【澪つくし】第19話 あらすじネタバレ
夜中、裏庭から聞こえる捨て猫の鳴き声で眠れないかをる。
猫を捜しに裏庭に出ると、律子と従業員の水橋が暗闇の中で抱擁を交わしているのを目撃してしまう。
水橋は、東京では公安が動いていて危ない、尾行を巻いて電車に飛び乗った…などど何やら怪しい会話。
生まれて初めて目撃した男女の抱擁と接吻、そしてただならぬ背景があそうな水橋への恐怖感で、かをるの呼吸は乱れ、動悸がいつまでも静まらなかった。
次の朝、かをるが裏庭に出ると、久兵衛が体操をしている。
昨晩のことは全く気付いていない様子だ。
律子も水橋も、それぞれの場所で平然と朝を迎えている。
かをるは自分は夢を見ていたのではないかとさえ思った。
掃除をしているとるいが来て師範学校に入学するみずえが家に挨拶に来た伝えた。
みずえはが今日千葉に出発するという。
またすぐに会えるからとるいに励まされるも、
かをるはじっとしていられなくなり、銚子駅に向かった。
10年間机を並べた親友のみずえには、励ましの言葉をかけてあげたい!
かをるはギリギリで間に合い、みずえに別れの挨拶ができた。
入兆に戻ると、ハマが待ち構えていた。
ハマはかをるが誰にも言わずに無断で出て行ったこと、しかも女中姿のままで出かけたこときつく叱責。
だらしのない女、無節操だなどと酷い言葉を浴びせられ、しまいにかをるは泣き出してしまった。
そこに食器を下げに来たるいが通りかかる。
るいは、自分からもよく言って聞かせるから勘弁して欲しいと頭を深く下げ謝罪したが
ハマはそうは行かないと。
ハマの態度にカチンと来たるいは、
ハマは躾にかこつけてかをるを事いじめているだけだ
千代の世話を取られた当てつけにかをるをいじめているのだとハマを攻撃。
るいとハマ、売り言葉に買い言葉の応酬。
るいはハマに大きな顔をしているがただの女中頭に過ぎないと言うと、
ハマはるいも女中だったから同じだ、久兵衛の子を産んだかどうかだけの違いだとるいを侮辱。
堪忍袋のキレたるいが飛びかかろうとしたところをとっさにかをるが制止。
るいは怒りで震えが止まらない。
ハマは冷酷な表情のままその場を立ち去った。
【澪つくし】第19話 感想
今日は大きなトピックが二つありました~。
律子と水橋の逢瀬、朝から濃いっ!
猫の声が気になって…と
小道具に猫を使ってかをるをおびき寄せてからの
律子と水橋の抱擁シーン!
朝から!
しかも月曜っすよっ!!
休み明けの、お仕事始まりますよー今週も頑張りましょーの月曜朝よっ!?
昼メロまで待てない!?
昭和って実は今よりも大胆だったのね。
昭和のNHK、しかも朝ドラって、
すんごい真面目なイメージしかなかったのですが、
それは自分の勝手な思い込みでしかなかったのね…。
確かに映像倫理の規定は今の方が厳しくなっているだろうけど、
そういう問題じゃなくてさ!
昭和の日本人、真面目だと思ってたから、かなりビックリ。
しかも、夜の家の裏庭でコッソリというシチュエーションが艶かしく!
そして目撃しちゃってビックリのかをるのナレーションがまた!
「生まれて初めて目撃した男女の抱擁と接吻…」
「生まれて初めて」、「抱擁と接吻」
…お、お…ぅ…。
艶かしさ、増し増しだあ!
さすがジェームス三木。
で、いつもの入兆の朝の光景とのコントラストが!
さらに艶かしさを際立たせます。
二人の逢瀬の、あの同じ場所、裏庭で
久兵衛は朝日を浴びて元気に体操。
体操しながら、かをるの挨拶に「おはヨイショ♪」で返す。
優しいお父さんの顔で。
そんな温かそうなファミリーの場であんなことが…!!
まんまのシーンは一回だけなのに、
かえって強烈に印象付く!
ジェームス三木、すごぉい!
広敷ではいつもの朝が始まって
さんまはバカ言いながらご飯食べてるし。
その中のモブの一人として水橋は静かにご飯を食べる。
さんま、今日はケンカしなかったけど相変わらずストーリーには絡まず、お笑い要員。
律子も家族と平然とご飯食べてるし。
いつものプライドの高い気難しいお嬢様の顔をして。
久兵衛さんはお父さんとして娘に説教しながらの
家族の会話をして…。
どこにもありそうな家族の、静かで平和な朝の光景のはずなのに。
あの光景がこちらにもチラついて。
あらゆる角度から、
あの夜の出来事を見ている側にも念押し…!!
さらに主人公かをるだけが見たということで
かをるだけが秘密を知っているという重苦しさでとどめを差してくるー。
普通の家族なのに、
久兵衛には妾がいるし、
千代さんはるいに一物持っているし、
律子は水橋と…。
それぞれに暗い秘密を抱いていて…。
いいなあ、ミステリアスでゾクゾクする。
こういう家族の中にあるサスペンスを描くドラマ、
向田邦子さんのドラマもそんな感じで面白かったなあ。
まだ子供だったからよく意味分かってなかったと思うんだけど、
昭和の慎ましやかで品のある佇まい
日常的なあっけらかんとした会話が進む一方で
家族の秘密やドロドロした現実が横たわっていて…
なんか、独特な怖さを感じていたなあ。
面白さに気付いたのは大人になってからでした。
こういうゾクゾク、昭和のこの頃の流行り?
