【映画『探偵物語』感想】薬師丸ひろ子と松田優作の年齢差・身長差ディープキスが衝撃的なザ・昭和映画

『探偵物語』は当時夢中になった映画でした

 

先日BSプレミアムのBSシネマで『探偵物語』を放映していました。

 

これ1983年の上映だったんですね~。
当時ナナコロビヤオキは高校1年生だったんだなあ。

 

角川映画は当時全盛期。
薬師丸ひろ子、原田知世、渡辺典子が角川三人娘として一世を風靡していました。

この角川三人娘は、活動のメインは映画で
映画の主演を演じ、その映画のテーマ曲を歌うというのが定番。

今で言うメディアミックスの走りだったってことですね~。

彼女たちは、いわゆる「アイドル」として水泳大会とか運動会とか
テレビで消費されることはありませんでした。

 

水着姿なんて皆無だし(あったかもしれないけど、記憶に全く無いくらい)、
彼女たちにお目にかかれるとしたら映画館に主演映画を観に行くか、
映画上映中テーマ曲がヒットチャートに当然ながらランクインするので
そうするとベストテンやら夜ヒットで歌う姿を拝めるといった感じで。
でまた歌声も素晴らしくて美しくいわゆるアイドルとは別格。

とても希少価値なイメージでした。

ファッションも控えめなコンサバお嬢様ジャンル。

当時テレビでは聖子ちゃんがトップアイドルとして揺るぎない地位を築いていた頃ですが、
聖子ちゃんといえば、あのヘルメットみたいな聖子ちゃんカットに、
エリマキトカゲみたいなでっかーいレース襟のひらひらワンピースがテッパン。
聖子に追随して他のアイドルもひらしていましたが、

彼女たちはそれとは違って控えめで上品なイメージで。

 

かつての「銀幕のスター」のイメージを追究していたのでしょうね。

 

こうやって考えると、角川三人娘は、完全にテレビのアイドルとは”一線を画す”という心づもりでトータルコーディネートしていたんだなあ。

 

で、この大事に大事に育てられた薬師丸ひろ子が大学受験のために1年芸能活動を休業した後の復帰作品がこの『探偵物語』でした。

大学受験のために芸能活動お休みっていうのも、すごーーーく希少価値なイメージでしたなあ。

きちんとお勉強も両立してます。
大学でお勉強もしたいインテリなんですーって印象で日本中の親にも最高に受けが良く。

 

当時ナナコロビヤオキは聖子ちゃんなんかより薬師丸ひろ子の方が断然好きでしたが、
すっかり角川商法にやられてたんだなあ~笑

なので、この「探偵物語」は友達と張り切って見に行きました。
夏休み映画だったから、夏休み始まって即行で行ったのを覚えてます!

そして薬師丸ひろ子の可愛らしさと、松田優作の大人の男性の魅力、
ドラマの世界にうっとりして、
さらにテーマ曲の薬師丸ひろ子の声の透明感にうっとりして

もうすっかり入り込んだのを覚えてますー。

 

ナナコロビヤオキは地方出身ですが
地方かつ昭和のあの頃の映画館は指定席ではなく、
一回の上映で入替制でもなかったので、
2回か3回観た覚えがありますー。

「元を取ろう!」という下心も確かにありましたがね(笑)。

 

 

そんなにうっとりした『探偵物語』でしたが、
中身はすっかり忘れた。

ラストのキスシーンだけは強烈て、焼き付いていますが
ストーリーは全く。

ということで、懐かしさと、
「で、どんな話だった?」という思い
今でも面白く感じる?という興味とで
久々に拝見して見ました。

『探偵物語』あらすじ

新井直美(薬師丸ひろ子)は裕福な家のお嬢様女子大生。

一週間後には大学を休学し、父のいるアメリカに旅立つ予定。

 

旅立つ前にと憧れの永井先輩に誘われて海にデートするが、
夜ホテルでいい雰囲気になってきたところ、直美の叔父と名乗る見ず知らずの男が乱入。
おかげで永井は追い払われてしまう。

