NHK朝ドラ『まんぷく』感想 第81回(第15週) 「後悔してるんですか?」 萬平さん、安易に融資即決

『まんぷく』第80回(  1月 7日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

敏子に相談を受けた町工場に萬平と真一は向かった。

その工場は「織田島製作所」。
まだ設計段階だが「万能調理器」を開発中。
上部の容器を替えればジューサーにもミキサーにもなるすぐれものだ。

かつて根菜切断機を開発した萬平はすっかり思い入れ、即決で100万円の融資を決める。

先日梅田銀行から景気が停滞しつつあると情報を得たばかり。
100万円は気前が良すぎるという真一の忠告も、萬平は気にせず。
「こういう会社こそ応援するべきなんです」

 

一方絵が順調に売れている忠彦は、今日も一つ作品を無事に仕上げた。
この絵も高値がついて売れるだろう。
描きたい絵を描きそれが高値で売れるなんて、こんな幸せなことはないと
克子たち家族は忠彦を祝福するが、
忠彦はもっと違う絵を描いてみたいと言う。
ただ、何の絵を描けばいいのか浮かばす悩んでいた。

 

その晩、萬平は福子に織田島製作所に以前の自分を思い出したとしみじみと語る。

そして源と幸は、信用組合理事長である自分しか知らない、
塩を作りダネイホンを作っていた自分のことは知らないと。

「後悔してるんですか?」
という福子に、萬平は答えず眠りに就いた。

 

 

 

『まんぷく』第80回(  1月 7日)感想

うーーーん…。
昨日もちょっとなあ~と思ったけど…でも前向きに見ようと思ってましたが…。

やっぱり冷めてしまいました。
残念。

 

今日は15分間がつまらなく感じました。
先がどうなるかすっかり見え過ぎちゃってるしね。

史実で信用組合が破たんするのはバレバレなんだから、
ただ流れに沿って見せられるだけでは引きつけられないのよ。
中身がないと。

 

この万能調理器が破たんのきっかけになるんだよね。
いかにも見え過ぎだし、
この話を聞いただけで即決しちゃった萬平さんにナナコロビヤオキの信用ガタ落ち。

コレ簡単に言っちゃえば、
萬平さんが勝手に思い入れて、情にほだされてOKしちゃったってことでしょ。

こんなの金融のお仕事では言語道断!

人がいいにもほどがあるってか、
萬平さん、コレじゃあ、ただのおバカさんじゃないの!
萬平さん、8年間も理事長勤めててコレかい!?
ってちょっと呆れてしまいました。

 

真一さんも、あの一言だけじゃあ足りない、足りないよ…。
真一さんも、もっとキツク言わないと!

ってか、真一さんのお仕事ぶりも見えないー。

やっぱりここはあの場で即決しないで、
シーン変えて、
織田島製作所の会計資料とか銀行からの信用調査の結果とか聞いて
真一さんとか他の幹部と話し合ってる様子も見せないと。
そして萬平さんが、思い入れもあってつい融資を押し通しちゃうって
流れの方がまだ納得できるわ。
ああー無意識のうちだけど感情移入しちゃってるよねって。
で、つい時流を見誤っちゃったね。
人だもんね、仕方無いねえ~ってなるのになあ…と。

そう、要するに萬平さん、理事長やってるクセに知性が見えないのよっ!

しかも、萬平さんは自分が開発した根菜切断機に重ねて
織田島製作所に思い入れてしまいましたが、
萬平さんが開発したのは戦前。
今は昭和32年。

もう20年近く経ってるんじゃないの?

時代遅れ感があるとは、思わない??
発明家としての萬平さんの目利きの能力にも疑問が…。

 

…やっぱり、8年間いきなり飛ばすんじゃなくて信用組合での萬平さんと真一さんのお仕事ぶりを描くべきだったんじゃないかと…。

それに時間がなかったというなら、
2度に渡る収監劇をもっとサクサク片付けるべきだったんだと思います。

 

萬平さんが開発者として、インスタントラーメンを開発するまでのドラマなんだから、
その萬平さんが8年間、信用組合の理事を勤めるくだりを描くのだから、
これまでは違う畑の「理事長」という立場で人の役に立つやり方とはどういうことかを
萬平さんが学んでいく姿を見たかった。

