか、たとえ虐げられている側でも、当時はそれを不当なことだとは思いもよらなかったのねと新発見。
幼い頃からそれが常識だと何にも疑問にもたず受け入れてしまうんだと。
教育って大切なんだとあらためて。

そんな中での当時のマルクス主義、ハイカラな人が食いつくのは分かる。
ってか普通の庶民では理解不能レベルの新しい考えだったのね。
“自由”も“平等”も、とてつもなく新しくて何のこと言ってるか分からん!=危険と。
で実際ロシア革命も起こっちゃったワケだし。

頭の神山さんが
「労働組合でも作ろうってんじゃあ、あんめえな?」
と水橋に突っ込んできました。
労働組合。
今なら、全然おかしくないこと。
むしろ真っ当なことことなのに、労働組合=危険なことだったのね。
今なら労働組合の長として取りまとめ役になるはずの神山さんがそんなことを言ってしまう皮肉。

同時に、このやりとりを見て、当時のアカの活動内容は、
今にしてみれば当たり前のことでしかなかったのかも…とも。
確かに、マルクス主義そのものは、平和主義と聞きますからね。

時代時代の大衆の価値観、教養レベルで、思想の評価も随分と変わるものなのかも…と考えさせられます。

そして今日もさんまはモブだったな。

 

サプライズでかをるのお誕生パーティ!

で、今日のラストは、かをるのお誕生パーティ!

急に久兵衛さんに呼ばれて、何か怒られる?るいさんのこと?ツエのこと?律子さんのことがバレた?
と不安な気持ちで久兵衛の元へ向かったかをる。
扉を開ける前に、ぬかみその匂い大丈夫かしら?
って手の臭いを確認するしぐさがすごく可愛い!

緊張しながら障子を開けると坂東家が勢ぞろい!
るいさんも。
ツエも!
かをるのお誕生日のサプライズパーティでしたっ!

当時、年齢は数え年だったから誕生日は別に祝わなかったと思ってた。
坂東家のような裕福な家はそうでもなかったのかな。
障子を開けた途端、それぞれラッパ、鐘、太鼓とドンチャン鳴らしてましたが…何コレ、今ならクラッカーってこと!(笑)

扉を開けた途端ビックリしたかをる。
沢口靖子さんのビックリが、すごくフレッシュで可愛い!
そして自分のお誕生祝いと聞いて、じんわり涙を浮かべて…。
こっちも涙出ちゃいます~。
いじらしくて何とも可愛らしい。

もしかして、これ劇中だけでなく、実際もサプライズだったのでは?
こんなお祝いまでするとは沢口さんは聞かされていなくて。
初めての主演で緊張ガチガチで頑張っている沢口さんへの労いとか。

沢口さんの表情は、そんな感じにリアル?演技?と見分けがつかないフレッシュさがあって本当にいいなあ~と思う。

ハマーのしつこいいじめシーンも、これで終了。
あーよかった…。
しかし、ハマーのあの性格なら、今後も何かしら横やり入れて来るんだろうなあ!
…ハッ!
かをると惣吉さんの仲に気付いて、邪魔したり、それを利用して陥れようとしたり!?
味方にツエさん投入も、ハマーが障壁に!?
女中の間でも敵対関係が…!

律子さんは危険な恋をしているし、
水橋は水面下で洗脳を進めているし、
千代さんも何考えてるか分からんし…。

入兆の中だけでも、それぞれの立場で、それぞれの思惑の人間がひしめいていて、これから誰と誰がどうぶつかって化学変化を起こして行くのか、予測不能で見逃せませんー!