【『澪つくし』感想・ネタバレ】第2話(第1週) かおるは妾の子!

【澪つくし】第2話 あらすじネタバレ

 

自分がモデルになった絵を買ったのは、浜辺で会った青年だったと聞き胸をときめかせるかをる。

かをるは、その青年の名を沖田に聞きたいと思うが、どうしても聴けずにいた。

 

モデルになった絵が売れたことを母るいと小間使いのツエに話すと、
購入したのは自分の家の船が描かれていたからだろうと軽く言われてしまい、
かおるの気持ちはしぼんでしまう。

 

ある日、下校中かをるの友人に海に行かないかと言われ、
かをるは、あの漁師の青年と会った外川の海に行こうと提案。

しかし青年に会うことはできなかった。

 

帰宅すると父・坂東久兵衛の車が。

 

気まぐれにやってきては、かをるの機嫌を取る父。
母が妾の立場であるということは知っているが、かをるは最近は父のことをうっとおしく思っていた。
かをるは家には入らず時間を潰しに神社へ。

 

神社で一人でいるかをるを見つけた警官は、制服のまま女学生がいるのはおかしいとかをるを駐在所に連行し、かおるを自宅に案内させる。

 

警官に話を聞いた母・るいは何も証拠が無いのかをるを補導したことと警官の横柄な態度に怒り心頭。
出すつもりはなかったが、かをるの父の名を出すことに。

 

かをるの父が入兆の当主・久兵衛であると知った警官の態度は一変。事無きを得た。

 

今日めずらしく久兵衛が来ていた理由は、かをるに用があったから。
久兵衛はかをるが女学校を卒業したら正式に認知し、入兆の娘として嫁入りさせたいという。

るいは大喜びだが、かをるは自分の人生を勝手に決められたくないと不愉快に思っていた。

 

 

【澪つくし】第2話 感想

見てしまって一週間経ってから感想を書こうと思い付いたので細かいところは記憶が曖昧ですが…

 

第2話目も恋のポエムから

第2話目も、第1話冒頭のポエムから始まりました。

これは熱烈な恋愛がテーマなんでっすぉーというアピールですね~。

あんまり最近こういったポエムで始まることって無いと思いますが
徹底的にイメージ刷り込んでくれる感じが
ナイスな設計かと。

こっちも覚悟してよーっし見るぞっ!とエネルギー与えて貰える。

 

 

1話目の口でトゲ抜きのインパクトがスゴイ

直接につけてトゲを取った漁師の青年のインパクトはすごいー。

すごいけど、
乙女のかをるにはすごくインパクトあって、
イケメンだし
恋をしてしまうには十分。

そしてこのキョーレツさは見ている側の心にも完全に刺さる。

青年の存在を焼き付けるには十分すぎる。
濃いけどホント、心惹かれるエピソードですね。
川野太郎さん、イケメンだしその大胆さもキレイに見えるし。

 

それにときめいているのが、清らかな美しさの沢口靖子さんだから。
そこら辺の男女がやったらウギャーー!だけどさ。

この二人がやると、淡く切ない美しいエピソードになる。

 

 

外川の海に行こう かをるの乙女な思いに胸キュン

かをると仲良しの由岐とみずえと外川の海に遊びに行きますが、

「帰りに海に行かない?」
と言われると、すかさずかをるは
「外川まで行かない?」
と提案。

なんか、こういったさりげない感じに
かをるの恋心が感じられてじーーんと来てしまいます。

そんなことがあったとは
自分からはなかなか言えないけど
でも、会いたいと、頭の中では彼のことで一杯。

海に行くなら、じゃあ外川なら彼にまた会えるかも…と。

自然な流れだけど、
「外川まで行ってみない?」
と提案するかをるの気持ちが健気で切なくて…。

 

妾の娘という設定

るいさんは妾の存在。

でもただのお妾さんじゃないのねー。

 

かをるの父・久兵衛は銚子では有数の醤油の蔵元の当主。
ということは大の資産家。
町の有力者。

この大正の時代、
妾を持つことも男の甲斐性と言われていた時代だし、
ただのだらしない不誠実な男とは取られなかったのね。

ましてや入兆の旦那様。

お妾さんもステイタスなんだー。

加賀まりこさんがやってるから
お妾さんといっても、ただの日蔭者じゃあないよねな感じが
よく伝わるー。
どちらかというと、第二夫人って感じ何だろうねえ~。

銚子の醤油の町というコミュニティもあるだろうけど
こういう人のお妾さんだと
社会的にもそれなりに信用ある状態だったんだろうなあと
今とは違う感覚だけど
当時の価値観を理解することができる。

それが、かをるの身元を警察に聞かれてのエピソードで全て分かるもんね。
るいさんの性格そのものもサバサバしてて、旦那を頼りにしないきっぷの良さも。

 

時代がかったナレーションだけど

 

第1話冒頭からの昭和コテコテなナレーションには時代がかってるなあ~とビックリしました。

そして最近のドラマよりは、説明ナレーション多め。
でも違和感なく説明過ぎではなく。

ジェームス三木さんさすが素晴らしい。

 

ところで、
この説明ナレ多めといい、冒頭のポエムといい
ざーとらしい程時代がかってる感がありますが、
最初ひゃーっとちょっと恥ずかしいかなあと思ってたけどそこにも意図があると分かってきました。

この話は時代が昭和元年がスタート。
ということは…
大正デモクラシーよ。
日本の近代文学よ。

夏目漱石、武者小路実篤、有島武郎の時代。

それでなるほどと思ったのですが
こっ恥ずかしい程の熱烈なポエムや
ベタなナレーション、
そして口でトゲ抜きエピソードのインパクトは、
近代文学の純愛物にイメージが重なります。

なるほど!
ジェームス三木さんは
近代文学の世界をまるっと映像で表現しようとしてるんだあ!と納得。

ということで
1985年当時みていた視聴者も
近代文学の空気を懐かしみながら楽しんでいたんだなあ~と。

そう考えると
ベタなポエムもナレーションも、口トゲも
全て狙ってるんだぁ!と
その世界観の作り込み方に納得&感心してしまうのでした。

ということは
あの純文学の世界には
沢口靖子さんの清らかな美しさがピッタリなのよね~ともウットリしてしまいます。