NHK朝ドラ『まんぷく』感想 第147回(第26週) 「行きましょう!二人で」 「お父さんは頭が古い」萬平VS幸のバトル。

『まんぷく』第147回 ( 3月26日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

まんぷくヌードルをスーパーや小売店で売ることは取りやめ、新たな販路を開拓することに。

営業部部長の岡が調査した結果、夜勤がある業種にニーズがあるだろう、そこを攻めてみようと夜勤のあるホテルやタクシー会社、病院、警備会社などに売り込みに行くことに。
特別販売ルート、略して“特販ルート。

営業部だけでは人手が足りないと商品開発部も巻きこみ営業活動。
開発なのに営業をしなくてはならないことに神部は少々不服。

 

世良や鈴は、そこを攻めたとしても大量消費にはつながらないと突っ込むが、
まずはきっかけ。
そこでまんぷくヌードルを美味しい&便利と知った人々が、
日常生活でも利用するようになるだろう。
長い目で見ることに。

 

一方福子も“歩きながら食べられる”をアピールしようと、
決死の覚悟で家の前でまんぷくヌードルを食べ歩き。
井戸端会議をするご近所の奥様方の前に登場しドン引きされる。

 

特販ルートで着実に売れ始めているも、以前の売上よりは減少。
しかし、これまでの売上は物珍しさからによるもの。
それに対し今回の売上は本当に必要な人に売れた。
これまでとは意味が違う。

とは言っても、在庫過剰になりつつあり
そろそろ生産ラインはストップした方がいいかも。
切羽詰まった状況。

 

夜から営業に出る源の体調を鈴も福子達も心配するが、
源は夜勤の業種の人たちは反応がいいと張り切って前向き。

 

ただ福子はこのままだと特別な人たちだけの食べ物になってしまうのでは、
もっと何か大きな購買層があるのではないかと疑問を提起。

 

そこに幸が帰って来た。
幸は友達とボーリングで遊んできたという。
連絡もなして友達と食事も済ませて来てしまった。
派手なコートを着て遊び歩いている様子の幸に萬平は
「きちんと大学に行っているのか」
とイライラ。
その萬平に幸は
「ウーマンリブって知ってる?これからは女の子だから~はもう通用しない」
「お父さんは、若い私たちが何を考えているか全然分かってない」
「頭が古いのよ」
と口答え。
萬平をカンカンに怒らせてしまう。

 

その晩、福子達が寝ようとしているところに源からの電話が入った。
タクシー会社で50ケース納入が決まった!

100円の価格設定を変えないこと、
開発部まで出ての営業活動に不服だった神部も、
自分たちの開発するまんぷくヌードルが本当に求められていることを実感したと笑顔に。

これは将来につながる50ケースだと萬平は神部を労った。

 

『まんぷく』第147回( 3月26日)感想

 

スーパーで売るのはとりやめて、まずは夜勤のある業種のニーズを攻めました。

神部君はちょっと不服。
この反応、神部君はやっぱりプライドだけ高いわがままちゃんなのかしら?
とちょっと思ってしまった。
こういうやり方を不服に思う社員もいるのは当然。
神部が100円の価格を考え直さないことにまだ納得いかないこともよく分かる。
だけど、こういう描き方だけすると
プライドの高い、大阪帝大出の部長様の神部くんになっちゃうかなあと。
夜に自分が飛び込み営業をしなきゃいけないとなって
ただただ拗ねちゃった風に見えるわー。

神部、ヌードル開発も初段階はあんまり仕切ってないように見えてたし、
アイデアは無く、ただただ萬平盲信になりがちだったし。
神部ワンコの描き方がもうちょっと丁寧だといいなあと。

 

神部ワンコが夜出勤する時に、めずらしくタカちゃんにグチを言ってました。
このシーン、
夜出勤と聞いてまたまたタカがブーたれると思い、
「会社の一大事なんだから、黙って見送ってやれよー」
と見始めましたが、
意外にもタカちゃんではなく神部がグチたれて。
おかげで少しホッとしたけど。

さらに、このときのタカの反応が意外とよかったなあと。
あんなに神部ワンコの萬平さん好きにやきもち焼いて
会社で夕食も済ませて仕事に没頭する神部さんに拗ねて
それをさせる萬平さんに不満気味で
グチっぽいタカちゃんだったのが
いざ、神部の口から萬平さんの不満を言われると
心配になっちゃうのが可愛かった。
「萬平おじちゃんに不満なの?」
って心配そうな顔をして。
タカちゃんもちゃんと萬平おじちゃんのこと大好きなんだよねー。
旦那様の神部のことももちろん大好きで。
あのタカちゃんのグチっぽい感じは
萬平さんと神部に甘えてたんだなあ~ってあらためて思いました。

 

萬平さんの言うことが理解できない、
不満はあるけど、まんぷくヌードルを売りたい気持ちは一緒。
「だから信じて頑張るよ」
と言う神部の笑顔は頼もしくて素敵でした。
だからこそ、夜出勤に拗ねた風に誤解されない描き方が
もうちょっと別にあったんじゃないかと。

タカちゃんも、この神部君の反応に
何かを感じたのではないでしょうか。
夫婦関係が成長しそうな予感…。

 

福ちゃんは、まんぷくラーメンのニーズ拡大に貢献しようと決死の覚悟で食べ歩き!爆
しかも50過ぎのマダムが!!

