【『澪つくし』感想ネタバレ】第20話 栄一郎、かをるが恋愛してると律子にバラす

【澪つくし】第20話 あらすじネタバレ

るいとハマの衝突は入兆に波紋を起こした。
るいは千代の看病を辞退。
翌日からるいは入り兆に来なくなった。

るいが去った後、千代の看病をハマは買って出たが、
久兵衛はケンカ両成敗だとハマを千代の担当にすることを許さず。
ショックを受けたハマは暇をいただきたい、紀州に帰りたいと言い出すが
そこは久兵衛、ハマは入兆の柱だとハマへの信頼には変わりが無いこと伝え、
ハマの動揺を静めた。

 

律子は、新聞を広敷に持って行くようにかをるに頼む。
かをるは、これが律子の恋人に渡す「情報」なのだと分かっていた。
また、今夜も土蔵で待っているとの律子からの暗号かもとも。

 

その日の午後、久兵衛の妹で高神村の村長の妻、名取ぎんがやってきた。
ぎんは律子と山久の息子との見合いを仲介。
しかし律子は一向に乗り気でない。
久兵衛は
「大学まで出て一体何を勉強してきたんや!」
と逆らう律子に激怒。
ぎんが律子に好きな人がいるのでは?と質問するが、律子ははぐらかす。
律子の意志とは関係なく見合いを決行することに。

さらに久兵衛は、ぎんにかをるの見合話も依頼。

久兵衛はぎんに、かをるの結婚相手には、醤油屋が一番いいとリクエスト。
または地主の旧家。
ただし資本家に限る。
政治家は今後はキレイ事では済まされないだろうと絶対NG。

 

広敷では、小浜が新聞を手に取った。
新聞一面には田中義一政友会内閣成立し若槻内閣が終わったという記事が。

政治を知るのは大事と言う小浜に対し、赤川は誰が総理になろうが自分たちの給料は変わらないと無関心。
そこに水橋が加わり、国民のことを真剣に考える人間が政治家になれば世の中は変わると啓蒙活動。
小浜を始めとする奉公人たちは、水橋の話に興味を持って寄ってくる。

さらに水橋はその晩、小浜に本を読まないかと
東京の築地小劇場で大評判になっている芝居『何が彼女をそうさせたか?』を手渡す。

 

かをるは律子、英一郎とトランプ遊び。

英一郎は、三人共爪の形が一緒ということから、
かをると律子が、性格は正反対だが驚くほどそっくりだと言い出した。
律子がかをると正反対に感じるところを
「私は恋愛向きで、かをるさんはお見合い向き」
と言ったところで、英一郎は、
「そんなことないよ」
とかをるが恋愛中であることを暴露。
かをるは動揺し赤面。

かをるは後で、英一郎に、恋愛中と言った事を咎めた。
英一郎は、吉武もそう言ってたし、なんかそんな気がしたからと。

かをるは、恋する思いがせつないほど表に現れてしまうことを思い知った。
しかし、かをると惣吉が結ばれることは絶望的。
律子も水橋とは絶望的だろう。
かをるは律子にある種の共感を覚えた。

 

【澪つくし】第20話 感想

 

ハマー、久兵衛に怒られる!

ハマー、お手付きじゃなかった。よかった。ホッ。
久兵衛さん、面食いだし。
ハマーは見るだけで病人によくないとかメチャクチャ言ってたくらいだから、それは無いよね。

ハマさん、るいさんに産んだかどうかの違いだけで同じ小間使いと言ってましたが、
それでこっちもくやしいーーーい!ってなっちゃったけど、
冷静になってみたら違った。
るいさんの方が圧倒的に美しい!
るいさんの完全勝利だったのよねー。

ハマの件のような、こうった意地悪シーン、
昭和の朝ドラでは定番、
おかげで人間関係がよく分ったけど、
もうそろそろお腹いっぱいかなあ。
これずっとやられるとキツイな…と
段々と気が重くなってきていたところでしたが
ナイスなタイミングで
るいさん激おこ!で退散させて締めくくり!

