NHK朝ドラ『まんぷく』感想 第123(第22週) 「きれいごとでは通りませんか」 即席ラーメンの特許はどちらに!?

『まんぷく』第123 2月26日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

 

特許庁に呼び出された萬平と真一は、即席ラーメンの製法について細々と質問を受ける。

 

特許の申請は、必要書類を送付したら、あとは結果を待つのみというのが通常パターン。
なのに、わざわざ呼び出しが来るのはなぜ?と鈴は気が気でない。

 

特許庁はハッキリとは言わなかったが、
恐らくテイコー食品も特許申請していると見られた。
萬平は怒りを募らせる。

福子はとにかく信じて待つしかないと蔓平をなだめるが、
「福子は悔しくないのか!」
と萬平のイライラは止まらない。
「これは避けて通ることはならない闘いなのだ!」
と険しい萬平は険しい表情…。

 

萬平の様子に不安を募らせた福子は、
世良にテイコー食品とのケンカを一手に引き受けて欲しいと懇願。
ところが世良は、
「猿渡みたいな男の相手をするのはめんどくさい」
とポロリ。
でもめんどくさいのではなく、
ジェントルマンだから猿渡の相手はできない、
そしてジェントルマンが本気でケンカしたら血を見ることになると。
ジェントルマンという羊の皮を被った狼を目覚めさせたらあかんと
はぐらかすような態度で福子の願いを拒否。

 

神部、岡、森本をはじめとするまんぷく食堂の従業員は、
本家まんぷくラーメンの方が安価のため売れていると不安を口にするも、
「テイコー食品なんかに負けてたまるか!」by敏子ちゃん
「打倒!猿渡!」byハナちゃん
で一致団結。
「エイエイオー!」
と戦の気合い!
それを聞いた萬平も
「エイエイオーッ!!」
と闘争心丸出し。

 

一方仕事に夢中な神部は、
帰宅してもタカとろくな会話もせず寝てしまうだけ。
今日もタカがご飯を用意してあると言っても
「会社でラーメン食うてきた。風呂入るわ」
その言葉にキレたタカは、克子のところに行って号泣。

 

見兼ねた忠彦は、神部と風呂に入り、バスロマン。
タカをおろそかにしてはいけない、
どんなに忙しくても夫婦の会話を大切にすべきだと忠彦は説教。
そして僕よりも
「克子を怒らせたら、こんなもんでは済まないだろうなあ…」
と釘を刺した。

 

そして特許庁に赴いた日の4日後、
特許庁からの通知が。

即席ラーメンの製法は、まんぷく食品に特許が降りた!!

これでテイコー食品はラーメンを販売できなくなる。
一同一安心して喜び合う中、
「ざまあみろー!!!!!」
と絶叫する萬平。
人が変わったような、萬平の形相に福子は戸惑いを隠せない。

一方、特許申請が受け入れらなかったテイコー食品猿渡は、
悔しがるも、このまま素直に引き下がるつもりは全く無い様子。

 

 

『まんぷく』第123( 2月26日)感想

 

 

特許庁って、いくらなんでも…こんなに意地悪なの?

どっちがオリジナル?パクリ?という問題、
特許の申請に当たっては、ちょいちょいある話なのでしょうが…
それに巻き込まれないように距離を取るというのが通例なのかもだけど
それにしても、そんな態度じゃかえって相手の不安を煽るよ!?

いや、見てる人の不安を煽るためだからいいのか。

 

おかげで、萬平さん、あんなに怒ってイライラ…。
そんなに怒ると、
血圧が急上昇したり、心筋梗塞起こしたりするかもと心配ですー。
萬平さん、もう48歳なんだからね!
若い時と違って、こういうストレス、体に来るから!
もっと気をつけてー!

 

今日は週後半戦への序章って感じですね。

萬平さんがイライラモヤモヤする割に特許そのものはスルッとOK。
…ってことは、
これからそんなレベルどころじゃない修羅場が待ってるってことだよねえ~!

「特許?はあ?それが何か?」
って、特許の威光なんてぜーんぜん通用しないやり方で
まさか!?って思うような、
もっと、もっと、もーーーっと悪どいやり方で攻めてくるってことなんだよねえ!

わわわわっ!
コワーーーイ。
…でも…ワクワク…。

 

猿渡=田中哲司さん。
あんなに可愛さの微塵もない悪役なのに、
なぜだか何だか魅かれるものがあるー。
不思議に不快感じゃないー。

ナナコロビヤオキは基本的に怖い話はダメなタイプです。
暴力や血が出るシーンは見られません。
だからヤクザ物とか全然見られないんだけど、
なので猿渡タイプは、怖いよぉー見るのヤダー!ダメ―!
になっちゃうはずなんだけど
なぜかゾワゾワと妙に魅かれるー!

ヒロインの夫、萬平さんの前に立ちはだかる悪役なんだから、
憎たらしくて不愉快一杯になるはずなんだけど~、
確かにストーリー的に猿渡に怖ーいと思ったり、
イライラ翻弄はされてますが、
でも翻弄させられながらも次はどんな手を使う!?
とちょっと楽しみでもある。
それは田中哲二さんの演技力の賜物でしょうか。すごいなあ!

