NHK朝ドラ『まんぷく』第41回(第 7週)「私がなんとかします!」感想 世良の横流し!?福ちゃん不倫!?に困惑する萬平さん

『まんぷく』第41回( 11月16日)あらすじ

※ネタバレ含みます。

休日、忠彦のことが心配な福子は克子の家に向かった。
克子の家に行く前に、真一の家を尋ねて事情を話し、一緒に説得してもらうことに。

 

一方で塩軍団の申告により、世良の塩横流し疑惑が浮上。
岡がケンカ騒ぎを起こしたときに闇市で世良を見かけたと。
商社を営んでいる世良がなぜ闇市で商売をしているのか、
塩をきちんと専売局に売っているのか、
本当に信じていい人なのかと疑問を呈する神部に萬平は、
「僕の友達を悪く言うな!」
と怒鳴った。

 

鈴と萬平は専売局に確認の電話。
専売局の職員は、かます8個を買い取り1,600円支払ったと。
かます20個分のはずが8個しか買取されていなかった。
驚きを隠せない鈴と萬平。

 

福子と真一は克子の家を訪ね、忠彦の説得にあたる。
福子は、萬平さんも仕事を始めたら食べることを忘れてしまう。
本人はそれで幸せだろうが、身体を壊してまで萬平さんに働いて欲しいとは思わない。
「家族には心配する権利があると思う」
と話した。

そして福子は
「自分の顔を見てください」
と忠彦に鏡を渡す。
鏡の中の忠彦の顔は絵の具で汚れてやつれている。
「そんな顔をしたお父さんを毎日見てタカちゃんが平気でいられると思いますか?」
「克子さんだって心配でいられないと思うよ」
克子も、忠彦がアトリエでまた倒れているのではないかと思うと心配で毎日夜も眠れない、
「それでも絵描きの妻は諦めないといけないのですか?画家の娘も!?」、
と。
タカも、
「お父さんにはもっといい絵を書いてもらいたいけど、このままでは病気になります」
と涙ながらに忠彦に訴えた。

 

休みで大阪に遊びに来ていた塩軍団は、克子の家を後にして一緒に歩く福子と真一を目撃。
真一が義理の兄とは知らない塩軍団は福子が不倫をしていると疑ってしまう。

世良の横流しの可能性を知り茫然自失の萬平。
そこに帰ってきた塩軍団から、福子が男性と歩いていたと聞きダブルショック!

 

『まんぷく』第41回( 11月16日)感想

まずは、忠彦さん。
ゴッホみたいになりかけてたけど、思い留まってよかったわ。

戦争から帰ってきて、いろいろな思いが溢れていっぱいいっぱいになっていたんでしょうね。
戦地で地獄を見た思いと、我が家に戻って安堵する思いと…。
心の動きを、瞬間、瞬間で切り取って行かねばだからね…

今、この瞬間の思いを形にしないととなると、休んでるヒマはないでしょうね。
心の動きもカメラでパシャっとは撮れるといいけどねえ…。
あーそんなんで簡単に撮れちゃうものだったら芸術じゃないか。
絵描きさんって大変…。

でも、一瞬のきらめきを鮮明に描けても、それで命が尽きちゃったら、
それだけで他に作品作れなくなっちゃうからねえ。
折り合いつけるのって大変ですね。

ナナコロビヤオキは芸術のことはよく分からず何とも言えませんが。
でも、一瞬を切り取ることだけが美じゃないことを信じたいですー。
一瞬を切り取ろうと躍起になること自体、若い時の表現方法に過ぎないのかもしれないし。

忠彦さん、息の長い表現方法を見つけてね。
とりあえず、考え直して凝り固まるのをやめてくれてよかった。
考えを改めることができたのも、家族がいるおかげですよね。

真一さんも、義理の兄だというのに、こんなに親身になってくれて…
親戚同士のこういうおつきあいがあるって、いいなあってジーンときてしまいます。
昭和の家族像って感じでしょうか。
親世代はこんな感じでお互いの家族の悩み事も聞きあい、支え合って生きてたのかなと。

ナナコロビヤオキも兄弟は仲はいい方だと思いますが、
離れて暮らしてしまってるからこんなに足繁く行き来しないし、
こういう感じじゃないなあと。
ちょっと羨ましくもなりました。

福ちゃんも言ってたけど、真一さん、いつか再婚しちゃうかな。
再婚したとしても、あの時代だし咲さんとは死別で離婚ではないんだから、
福ちゃんたちとの関係は断ちきらずにいて欲しいなあと
密かに願ってしまいます。
そういうの、許してくれる人と再婚して欲しいです。

 

萬平さん、やっと世良に疑惑を持ち始めました。
塩軍団に目撃情報をもたらされることにより。

神部ワンコ、忠犬だけど帝大卒のおりこうさんだけあって、
闇市で塩を横流ししているのではと嗅ぎつけました。
萬平には満額を支払い、残りの儲けは自分の懐に入れてるのではと。