 

乱入した男は、辻山秀一(松田優作)。
直美の監視・ボディガードとして家政婦長谷沼に雇われた探偵だった。

 

アメリカに発つ前に自由を満喫したい直美は辻山の尾行に反発するが
辻山は「仕事だから」と直美から離れない。

 

ならばこっちも!と自宅に送り届けられた後、直美は辻山を逆に尾行。
すると辻山はショークラブの外できれいな女性と会っていた。

この女性は辻山の別れた妻幸子(秋川リサ)。

幸子はクラブオーナーで暴力団国崎組の組長の息子国崎と不倫関係にある。

ある晩、幸子は国崎とホテルに滞在していたが、
幸子が眠っている間、国崎が風呂場で何者かに殺害される。
幸子は国崎の殺害容疑を掛けられて、警察にも、国崎組にも行方を追われる身となる。

 

好奇心旺盛で行動的な直美は、辻山と幸子を自宅に匿い、
真犯人を探そうと自ら事件に突っ込んで行く…。

 

 

『探偵物語』感想

全然、記憶に無かったが…サスペンスもあったのね!

 

確かに確かに大好きだったよ薬師丸ひろ子!
そして『探偵物語』!

でも…内容全然覚えてなかった~!!!

 

ナナコロビヤオキの記憶としては、

  • 薬師丸ひろ子の家がとっても素敵な豪邸だったこと
  • 当時高校生のナナコロビヤオキにとって憧れの大学生ライフを送っていること
  • あのキスシーンが衝撃だったことが記憶に焼き付いてはいましたが、

事件があったとは、サスペンス部分があったとは全く記憶が無かったよ。

探偵物語なだけあって、探偵やってたのね~ひろ子さんが…笑

 

薬師丸ひろ子の屋根にのぼって窓から入る姿がキュート

 

まずはオープニングで薬師丸ひろ子は夜中に帰宅。

家政婦の長谷沼にバレないように、木をつたって屋根に上り窓から部屋に入る。

 

こういうノリって当時あったよな~と懐かしく思い出しました。

お嬢様は厳格に門限があって、
それを破るのがお約束でって。

ナナコロビヤオキも当時の若者だから女子は帰り時間を厳しく言われていたなあ。

 

その後大学生になり、学生寮に入ったのですが、学生寮には門限があります。
ナナコロビヤオキの寮はデフォルト9時だったかな。
それ以降は、事前に許可を取らない限り出入りは一切禁止。

ではありましたが~
ディスコが大好きな先輩が、門限後に窓から忍び込んでたことあったな~。
夜出て行ったのも見たことあります。
窓閉めてって頼まれたことあったー。

あーいった門限破りも、あの時代ならではか…。

あれは女性は清らかにあらねば…という押し付けに対して反発してたんだろうけど、
この薬師丸ひろ子の影響を受けてたのかも。

 

とにかく薬師丸ひろ子が、スルスルと木に登って窓から家に入る様子がなんだかコミカルでキュートで。

ナナコロビヤオキは当時高校一年生で、さすがにもう木登りとかしませんでしたが、
そんなことはまだまだ記憶に新しく。
なので奔放に窓から出入りしたりする姿は、冒険っぽくって「いいな!私もやりたい~」って魅力的でした。

しっかし薬師丸ひろ子、これのために懸垂とか筋トレとか、相当訓練した?
相当大変だよね、アレ。

あのときは「やりたい!やりたい~!」
としか思わなかったけど、
今50代のナナコロビヤオキは「よくできるな…すごい!」「ムリ!」としか思えず。

そこに自分の老化が見えたwww

 

昭和の景色が懐かしい…!

この薬師丸ひろ子演じる直美の自宅が田園調布の瀟洒な一軒屋。
お庭も広―い!