そして開発者である萬平さんらしい発想でどんな理事長職を勤めるか見たかった。

昨日セリフでは「理事長自ら現場に足を運んで」って言わせてたけど、
口だけで言っても分からないし納得しないし。
第一面白みがない。

そんな状態で初めて現場に行く図を見せられたら、
勝手に思い入れて自ら情にほだされて安易に融資即決なんて、
やっぱりお飾り!?大丈夫かぁ!?ってなっちゃう。

 

さらに、萬平さん、塩やダネイホンを作っていた自分のことを源や幸は知らないな…と
ポツリ言ってましたが、
萬平さんがこの状況でこのセリフをポツリだと、萬平さんもお飾りと自認してたか?と。

  • 理事長 →名誉職
  • 発明家 →名誉はないけど好きな仕事

という構図、見る人にとっての分かり易さ追及かもしれないけど、
あまりにもその発想、安易すぎないか?

そうしたら、萬平さんはお飾り名誉職に8年間も甘んじていたことになる…。

理事長のお仕事も、世の中に十分に役に立つ仕事で、
萬平さんも誠心誠意、人のお役に立とうと理事長として仕事してたけど、
それもやりがいがあって楽しいけど
「やっぱり僕は自分自身で何かを生み出したいんだなあ」
という思いに行きつくという方が自然で納得だと思うんだけど。

そのように描きたいことは描きたいのでしょうけれど…
今の表現では、
理事長=名誉=悪という、
短絡的な構図となってしまうのがちょっと痛いなあと。

 

福ちゃんも、年明けたら途端に好きになれないー。

ただの「ざあます」なおばさんになっちゃったなあって…。
気さくなフリして喫茶店にお勤めに行ってるけど、
自分を着飾るのに夢中なお金持ち自慢なおばさんって感じで。

あの時代にいかにもいたよなあーって、
キャバイ格好の成金風なご婦人に見えます。

そして鈴さんの
「理事長夫人なのに」
「理事長の息子なんだから」
もしつこくて、
完全に成金の勘違いした品の無い一家に見える。

笑いのシーンも外れてるし、可愛らしさもイマイチ感じられないので
この後の転落劇の前のアイロニーとは思えず、ただの不愉快にしか。

この人たち、ホント人変わっちゃったねえ!という感じに…。
このままだと源ちゃんも、ちやほやされ過ぎてバカ息子になっちゃうよ。
気をつけなーとも。

 

今日のラストの寝室での福ちゃん、髪をずーっといじってましたが、
それもやたら色気アピールしてる感じでちょっと私はダメだったなあ。

これまでの二人の寝室シーンは、爽やかでもあり、妖艶でもあり、
そのさじ加減が絶妙で、うっとりと萌え~だったし、
安藤さんとハセヒロさんの演技ぶりにも感動しまくっていたのですが、
これは演技と言うより演出のせい…??

その福ちゃんが
「後悔してるんですか?」
というので…

金と名誉にすっかり目のくらんだ妻が
「今の富を安易に手放そうとする気かいー?」
とプレッシャー掛けているように見えました(笑)

これは狙い通り?
でも、だとしたら福ちゃんの人柄に疑問。キャラ崩壊してるよ?

 

そしてさらに、萬平さんのこの「後悔してるかも?」ってくだりがあった後に
信用組合が破たんするなら、
これは破綻しても
「やっぱりやりたくないことだったからよかったよー」
って言い訳を用意してるってこと?

これもまた都合のいいつじつま合わせ?イマイチ腑に落ちない…。

 

ナナコロビヤオキとしては、
正直者で頑固一徹職人肌の萬平さんは、
理事長職も萬平カラーで誠心誠意頑張って、
それでもふとしたことで時流を見誤り破たんって方が思い入れできるんだけど…。

萬平さん、理事長職も十分に誇りとやりがいをもって楽しんで、
でも残念ながら破綻。
全てを失った後に、あらためて気づいた自分の原点は、やっぱりもの作り…!
となる方がナナコロビヤオキとしては心に刺さりますが…。

あー、あと忠彦さんも何やら苦脳してましたねー。
予告によると、描きたいこととは美人画で克子さんハラハラってことなのね。
これは予告で見せすぎかと…。

今日驚いたのは、忠彦さんの絵がラッセンみたいになってたー(笑)
神部君が夜中うなされてた梟の絵の方がアーティスティックだった気がするがー。
忠彦さんも、いつの間にか一般受けする絵を描いていたということでしょうか…??