 

激昂しイライラするのは萬平さんだけではなく
従業員の皆も、闘いモードに。

こういう感じに皆がスイッチオン!しちゃうの、
これって、
彼らにとって戦争が非常に近い過去だったってことだなあと思いました。

敏子ちゃん、女学校の頃はあんなにオシャレなお嬢様だったのに
「テイコー食品なんかに負けてたまるか!」
だす、
控えめで清楚なイメージのハナちゃんの口からも
「打倒!テイコー食品」
だし。

萬平さんがテイコー食品に張り合われて、途端に怒りに捉われるのも、
そういった戦争が記憶に新しいことが多分に影響していることと…。

まあね、さすがにああまでのえげつないやり方されたら
取り乱さない方がおかしいとは思う。
萬平さんの反応はごく当然とは思うけど。
しかし、こういうことを続ける限り、皮肉なことに同じ穴のむじなになってしまうわけで…。発明家であり、実業家である萬平さんはそれをひと越えする必要がある。

怒りを怒りで制することはできない。

福ちゃんは、今の状態では何も解決にならないこと、
萬平さんはそんなレベルでくすぶっている場合ではないということを
爆と感じているということでしょうね。
じゃあどうすればいいのか、まだ方法は分からないけど…。
ナナコロビヤオキも分からなーい。

 

そして何か方法が…ということで
福ちゃんは、世良に喧嘩相手を引き受けて欲しいと頼りました…笑。

そりゃ、いくらなんでも世良に失礼よー福ちゃん。爆
福ちゃん、萬平さんを守るために他人、世良に汚れ役させるかい!ってワロタ。
世良は最終的には、自分の会社、世良商事があるわけだしねえ~ww

でも世良の「めんどくさい」も面白いな。
この人のめんどくさいって反応、
萬平さんが憲兵に捕まった時もそうだったけど、
勝算が見えないと乗らない。
これは薄情とかズルイってことじゃなくて
短絡的に反応しない、反射的に動かないってことで。
一見薄情に見せかけといて…ってやつだよね。

そうよ、世良が福ちゃんの要望に素直にお答えしてケンカを引き受けたところで、
相手に尻尾つかまれるのが関の山よ。

「ケンカは自分を見失ったら負け」
と世良が言ってた通り、
どうやったら自分を見失わずに相手より優位に立てるのか、
きっとその方法を思案中なのよ~。

世良は何かきっかけを見つけたら鮮やかに決めてくれると思うー
ナナコロビヤオキは今後の世良の出方を期待しています。

 

源ちゃん、幸ちゃんは萬平さんの風呂場で「クソー!」発言を聞いて、
お父さんのことを気にしてましたが、
それについて、鈴さんがヤモリの話をして、ふんわりやんわりとはぐらかしてくれました。
こういうのっていいなあ~。
鈴さんのこういうところ、大好き。
両親だけでなくおばあちゃんも一緒に住んでると、
こういうふうに子供の心を守って貰えるところ、ありますよねえ。
核家族にはない温かさよねえ。

 

そしてタカちゃんは、産後鬱のようで…。
神部ワンコが仕事に夢中なのが気に入らない。

ナナコロビヤオキの子どもたちは
「タカちゃんわがまま!」
と言ってましたが…
きっとねえ、タカちゃん、出産2ケ月前後だよね。

その頃って、心身のバランスが崩れて
ちょっと周りは理解しづらいことで泣いたり怒ったりするものなのよー
と説明しましたが…。

我が子たちが思うように、
一見、タカちゃんは、こんなに手伝ってくれる家族がいるくせにわがまま。
神部も妻への思いやりなしわがまま。
お子ちゃま夫婦の、お互いの自分勝手による痴話ゲンカで片付けられそうですよね。

実際も、そう解釈してスルーしちゃってるケースってすごくあると思いますが、
実は、これこそが危険。

これまで、産後鬱が認知されていない時代も、
今現在もタカちゃんみたいな新米ママがイラつくと、
「わがまま!」「非常識!」
って取り合わない親とか、旦那さんとか多いんじゃないかなあ~。
そういう危険信号っていっぱいあると思う。

タカちゃん、子供っぽいから実際にわがままっぽく見えるけど、
この月齢の赤ちゃんの母って、
出産直後の祭り気分も納まったところで
親としての責任をジワジワ感じてプレッシャーになったり
そうなのに夜泣きに悩まされたり、
相変わらずなんで泣くのか分からなくて不安で苦しいものなのよね…。

克子さんも鈴さんもいるのにって言うけど、
だからこそ、一番いて欲しい神部がいないのがまた辛いんだろうなあと思うわ。

このエピソードは、はた目からは気付きにくい
産後のママさんの孤独について問題提起をしてくれているのだろうと期待。

ただの神部わんことタカちゃんの若い夫婦のケンカエピソードというだけでなく
現代の家族の陥りがちなリスクとして見て行きたいなあとも思います。

明日は猿渡の逆襲が始まるかあ!
固唾をのんで待ちましょー。