よかったーくどくなくて。
引き際わきまえてますね、ジェームス。

 

 

律子の見合い

律子の叔母様役は…わー!!懐かしい!!!!
名前は全然思い出せなかったけど、
咄嗟に「味の素!!」っと。

咄嗟に「味の素!」って出たけど、
具体的にどんなCMだったかもおぼろげ過ぎてよく覚えてない。
自分自身そんなことが記憶に残っていたこと事態もビックリで。
なのに、反射的に「味の素!」とつながって出た。
自分の脳の深層の記憶力にビックリ。
そのくらい、味の素のCMで焼きついている女優さん!
三ツ矢歌子さんでした。
2004年にお亡くなりになっていらっしゃいました。

でこの三ツ矢歌子さんが見合いババア。
一度会って見ればいい、きっと好きになると言うのに対して
律子さんはのらりくらりしながら、見合いは拒絶。
一度会って見れば、きっと好きになる、という大人たち。
うんうん!
今の私もそう思うー。
生まれ育ちが似ている上に洋行帰り。
新しい物好きの律子さんにピッタリ。
なのにねえ。
変な方向に新しい物好きだから…。

久兵衛さん、律子の態度に
「大学に行って何を勉強してきたんだ!」
とプンプンしてましたが
アカになちゃったんだよぉ~と教えてやりたくなったよ笑

アカに思い入れてる、
水橋に恋してる、
自由な生き方を追求したい律子さんにとっては、
叔母さんの「体面が」、「立場が…」、「気まずい」などのワードの数々
一層がウザくてたまらないだろうなあ!
同時に、自分はそこからは抜けられないかもという恐怖もあるだろうし…。

そんな言葉を流暢なセリフで律子さんに次々と浴びせかけるジェームス。
容赦なくていいわあ…!

水橋は広敷で啓蒙活動

入兆の従業員たちは、字は一応読めるみたいですね。
おしんの時代は明治だったから、学校にも行けず識字率は低かった。
おしんは大奥様に見込んで貰えたから奉公人でも字が読めるようになりましたが、
昭和元年の入兆では、字が読める読めないレベルの話しは無い。
おしんから50年弱?進化しましたねー。

でもまだこの頃は、字が読めるだけで満足。
世の中のことを知る必要性は感じてなかったんだなあ~と実感。
そうよ、テレビもラジオも無かったし、
自分で新聞を買って積極的に求めて行かないと政治の動きなんて全く分からないという状態だったのね…。
そんなことできるのは、裕福な人間しかいない。

で、水橋、律子さんにリクエストして新聞を入れて貰ってましたが、
自分が読むだけでなく皆にも政治の知識を広めるつもりなんだ。
こういう方法で、水面下で仲間を増やして行ったんだ…全然知らなかった。

『何が彼女をそうさせたか?』という芝居、ウィキペディアによると藤森成吉の戯曲のようです。1927年上演。
恵まれない境遇に生まれた主人公が、その境遇からどんどん不幸のスパイラルにハマって行くって話らしい。

この時代の空気を感じ取っているからこそ?
なんか、すごい緻密でリアルだなあと。

 

英一郎、律子にかをるが恋愛中とバラす

兄妹3人でトランプ。
カルタじゃなくてトランプというのがハイカラでいいですねえ。

神経衰弱しながらの爪の形が似ているという流れが、何とも兄妹話らしい。
リアルで微笑ましい。
で、そこからのかをると律子がそっくりなところ、正反対なところの話題。
律子の
「私は恋愛向きで、かをるさんはお見合い向き」
というと、
「そんなことないよ!かをる姉さんかて恋愛中や」
って爆弾発言!!!

英一郎は15歳、中学生だもん。
まだまだ子供なんだもんね。
中学生のあっけらかーんとした恋バナのつもりで
真剣に恋している子をからかっちゃう感じ。
あるあるだわー。
かをるは見合い結婚するために入兆に引き取られてきたのに
そんなことタブーなはずなのに、
そことここが結びつかないで平気で言っちゃう感じが
いかにも子供で。
すごいリアリティ。
久兵衛さんの前で言われなかったのがせめてもの救いだわー笑

でも、律子さん気付いちゃいました。
律子さんは、きっとかをるを焚きつけるんだろうなあ。
応援もしてくれるだろうけど。

かをると律子さんは、お互いの恋愛を応援し合う関係になるんだろうなあ。

 

かをるだけでなく、かをるを取り巻く人間たち、一人一人のストーリーが本当に興味深い。
さすがジェームス三木!
明日も楽しみです。

 

 

『澪つくし』 第20話
作 ジェームス三木

音楽 池辺晋一郎

【出演】

古川かをる…沢口靖子

坂東律子…桜田淳子

梅木健作…柴田恭兵

神山平六…牟田悌三

坂東千代…岩本多代
坂東英一郎…鷲生功

水橋信吾…寺泉哲章
小浜敬助…村田雄浩

名取ぎん…三ツ矢歌子

猪熊…高野嗣郎
赤川…吉村直
今西…加藤善博
早苗…速川明子
殿岡…重松収
みね…七瀬けい子

古川るい…加賀まりこ

坂東久兵衛…津川雅彦