一体どちら様のお宅?今もまだあるのかしら??と興味津々。
ちょっとググってみましたが、さすがに誰の家かは分からず。
もう建て替えられてしまっているのかしら…。

ロケ地探訪したいわ…。

 

朝、直美は辻山に尾行されながら大学に向かいますが、

乗る電車は東横線。

東横線のきっぷ券売機、
まだ自動改札じゃない改札
駅のホーム、
ダイヤル式の公衆電話…

昭和の景色が次々と映し出されます。
確かにこんな感じだったー懐かしーーーいっ!と

ちょっと昔の映画やドラマは当時の景色を楽しめるのも見どころですよね。

 

そしてファッションも。

薬師丸ひろ子、お嬢様ファッションしてますが、
あーこんな感じのワンピース着てたよ~と。
そして教科書をバッグに入れず左手に抱えて歩く姿も懐かしいよ…。

 

憧れの先輩にデートに誘われ海に行きますが、
なぜかあの頃はカッコいい男子というとバイクがつきものだったね~と。

アレは何でだろう?

お嬢様がデートに誘われていきなりバイクに乗ったら…
実際は、バイクって慣れてないと怖いだろうからかなりビビると思うんだが…
でも何と言ってもカッコいいのはバイクでデートだったな。

 

今ではR指定!?な昭和演出にビックリ!

 

で、今回驚いたのが、結構こんなの未成年者に見せていいの!?って
今では信じられないお色気シーンが満載だったこと!

 

直美はアメリカに行く前の思い出に、初体験は憧れの先輩と…と思ってるらしいけど、
いきなりホテル行くし。

今はさすがにこの展開ないよね~。

憧れの永井先輩の家には、彼に貢いでいる彼女がいるし。
彼女はかいがいしくお掃除してただけだったけど、
同棲してる雰囲気が今とは違ってなんだか生々しい感じだった。

 

辻山の元妻が働いているショークラブでは、店員はバニーガールだし。
バニーガールってもう今はいない?
ちょっと屈辱的な格好よねとあらためて思ってしまいました。

今とは明らかに価値観が違いますね。

 

そして国崎と幸子、国崎の妻とヤクザの岡野…と、男女の濡れ場シーンが次々と…。

今回我が子たちは興味を覚えず一緒に見ていませんでしたが、見てなくてよかったよ!
と見ながら胸をなで下ろしてしまいました~!
そしてこんなの見てるの目撃されたらヤバい!と、一旦テレビを消し
子供たちがいない時間にコソコソと見ることにしました…。

そのくらい今の時代にはキョーレツで…汗

 

秋川リサが脱いでたのもビックリでした。
そんなのやる女優さんだったんだ?

 

そしてこの秋川リサ演じる幸子さん、
直美の家に匿って貰ってる時に、辻山といい感じになっちゃうし…。
おーい。困るよー。やめてよー。

 

二人の様子に気付いた直美はショック受けて行きずりの男とホテル行くし。
もう今では考えられないあばずれ展開!爆

さすがに直美は薬師丸ひろ子なので何事もなく。
このホテルに行くことで事件解決のきっかけとなるんだけど…
でもさあ、ラブホテルのシーンなんて子供と見れるハズが無い~。
子供見て無くてよかった~。

主演薬師丸ひろ子なんだから、
当然中高生が観る想定のハズなのに、この設定とはっ!!!

 

それにヤクザ絡みだから、怖いところ怖いし…。
角川映画任侠ものやってるから盛り込みたいんでしょうけど。

指詰めちゃうシーンとかあって、そんなシーンわざわざやるか?ってビックリで。

 

これぞ「ザ・昭和」、「ザ・角川映画」ってことなんでしょうね。

だから角川映画って、三人娘が出てくるまでは、
「怖いからイヤだ」っていうイメージが強かったんだということも思い出しました。

ナナコロビヤオキ、血が出る映画全然ダメなので…。

 

アイドル映画にしてはドロドロな人間関係もザ・昭和

 

 

薬師丸ひろ子演じる直美はお嬢様に変わりは無いのですが、
周りの人間関係がなかなか暗くドロドロなのですよね~。

 

アメリカにいる直美の父は、家政婦長谷沼さんと再婚する予定のようで、
直美は少し複雑な気持ちを抱いているし。

 

まあこれは序の口として、憧れの永井先輩は彼女に貢がせてるし。
永井先輩の彼女は彼に貢ぐためにバニーガールして売春してるし。

 

辻山の元妻の幸子はクラブオーナーの国崎と不倫してるし。
国崎の妻は、組のヤクザと不倫してるし。

で幸子は辻山と一晩だけっつって匿ってもらってる直美の家で…!
それに応えちゃう辻山も…
もうちょっとどうにかしてよって!