特有な気がします。
最近はこういう感じ、あまり見られないなあと。
こういうの、すごく好き。
律子さんの彼氏の水橋は、見るからに情けないタイプだなあ…汗。
やはりこの人も「おしん」の浩太と同じく、
律子さんを利用してるんだろうなあ。
浩太さんにはゾクゾク惹かれるものがあったけど
今回は一発で、こいつヤバい!と思ってしまった。
ナナコロビヤオキは渡瀬恒彦って若い時すごーくイケメンだったのねっ!!って
去年おしんを見て初めて渡瀬恒彦に惚れちゃったので、そのせい?
お加代様が入れ込んじゃう気持ちがすごーーくよく分かりました。
これは個人的にひいき目になっちゃってるからか?
…でも、きっと違う。
水橋の場合は、
律子が、「何でも協力する」って言うと、
「情報が欲しい」とか即リクエストしてるもんね!
本当に律子のこと好きだったら、
最終的に利用することになるとしても
一度くらいは「君を危険にさらすことはできない」
くらい言え!っと思うんだけど。
それに対して浩太さんは、「付いてきちゃいけない」みたいなこと言ってたもんね。
水橋と浩太はそういう違いがあるのかー。
律子さん、お加代様よりも後の時代の人でより自由に飛び出して行く分、
恋で破滅していくパターンなのね、きっと。
お加代様は自由になりたくて出て行ったけど、
自由を諦めて一見安全と思った道が仇になった。
それとは逆で愛に突進して…。
メインテーマはラブストーリーだし、かをるとの対比として。
律子さんは、逃げる彼を助けるってことで、
自分も革命に参加してる気分になって酔い知れてしまっているのでしょうね。
見聞広く、リベラルな考えをお持ちだけど、まだまだ思考と行動がアンバランスで。
いかにも当時のインテリ若者。
残念ながら結局は世間知らずのお嬢様。
「新しい女」とか意気込みは凄いけど、結局は利用されるだけの女っていうのが、
この時代のオチ。
この時代の哀しさですね…。
当時の新しい考えを持つ女性に呆れてるのではなく、
女性として共感し、
なんともせつなく悔しく思います。
…となると、久兵衛さんが律子と水橋のことを知ったらどうなる?
今日の「おはヨイショ!」がとっても可愛かったから、
娘のことを知ったらお父さん、どんなに怒るか、悲しむか…と
心配で仕方が無いわー。
久兵衛さんの、父親としの可愛い姿も見せてくれて、こっちのハートをしっかり掴む。
ジェームス、抜け目ないわ。
ジェームス…
るいとハマーのケンカ!緊張感がスゴイ!
今日の後半のハイライトはるいさんとハマーのケンカ!
すごい勢い!
聞いてて「もうやめてーーーっ!」って本気で怖くなっちゃいました!
ハマー、かをるを攻めるときは本当に怖いし、
るいさんと口論する時は、
次から次へと口が減らずで…
見ていて心底憎らしくなってくる!
本当の女同士のケンカを見てるようで身につまされるー。
お互いスゴイ剣幕で、
いやあ~この緊張感出せるってすごいわあ!と感動。
ちなみに、ハマーは、
るいさんも自分と同じ小間使いって言ってました!
悔しーい!!
子供を産んだか産まなかったかの違いしかないとマウント。
小間使いとしたら、女中頭の自分の方が上とマウント。
子供を産んだからるいさんが逆転勝利しただけど言いたい。
もう、細々とマウント大変だぁ!
しかし、「子どもを産んだかどうかの違い」っていうことは、
…もしや、ハマーもお手付きだったか?
いやそれは…いやさすがに勘繰り過ぎでしょ…??
ああ!怖いよジェームス!!
本日の沢口靖子さんの棒は。驚き&怒りのダブル棒
今日面白かった沢口靖子さんの棒は、
- 律子さんの逢瀬を目撃した後茫然と歩いているところ
- ハマさんに図々しいと攻められて「図々しい事?」ってさすがに怒って言うところー笑
目撃後、茫然と歩く、歩き方がズンッ、ズンッて一歩一歩歩いてゾンビみたい笑
茫然とした演技の歩き方を一生懸命練習しました~っていうのがいかにも。
でもその棒っぷりが、中の人自身も初めて見ちゃってショック受けてるのではないかという程のリアルさがあるwww
そして、「図々しい事!?」は、
独特の気持ちが入ってるんだか入ってないんだか分からない雰囲気の言い方ですが
この感じは沢口靖子さん独特の言い方でもある。
今でも残ってると思う。
でもこれが、なんか独特のチャーミングさがあるわ。不思議。
でこの言い方も、棒だけど、ハマさんに対して常に最高潮に緊張しているから、
その中で精一杯出た一言だから、
棒っぽい言い方になっちゃうものかも…
なんてかえってリアルさを感じてしまう力がある。
ハマさんと、るいさんが、かをるのセリフや動きの後に、
上手にセリフを被せているのが絶妙だから
また特に自然に見えていい感じになっていると思う。
加賀まりこさん、根岸季衣さんの棒の活かし方、一流だなと感心します。
作 ジェームス三木
音楽 池辺晋一郎
演奏 東京コンサーツ
【出演】
古川かをる…沢口靖子
坂東律子…桜田淳子
若林ハマ…根岸季衣
弥太郎…明石家さんま
神山平六…牟田悌三
坂東千代…岩本多代
水橋信吾…寺泉哲章
坂東英一郎…鷲生功
三島由岐…高橋珠美子
瀬田みずえ…香川三千
小浜…村田雄浩
竹田…葛西和雄
赤川…吉村直
殿岡…重松収
豊子…麻ミナ
駅員…加世幸一
みずえの父…入江英義
みずえの母…鳥居みえ子
渡辺寛子
寺川理佐子
広田直美
劇団ひまわり
鳳プロ
古川るい…加賀まりこ
坂東久兵衛…津川雅彦