萬平さんは、それに対して、
「僕の友達を悪く言うな!」
と怒鳴りつけてしまいます。
…萬平さん、いくらなんでも愚かでは?と思っちゃうくらいお人よし過ぎじゃないこれ?
ちょっとコレは萬平さんを善人に設定し過ぎかなあ。

 

だってそもそも、戦後に世良と再会した時の、
「世の中不公平ばっかりや」と言う世良の言葉と、鈴さんの着物を高く買い取ってくれた様子に闇屋と同じと思わなかったか!?
克子姉さん、怒りながらそう言ってたよね。

ナナコロビヤオキなんかは、あのときの世良を見て、終戦直後のメチャクチャだった当時は、商社の多くは闇で商売してその場を凌いでいたのだろうと理解しましたよ。

その上、世良は闇市で塩を売る話を出してきたんだから、世良=闇市と認識しないか??
萬平さんが闇屋で商売したくないのなら、この世良の言動から
「今回は世良さんにお願いするのはやめとこう」
となるものではないか?

「コレについては世良さんとは考え方が違うみたい」
ってなって。
闇屋が正しいかどうか、世良が悪人かどうか以前に、考えが一致しないってことで。

それに萬平さん、頑固な職人気質なんだから、
自分は闇市はイヤとなったら、それこそ世良にプイッ!となっちゃうハズだなあと。

 

それなのに世良を丸ごと信じて、
大事な塩を社員の一人も付けずにすっかり世良に預けて、
伝票もきちんと見てるんだか見てないんだか分からない状態で…。

それで、神部ワンコに言われたら、
「僕の友だちを悪く言うな!」
って。
…大人の男性としてはいくらなんでもお花畑過ぎじゃない?
両親を早くに亡くした萬平さんにしては、苦労知らず、無防備過ぎだしなあ。

そこの描き方が甘くて、おかげで萬平さんが賢い人に見えなくなってきてしまっています…。
この萬平さんの腑に落ちない言動には何か理由があるのかしら?
早めに軌道修正して欲しいですね。

 

世良が専売局に売っていたのは、
かます20個のうちの8個。
8個売って1,600円でした。
正規で満額で売れると、かます一個分200円になるってことね。

闇市で残りの12個を売り、その売上は6,400円。
専売局と闇市の売上合計は8,000円ということね。

萬平さんには専売局で全てが満額で売れたとする金額、
200円×かます20個=4,000円をぴったり渡す。
そして残りは自分に。
世良の儲けは4,000円。

世良の言い分としては萬平に損はさせてないということなんでしょう。
世良としては、高く売って自分も儲けさせて貰いましたよってことで。

 

世良は、闇市で靴磨きしてもらった子どもにお金をはずんでました。
これは世良は単に極悪非道な人間というわけではないということと、
闇市には闇市のルールがあることを表しているのだと思います。

世良が言っていた通り、正しいとか正しくないなんて今の世の中では通用しない。
不公平しかないって。
そのセオリーに従って世良は、生きているのね。

だから、やっぱりナナコロビヤオキは世良はただただ悪人といらだつ気にはなれません。
むしろ面白い人間だなあと興味深い。
私は極悪人なのかも…!?

 

今回のこの世良の疑惑の件で残念だなあと思った事は、福ちゃんが絡まなかったこと。
せっかくヒロインなのに、怪しいと気付く役ではなかった。

塩軍団が目撃するのはいいとして、
もう一つの状況証拠を福ちゃんが掴めばよかったのに。
福ちゃんが克子姉ちゃんのところに行く際に、
福ちゃん自身も世良の行動に不穏なものを感じるシーンがあって、
塩軍団の目撃情報と結びつく…って流れの方がよかったかなあと。

福ちゃんを忠彦さん問題に追いやっちゃって、それだけになっちゃって、
せっかくのヒロインなのにちょっともったいない。
忠彦さんのシーンはよかったけどね。
見る側の最大の興味は世良の疑惑だから。

 

そして、福ちゃんは、真一さんと歩いているところを塩軍団に目撃されて不倫疑惑。
世良の疑惑がシリアスなのに対して、
福ちゃんの不倫疑惑という笑でコントラストをつけてくれるのでしょうね。
明日はそれで息抜きできそうで安心して見られそうと思いますが、

…でも萬平さん、コレについても頭弱過ぎよっ!怒
真一さんのことを思い付かないとしても、
克子姉さんちに行ったんだから忠彦さんと歩いているかもしれないでしょ!?

萬平さん、世良をあんなに信じてるんだから、最愛の福ちゃんを信じなさいよっ!

それにしても、帰宅した福ちゃんも、忠彦さんのことをゆっくり報告せずに寝ちゃうのも
ちょっとわざとらしいかなあ。
明日に引っ張るためだとは分かるけど、
「真一さんも一緒に説得してくれたおかげー」
って報告しない?

福ちゃんを帰らせずに、塩軍団に聞いて心配になったところで今日は終わりでよかったかも。

今日はちょっとスッキリ感に欠けるけど
明日笑わかしてもらえることと、期待しています!