今の感覚から行くと気が狂いそうだわ~。

昭和結構モラル無しなのねえ~。
昭和の当時より、令和の今の方が健全なのね…(;_:)

 

きっと当時高校一年生だった私は、
こんなこと全然覚えて無くて…
どうも半分も意味が分かってなかったんだろうなぁと。

子供過ぎてこのドロドロ感が実感できてなかったのでしょう。

ただ、薬師丸ひろ子の可愛らしさに夢中になって、
松田優作の大人の雰囲気に胸キュンして
雰囲気に酔いしれてただけだったんだろうなあ~。

 

 

薬師丸ひろ子が意外に子供っぽい。でも…

 

当時薬師丸ひろ子のことは、なんて美少女!と思ってました。
目が印象的で、独特なオーラがあって素敵って。

で、大学生になって大人っぽさが加わって本当にキレイって憧れてました。

 

でもあの頃から30年経ち、令和の今見てみると
もちろん薬師丸ひろ子、可愛いんのですが、

ただの子供…!

ヤクザの岡野に「なんだジャリかっ!」って言われるところがあるのですが
うん、確かにジャリだって思っちゃった~笑

可愛いけど、まだ子ども子どもしてるんだよ~お。

でもこれは、ナナコロビヤオキが年取ったってことだよね…爆

 

ただ、やはり薬師丸ひろ子、情緒的な演技が素晴らしいです。

 

事件は全て解決した後、直美が辻山の家を訪ねて辻山に思いを伝えるシーンがありますが、
直美は、気が強くて素直に慣れない性格なので、辻山に思いを伝えることがなかなかできない
このときの表情の微細が変化がたまらないですねー。

 

松田優作のおっさんは、情けないけどセクシー

ハードボイルドは嫌い、血が出る映画は嫌いなナナコロビヤオキは、
おかげで松田優作の映画作品はほとんど見たことが無く、
多分『探偵物語』で初めて松田優作の演技を見たのだと思います。

 

個人的には松田優作はタイプではないので当時も今も彼自身には特に胸キュンしませんが、
その演技そのものが魅力的で惹きつけられるものがあります。

探偵で、独り者、ボロいアパート住まいで…っていうダメダメなシチュエーションのヨレヨレのおっさんなのに、確かにそのヨレヨレ情けなさはあるんだけど、なぜかしみったれた感じにはなりきらず、品性は堕ちずにチャーミングさが残る。

そんな絶妙なさじ加減が「松田優作」ならではだったんだろうなあ~と!

 

確かに、あの当時は松田優作そのものにはキャー!とはならなかったけど
この設定そのものにすごーーーく感情移入した記憶があります。

きっと松田優作の疲れた感じが15歳には大人の魅力として心に刺さったんだなあ~。

 

シナリオは粗削りだけど…直観的に伝わる何かが

 

シナリオそのものは、現代の映画やドラマに比べたら、荒削りで、状況説明が足りなかったり、伏線が足りないなあと感じるところも多々あります。

 

  • 事件解決を握るペンダントがあるのですが、最初に出て来たときは、これが物語のカギを握る小道具とはとても思えませんでした。
    特にアップにもならなかったと思うし。
  • 直美が辻山をどのタイミングで好きになったかがハッキリと分かるエピソードがこれといって見当たらない。
  • 辻山が直美のことを好きになったのはいつなのかも分からず。直美のことは仕事と思っているとしか。元妻幸子を救うことに一生懸命でそんな余裕なかったと思うし。

 