福ちゃん、頑張ってるけど、これじゃかえってイメージダウンになるかも~www

そうよねー、
昭和のこの時期の日本で、歩きながら食べるなんてそれこそタブー―だったんだから。
ナナコロビヤオキも立って食べることはダメと厳しくしつけられたよ。
しかも歩きながらなんだからねえ、
福ちゃんにしたら、とんでもないねえ~。
福ちゃんが「歩きながらでも食べれる」って世良に話したあのとき、
実は盛り上がり過ぎて口が滑ったんだなー(笑)。

まさにこの70年代にマックやサーティーワンが日本に上陸して、
街をバーガーやアイスを食べながら歩くスタイルが定着したんだよね?
あれらがカッコいい食べ物と捉えられて、
若者の流行りとなって食べ歩きが一気に浸透したんだな~。
当時幼かったナナコロビヤオキの記憶の中にも、大人たちが
「フランスでは皆食べながら歩いてるんですって」
「えーお行儀が悪い!?」
とか言い合ってたなあ~と。
スタンドで売っているものは食べ歩きしていいですよとか
ルールがあってその説明を受けた覚えもなんだかある…。

歩き食べそのものがファッションだったんだなあ70年代。
そんな、今からすると大したことでもないようなことが
センセーショナルだったのが70年代だったのね。
社会全体が何もかもにワクワクしていた時代って感じね。

そうそうナナコロビヤオキのイメージにも
フランス=食べ歩き=おしゃれって確かに刷り込まれていました。
それはこの時代の流行りきたものだったんだなあ。

実際に大人になってパリに旅行したときには、
ホントに皆が食べながら歩いててビックリした覚えがあります。
日本も追いついたと思ってたけどまだまだだ!って。
バゲッドのサンドイッチを片手で持って食べながら皆ガンガン歩いてたー。
露天で当たり前にサンドイッチ売ってるし。
これがまたサイコーに美味しくて~♪
フランス料理なんかより全然美味かった!

 

今日印象的だったのは、萬平さんと幸とのやりとり。
これ、ナナコロビヤオキの父vs姉&ナナコロビヤオキと一緒だーっ!って。
姉はナナコロビヤオキより9歳年上で、幸ちゃんより少し下だけど
当時思春期真っただ中。
まるで同じバトルを毎日やってたよ!

その度父は、萬平さんみたいに激昂してましたー!
その約10年後も父は相変わらずで
ナナコロビヤオキと同じく激しいバトルを展開…。

こういった父と娘たちのバトル、
我が家だけじゃなくて、当時どこの家庭でも繰り広げられていた闘いだったのかぁ~
あるあるだったんかぁ~と。

福ちゃんが、幸ちゃんに「話をややこしくしない!」って仲裁してましたが
この反応もナナコロビヤオキの母と同じパターンで。
イライラ。
父を立てつつ、事を丸く収めようとするんだけど~。

母がそう言えば言うほど火に油を注ぐだけで
なんで父が一番偉いのか!これでは根本解決ではない!
と限りなくヒートアップ。

親世代の夫を立てて妻は下出に…という夫婦関係を重んじる人たちと
男女平等を語られて育っている世代とでは根本的に違うんだなあ。
と一応客観的に見て思います。
でも、未だに自分のこととなるとそうはいかなくて。
90過ぎの父を相手に未だに時々バトルするー。
まあ父がすごく健康というありがたい状況のためでもあるけどね…。
でも…それはそれで葛藤です。

萬平さんと幸ちゃんのやりとりにあるある~と笑いはしつつも
この問題はナナコロビヤオキの中では深い。
いざバトルとなるとマジで、ワナワナきちゃうの。
いろいろ理解してもらえなった積年の思いもわき出ちゃって。
大人げないと分かっちゃいるけどね。

それをある程度姉は受け入れられるんだけど、
下の子のナナコロビヤオキは大人げなく繰り返しバトルしちゃう。
この前も些細なことでもめたけど、
怒スイッチ入っちゃう自分に、
もうこれトラウマだなと思ってしまいました。

萬平さんは幸ちゃんに怒りつつも、
「頭が古い」に向き合って、銀座のホコテンで若者にアピールするんでしょ?
そこが萬平さんのすごいとこよね。
普通の親世代は平成になっても変わらないのに…。

それを取り持つのが福ちゃんなのかな。