こういった感じに、シナリオ的にはハッキリとした証拠や伏線が不足している気がします。

そういう点で、現在のドラマのシナリオ構成やカメラワークは当時からは随分と進化しているんだなあということも実感できます。

 

ただ、当時のナナコロビヤオキは、不思議と直美が辻山に惹かれているのにすごく共感できた。

それは10代の子供の感性だったからかも。

松田優作の元妻とのヒリヒリした関係とか見てる、とてつもなく大人な世界を感じて、なんだか切なく魅力的に見えたのだろうと。
だから直美は辻山さんそのものに惹かれたというより、辻山さんに垣間見える大人の世界に憧れてただけかもしれないけど…。

50代のナナコロビヤオキは、辻山見ても「やめときなームリムリ」くらいにしか思わなくなっちゃってますが、それは現実しか見なくなってきてるからなんだろうなー。

 

ということは、10代の心をリアルに表現しているこのシナリオと演出すごいのではと…。

 

 

テーマ曲が本当に心に刺さる

そして、この『探偵物語』のテーマ曲にも心をわしづかみにされました。

 

薬師丸ひろ子の透明感のある美しい声で
「あんなに激しい潮騒が、あなたの後ろで黙りこむ♪」

ああ…!なんて絵画的。
そしてせつなくてドラマチック!

初めてこの曲聴いた時、この冒頭のフレーズでキュー――ンとなった。
一発でとりこになりました。

 

このテーマ曲、意外にもエンドロールでかかるのではなく、
終盤の、直美と辻本のシーンで直美が思いを告げた後に、
家に向かうシーンでかかるのですが、これが絶妙です。

 

辻本が追いかけてくれないかと振り返り、振り返り歩く直美、
門をよじ登って敷地に入りますが、
後ろ髪を引かれるように、門の上の高い位置から
辻本の姿を期待していつまでも来た道を眺めている直美…

そんな直美の様子のBGMに、薬師丸ひろ子の透き通った声で頼りなげでせつないメロディラインが流れて…心の琴線に触れました…。

ラストのキスシーンやはり名シーン

 

そして追いかけて来てはくれなかった辻山とはそのままで
直美はアメリカに出発します。

 

搭乗手続きを終え、搭乗に向かう下りエスカレーターに乗った直美ですが
そこに辻山の姿が!

直美はエスカレーターを逆走し、辻山の元へ。
辻山と直美はゲート越しに熱いキスを交わします…。

が、これが長――――い!!
濃厚なディープキス!

いやあ今じゃあ見られないでしょーっ!
ってくらい長い!長い!

情熱的なキスシーンでっす!!!!

 

これも当時見たんだよねえ10代がっ!
ってビックリで。

当時は相当ゆるい世界だったんだなあ~www。

 

身長差のある二人のキス。
薬師丸ひろ子の背のびがまた何ともキュン死。

情熱的なキスの後、辻山の胸に顔をうずめる直美にもドキドキ。

 

ディープキスをした後、見つめ合って、もう一度軽いキスをしますが
これがかえってディープキスよりセクシーでキュンとしてしまった。

 

そして、
この熱烈なキスを交わした後、辻本は直美を送り出すんですよね~。

 

好きではあるけど、惹かれてるけど、
一緒になるべきではないって大人のわきまえで辻本は身を引く、
直美を送り出すって感じなのかなあ。

 

キスの後、カメラは遠景となり、名残惜しそうに手を振ってエスカレーターに乗る直美と微動だにせず直美を見つめている辻山を映します。

辻山は直美が画面から消えても、直美をずっと見つめている。
そして最後に小さく手を振ります。
その手の振り方がちょっと可愛らしくてせつなくて素敵でした。

 

ラストのBGMは意外にもライトな音楽で。
それもまた爽やかな空気がのこって素敵だったな。

やはりこのラストシーンは、名シーンなんだなあ~とあらためて思いました。
ストーリーは忘れても、今でも焼き付いていたのはだからなんだな。

 

80年代の空気がギュッとつまった映画。

なかなか面白いのでおススメです。